東方魔人黙示録
《俺はモルモットではない》
俺ちゃんこと桐月アルマ。てゐに物を壊さないように注意された。
うん。壊しちゃったよ。速攻のフラグ回収だよ。
俺ってば相変わらず不運ね! そんなこと言っている場合ではない。この現状をどうやって打破するかだ。俺に残された選択は三つだ。
逃げる。
謝る。
竹林ごと破壊して証拠隠滅。
.......よし、逃げよう!
「あら、アルマさん。何をして......」
そんな簡単には逃げることはできませんでした。ああ、怒られちゃう。
そう思っていると急にツボにぶつけた腕を掴まれた。腕からは破片で切ってしまっていたようで出血していた。
「だ、大丈夫!?」
「え? あ、大丈夫ーーー」
「嘘つかないで血が出てるじゃない! ほら、来なさい!」
「いや! ちょ!!」
本日、二回目の女の子に手を引っ張られると言うね。
なぜこんなにも引っ張られるのか...全く不思議だね。
△▼△
引きづられながら連れて来られたのは薬や医療品系のものがたくさん置いてある医務室みたいな部屋。永琳が椅子に座るとさらにそれっぽい。いや、どちらかと言うと保健室。
「じゃあさっきの場所見せなさい」
「見せてって言われましても」
「いいから見せなさい!!」
引っ張らないでください。血が飛び散るでしょ?
「あ、あれ? 血はあるけど傷が塞がってる?」
「だから言ったじゃん! 大丈夫だって!!」
「......もしかして、人間じゃないの?」
「ああ、今は人間の姿だったな」
魔力を高めて魔族の方に姿を変えた。
やっぱり、人間の姿じゃないと血が騒いでしょうがないな。俺は戦闘狂ではないので悪しからず。
「あなたは魔族なの?」
「いや、俺は半人半魔だ」
「半人半魔......この回復力も頷けるわね」
「んじゃあ、俺はこれで」
その場から立ち去ろうとすると、また腕を掴まれた。今度は、まるで逃がさないとでも言うかのように、がっしりと掴まれた。とっても嫌な予感しかしないんですけど。だって、すっごい嬉しそうに笑ってるんだもん。
「待ちなさい。半人半魔ということは魔族でもあるのよね?」
「そりゃあ多少?」
「なら体は頑丈よね? ちょっと私の薬の実験に付き合ってくれないかしら?」
「何それ怖い」
「大丈夫......死にはしないわ」
死にはしないけど、絶対体に害あるだろ。そんなの断るに決まってるじゃありませんか!! と思っていたのですが...。
「まさか、嫌だとは言わないわよね?」
幽香の怒ってるときばりのオーラを発しながら言ってくるんですよ。もうこれは脅迫です。これって逃げた方がいいよね。
どうやって逃げ出そうかと考え、とりあえず腕を振り払おうと腕を振った次の瞬間、屋敷の外から爆音が鳴り響いた。
相当の爆発なのか一瞬屋敷が大きく揺れた。その一瞬で永琳の手が緩んだ隙をつき、部屋から脱走。そのまま、走り続け屋敷を飛び出した。
死ぬかと思った。それにしてもさっきの爆発って、どう考えても弾幕だよな。しかも、奥の方で黒煙上がってるし、行ってみるか。
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