東方魔人黙示録
《普通の魔法使い》
朝から急に始まった弾幕勝負を終え、体力を異常に消耗し疲れているというのに霊夢さんに掃除を強行させられています。まあ、そんなに汚れているわけではなかったから、すぐに終わったんですけどね。
「ふぅ......終わりっと」
「あら、案外早いわね?じゃあ、次は朝ご飯の準備よろしく〜」
「はいはい.........」
鬼のような巫女だ。
まあ、文句を言っても仕方が無いので渋々台所へと向かった。朝と言ったら目玉焼き?いや卵焼きでいいかな。霊夢は好き嫌いが特にないから作りやすい。
台所に入り食材を並べていると廊下からとんがり帽子をかぶりキノコが大量に入ったカゴを持った金髪少女が入ってきた。
「ん?誰だ?」
「いや、お前こそ誰だ」
「わたしは霧雨魔理沙!普通の魔法使いだ」
「俺は桐月アルマ、普通の人間だ。それでお前は何しに来た?」
聞くとふっふっふと笑い、カゴの中に入っているキノコを一つおもむろに掴んで俺に見せつけるように突き出した。
「わたしは暇だから霊夢にキノコの素晴らしさを教えに来ただけだぜ!」
なぜキノコ?それよりも霊夢の知り合いなんだな。
それにしても普通の魔法使いやら貧乏巫女やら.........ほんと幻想郷の住人達は個性的な奴ばかりだな。俺も他人のことは言えないけどさ。
「お前こそ何をしてるんだぜ?.........まさか泥棒か!?」
「誰がこんなボロ神社に盗みにはいーーーーがはっ!」
言いかけた直後に後ろから鈍器で叩かれ、ふらふらとよろめいて、頭を押さえながらしゃがみこんだ。とっても痛いんだけど.........叩いた人物はもちろん、貧乏巫女の霊夢さんです。
そんな怖い顔しないでくださいよ、冗談に決まってるじゃないか。
魔理沙が挨拶をすると彼女はそっけない感じで返した。いつもこうなのか?
魔理沙に俺のことを聞かれ事情を説明した。
「じゃあ、アルマは昨日からここに住んでいるわけか」
「そういうこと」
「なら、これからよろしくだぜ!」
「ああ、よろしく」
「いいから、朝ご飯の準備してくれない?」
ちょっとぐらい待つと言うことができないのかい?霊夢の機嫌を損ねてもいいことがないので、さっさと作ろう。
魔理沙が持ってきたキノコで朝飯を作り、ついでに魔理沙の分も作った。朝飯食べていないらしいから。
作ってみたが二人から好評の声をもらった。ちょっと遅い朝ご飯を終え、少し休憩がてらに縁側で魔理沙とお茶をしていた。
「じゃあ、魔理沙は人間の魔法使いなんだな」
「そうだぜ?すごいだろ?」
「すごいがんばったんだろうな。俺には到底真似できねえよ」
「そ、そうか?ちょ、ちょっと照れるぜ」
魔理沙は真っ赤な顔になっていた。どうやら褒められるのが慣れてないみたいだな。
「俺も普通だったらなぁ.........」
「なんか言ったぜ?」
「いや、なんでも無い」
「なにイチャイチャしてんのよ」
「してないよ」
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