東方魔人黙示録

怠惰のあるま

ジェラシーハザード



目が覚めると、なぜか目の前に作者が現れた。あと、ポッキーを片手に俺に話しかけて来た。

「今回は偉大な話数かもしれない」
「何言ってんの?」
「今回何話か言ってみ?」
「え?・・・・111話?」
「うむ」

ああ、なるほど。1が三つならんでて、ポッキーの日みたいな感じだと言いたいのね。相変わらずこの馬鹿はいい年してなにしてるんだか。

「じゃあ、俺は筋トレに励むよ」
「何故だ」
「大会近いから」
「ああ、うん頑張れ」

そう言うと、目の前が真っ白になり、俺は今度こそ目が覚めた。
最初に目に入ったのは、強盗でも入ったかのような荒れた部屋である。喧嘩でもしたか?横を見ると、魘されているパルスィが隣のベッドで気絶中。幽香達の姿も見当たらない。本当に何があった?
ベッドから出ようとしたら、手に違和感を覚えた。気づかなかったが、俺の手が、ベッドに拘束されていた。かなり頑丈にね。

「どうゆうこと?」
「あら?起きたの?」

声の主は幽香さんだった。とっても怖い笑みを浮かべています。何と言うかね。パルスィがスゴイ妬んでる時の雰囲気に似てた。言い方を変えれば、嫉妬の感情がほとばしってる。まさか・・・・・

「な、なぁ?幽香さん」
「何かしら?」
「今なに考えてる?」
「そんなの決まってるじゃない。貴方のことしか考えられないわ」

あ、まじか。これやばいパターンだ。パルスィを連れて早く逃げないと、主にパルスィが危ない。

「拘束してる理由は?」
「貴方は私だけのものだもの・・・他の女になんか渡さないわ」

そう言って、幽香はパルスィに近づき、首元をさすっていた。もちろん、くすぐるとかそんな甘っちょろいもんじゃない。さすっている時の顔はもう、殺す気満々だ。まさか、またこんなことになるとはな。

「けど、貴方はパルスィがいる限り、私を見てくれないのよね?だから、今から消さないとね」
「まてぇい!前より症状が酷すぎるぞ!?」
「ふふふふふふ!!」
「強行手段だ。許せよ?」

拘束されていた縄を簡単に引きちぎり、ベッドから飛び起きる。その行動に驚き気味の幽香に向け、指を鳴らす。感情消滅。
危なかった・・・・シャレになんねえぞ。今回は度が過ぎてる。前回にもこのようなことがあった。幽香だけに起こることじゃ無く、たぶん、いや、起きてて欲しくないが、幻想郷全体に、この症状が起きている。何がどうなっているかと言うと、パルスィがダークマターを食べてしまったからだ。
ダークマターは、三回食べたことがあると前回教えたが、そのうちの一回。幽香の作ったダークマターで、同じことが起こった。
たぶん材料のせいなんだろうが、ダークマター:幽香さんverを、パルスィが食べると、能力が暴走し、周りの人間の嫉妬の感情を強くしてしまう。結果、ヤンデレが誕生。
前は、幽香と映姫だけだったからよかったが、あと子供だったし、まだ。だが、今回はやばい。パルスィが成長しているから、能力が強くなり、症状が悪化している。由々しき自体だ。

「パルスィ起きろぉ」
「・・・・ん?」
「あ、起きた」
「あれぇ?なんで寝てるんだろ・・・」
「ダークマター」
「ああ・・・・それで、幽香が倒れてるのなんで?」

事情を説明。パルスィ状況把握と、罪悪感で反省中。

「パルスィは悪くないだろ?」
「でも、私の能力でこうなったんだし・・・・」
「いや、ダークマターだろ。それよりも今回はどう解決するかだ。前は時間とともに終わったが、今回はそうはいかなそうだ」
「うぅ・・・・」

落ち込んでるパルスィまじ可愛い。しょうがないから慰めるために頭を撫でてあげた。慰めるためだけだから、しょうがない。
俺がパルスィの頭に触れると同時に、窓からどす黒い殺気を感じた。窓には、なんかリグルがジトっとした目でこちらを見つめていた。

「もしかして、リグルも?」
「それだけなら良かった。たぶん幻想郷全体だ」
「それって逃げ場無い?」
「安心しろ。俺の能力で今回は凌いでやる」

さて、幻想郷を巻き込んだ。パンデミックの始まりだ。

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