ILIAD ~幻影の彼方~
002 出会い
雷音と豪雨の中、商人・カートライト家の馬車が山道をもの凄いスピードで駆けている。
馬車の馬は二頭、その手綱は暗い緑色の合羽を着た男が握っている。
「パパ、大丈夫なの?」
馬車の中から同じような合羽を着た少女が顔を出し、不安そうな声でそう言うと、男の隣に座った。風で少女のフードが外れ、赤いポニーテールが靡く。そのエメラルドグリーンの瞳はノルティアンの特徴だ。
「大丈夫だよ、サニー」男――ルード・カートライト――は少女を安心させるように優しくそう言った。「もうすぐこの山道も抜ける。村まであと少しさ」
少女――サニー・カートライトはそれを聞くと胸に手を当ててホッとしたように息をつく。そしてフードを戻しながらふと前を見ると、彼女は目を瞠った。
「パパ、馬車を止めて! 人が倒れてるわ!」
「何!?」
馬車が通るであろう道の真ん中に誰かが倒れていたのだ。ルードは馬車をうまく操り、間一髪でその人の前に止まることができた。少しでも遅かったら轢いてしまっていただろう。
二人はすぐに馬車を降り、その人の下に駆け寄った。その様子を馬車の窓からサニーと同じ赤毛の女性――彼女の母、スフィラ・カートライト――が心配そうに覗いている。
(男の子!?)
それは、美しい銀髪をした十五歳くらいの少年だった。紅い宝石が胸部についた空色の少し大きめな鎧を着ている。だがその鎧は破損したのか、左肩が外れていて、シャツやズボンもあちこち破れている。腰のベルトに剣を挿しているが、それも既にボロボロの状態だ。
魔物と戦った……いや、これはそんな傷ではない。もっと凄まじいことが起こったのだろう。ルードは不思議に思い、呆然と少年を見ていた。
「パパ、この子……死んじゃってるの?」
サニーは恐る恐る訊いてみた。その言葉にルードはハッとすると、ぐったりしているその少年を抱き起こし、口元に耳を近づけた。すると僅かに息をしていることがわかり、気を失っているだけだ、と言って微笑んでみせた。
「だが、かなり衰弱している。このままでは……」
すぐにルードの顔が険しくなった。すると、馬車からスフィラが顔をだし、
「あなた、早くその子を馬車に。すぐ村へ連れて行けば助かるかもしれないわ」
と叫ぶように、それでいて落ち着いた声で言った。
それを聞き、ルードは、そうだな、と言って少年をそっと担いだ。
「サニー、村に着くまでママと一緒にこの子の看病をしていてくれ」
「うん!」とサニーは大きく頷いた。
そしてルードは、馬車に少年を乗せ、安全を確認すると、全速力で馬車を走らせた。
☨ ☨ ☨
「あっ! 気がついた!」
長閑で小さな村《アスカリア》。豊かな自然に囲まれたそこは、冷涼な気候のため避暑地として一部の人には人気がある。
入口のアーチをくぐると、すぐに小川のある広場にでる。周りの家々のほとんどは木でできていて、高低差はあるが、広場と小川を囲うように建っている。
広場の階段を上がった一番高いところに建っている大きな家の隣、そこにカートライトの家がある。その家のベッドの上で銀髪の少年はゆっくりと目を開いた。救出されてから三日後のことである。
少年のサファイアブルーの瞳に、赤毛のポニーテールをしたエメラルドグリーンの瞳の少女が微笑みを浮かべ、自分を覗き込んでいる姿が映る。
「……ここは?」
「ここはあたしの家だよ。よかった、気がついて……」
「…………」
少女は安堵した様子で息をつくと、後ろを向き大声を上げた。
「パパ、ママ、この子が目を覚ましたよ!」
「本当か!?」
するとすぐに返事が返り、ドアの向こうからドタバタと慌てて駆け寄る足音が聞こえてきた。そして、ガチャっと勢いよくドアが開くと、白っぽい金髪の男性と赤毛で前髪を巻くようにした女性が入ってきた。どちらも三十~四十くらいの年で、少女と同じエメラルドグリーンの瞳からノルティアンだということがわかる。
男性は少年を見ると、優しい笑みを浮かべた。
「どうやら、もう大丈夫そうだな」
「ええ」女性が頷いた。「でもまだ安静にしてないとダメよ」
「…………」
少年は黙ったままわけがわからないといった様子で辺りを見回した。
「そうだ! 君の名前は? あっ、あたしはサニー、サニー・カートライト」
少女――サニーは目の輝かせ、明るい声でそう訊いた。すると彼は首を傾げる。
「な……まえ?」
「そう、名前だよ」
サニーは詰め寄るが、彼は困ったような顔をする。
「……わからない」
「え?」
眉をひそめ、サニーは後ろの両親を振り向いた。
「待って、サニー」女性は言うと少年を見た。「じゃあ、どこから来たのかわかる? どうして倒れていたの?」
「すみません、何も思い出せないんです……」
少年はうなだれ、寂しそうに表情を曇らす。
「まさか、記憶喪失なのか?」男性が言う。
「そのようね。でも、言葉は話せるみたいだからよかったわ」
女性は微笑んだ。その時――
「ルードさん、スフィラさん、あの子が目を覚ましたって!?」
突然ドアが開き、恰幅のいい中年女性が慌てて中に入ってきた。アルヴィディアンの特徴である琥珀色の瞳が少年の姿を捉える。
