東方魔人黙示録

怠惰のあるま

【閻魔と魔王】


ここは、三途の川。現世と地獄を分かつように流れている。その長さは、亡者によって違うらしい。罪が重ければ重いほど、川は長くなり地獄にはなかなか着くことができない。
そんな物騒なとこに来た理由は、地獄にある裁判所の主に会うためだ。さて、あいつはどこにいるかな?

「ちょっとあんた!止まりな!死人じゃないね?どうやってここに来たのさ?」

ちょっと失礼にのほどがあるんじゃないか?長い年月がたったからってさ・・・・・。
アルマ「俺を忘れたか?小野塚小町!」
小町「え?あ、魔王様?」
アルマ「このサボリ魔め」

こいつは小野塚小町。三途の川の渡し守(?)の一人である死神である。一応魔界出身であるため、死神ではあるが俺の方が偉い。

小町「ま、魔王様なんでここに?!」
アルマ「てめぇに説教しに来た。あと、あいつに会いに来た」
小町「え?」
アルマ「いいから、連れてけ」
小町「は、はい!」

こいつの能力で川を渡れば一瞬だ。数分後、目的の建物である地獄の裁判所が見えてきた。
中に入ると相変わらず、静かな雰囲気だ。裁判所が明るくて陽気な場所だったら、それもそれでシュールだが・・・・。
あいつのいる部屋に着くと、あそこで忙しーーーーそうでもないな。

「小町、何しに来たんですか?」
小町「え、えーっと......し、四季様にお客様が......」
「今は忙しいんです。あとに・・・・はぁ・・・何しに来たの?」

俺の存在に気づき、ため息をしたこいつは、四季映姫・ヤマザナドゥ。俺の幼馴染に等しいぐらい長い付き合いで、こいつが今の閻魔大王ーーとでも言うんだろうか?ーーになる前からの仲だ。

アルマ「お前に用があるに決まってんだろ?」
映姫「今回の異変のこと?」
アルマ「おまえ・・・・鏡見ながらも、ほっといたろ?」

こいつの持っている浄玻璃の鏡と呼ばれる道具は、罪人の過去を見通すことができる優れもの。それに現世の状況も監視することができる。

映姫「忙しいんです」
アルマ「暇そうだったじゃねえか!!」
映姫「けど、あなた一人で解決できるでしょ?」
アルマ「めんどくせえ」
映姫「まったく・・・・あなたには、私からのありがたいお言葉が必要ですね」

出たよ。こいつのありがたいお言葉と言うなの説教。お言葉と言いながら、とてつもなく長い説教で、最長で半日は続いた。

アルマ「お前の長ったらしい説教聞きたくねえよ」
小町「ま、魔王様!それ言ったら・・・」
映姫「説教じゃないです。ありがたいお言葉です」

説教とお言葉と言い合い、少しフェイントを入れて映姫に自分で、説教と言わせてあげました。
映姫いじるの楽しいね。うん?映姫さんや?真っ赤な顔してどうしたんだい?あと、右手に握っている悔悟の棒をしまってくださらない?

映姫「あなたは罰せられるべきです!!」
アルマ「え?ちょっとターーーー」

俺の制止の声は届かず、悔悟の棒が頭に振り落とされた。
俺はなんにも悪いことしていないのに、途轍もない痛みを与えられた。

その日、地獄に悲痛の叫びが響き渡ったのは別の話

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