「サラディン村長!? またあなたは勝手に人の家に……」
ルードと呼ばれた男性は呆れたようにそう言うが、中に入ってきたその女性は悪びれることなく、堅いことはいいじゃないの、と笑って返した。
「ケアリーおばさん、何でこのこと知ってるの!?」
不思議に思ったサニーが訊くと、村長と呼ばれたこの女性、ケアリー・サラディンは大笑いをして彼女を見た。
「ハッハッハッハッ! サニーちゃんのあの大声は村中に聞こえているさ♪」
ケアリーが可笑しそうに笑いながらそう言ったので、サニーは顔を赤らめて、あーもう笑わないでよ、と叫んだ。
「ハッハッハ! それより、どうなのその子?」
ケアリーはルードとスフィラを振り向き、顔を赤らめたサニーの頭をなだめるように撫でながらそう訊いた。それにはルードが深刻は顔をして答える。
「記憶喪失……のようだ」
スフィラも頷く。しかしケアリーは、たいしたことではないかのように笑うと、少年の頭も撫でた。
「大丈夫よ、記憶なんて、きっとそのうち戻るわよ! ――?」
そう言うと彼女は何かに気づき、少年の顔をマジマジと見つめた。
「あら? この子目が青いわね。ほら!」
そう言われたので、サニーも少年の顔を覗き込んだ。
「ホントだ……全然気づかなかった」
ルードが腕を組む。
「青い目……アルヴィディアンでもノルティアンでもないとすると、《ハーフ》か?」
「でもあなた、ハーフは赤色らしいわよ」
スフィラはそう言ったが、実際にハーフを見たことがある者はここにはいなかった。アルヴィディアンとノルティアンが結ばれたとしても、ハーフが生まれることはまずないという。だから見かけることも普通はない。
すると、サニーが両親の方を向いて胸の前で腕をブンブンと振る。
「もう、そんなことどうでもいいわよ! それより」
今度は少年を向く。
「名前わかんないならさ、あたしが名前付けてもいい?」
「そうね、いつまでも『君』じゃあねぇ」
ケアリーは腰に手を当てて頷いた。
「僕は……別にいいですけど」
「じゃあさ、んとね、えーと……」サニーは額を指で押さえるようにして考え始め、「決めた、『セトル』! 君の名前は『セトル』だよ!」と言った。
「『セトル』……うん、いいですね」
少年は目が覚めてから初めて微笑んだ。
「よろしくね、セトル!」
「あ、はい、よろしくおねがいします。サニーさん」
セトルがそう返すと、サニーは頬を膨らませた。
「むぅ~、サニーでいいよ。あと敬語もなし!」
「え? あ、よろしく……サニー」
そう言われたので、セトルは言い直した。するとサニーは、はにかんだ笑みを浮かべ、それでよし、と言って親指を立てた。
ルードたちはそのやり取りを眺めて微笑んでいた。
(『セトル』、古代エスレーラ語で『静める者』……か)
「そうだ!」ケアリーが何かを思いついたように掌をポンと叩く。「セトルちゃん、記憶が戻るまでわたしの家に住むといいわ!」
「え? は、はい、お世話になります」
一瞬戸惑ったが、セトルはすぐに決断した。
「え~、あたしんちでいいじゃん!」
サニーは不満そうな顔をする。そこにルードが、
「わがままを言うんじゃないよ、サニー」
と言う。
「だって~」
彼女はまた頬を膨らませる。するとルードは、彼女の耳元でそっと囁いた。
『村長に子供がいないことは知ってるよね?』
『う、うん……』
『ほら見てみなさい、あの嬉しそうな顔。村長、ずっと子供が欲しかったんだよ』
サニーはケアリーを見た。その横顔は先程と違って輝いてるように思えた。余程嬉しかったのだろう。
サニーはしぶしぶ、わかったわよ、と言った。
「じゃあセトルちゃん、歩ける?村を案内してあげるわ」
ケアリーはセトルの手を取り、ベッドから立たせてあげた。
「あー! 村はあたしが案内するー!」
「サニーちゃんは方向音痴でしょ?」
「ぶぅー、そんなことないもん!」
それを見ていて、セトルは思わず笑ってしまった。そして――
「ハハハ、じゃあ二人にお願いするよ」
すると、スフィラはやれやれ、といった感じで肩を竦めた。
「安静にしてなさいっていったのに……」
こうして、青い瞳を持つ謎の少年『セトル』は、記憶が戻るまでだが、サラディン家に迎えられ、この村、《アスカリア》で暮らすことになった――。
馬車の馬は二頭、その手綱は暗い緑色の合羽を着た男が握っている。
「パパ、大丈夫なの?」
馬車の中から同じような合羽を着た少女が顔を出し、不安そうな声でそう言うと、男の隣に座った。風で少女のフードが外れ、赤いポニーテールが靡く。そのエメラルドグリーンの瞳はノルティアンの特徴だ。
「大丈夫だよ、サニー」男――ルード・カートライト――は少女を安心させるように優しくそう言った。「もうすぐこの山道も抜ける。村まであと少しさ」
少女――サニー・カートライトはそれを聞くと胸に手を当ててホッとしたように息をつく。そしてフードを戻しながらふと前を見ると、彼女は目を瞠った。
「パパ、馬車を止めて! 人が倒れてるわ!」
「何!?」
馬車が通るであろう道の真ん中に誰かが倒れていたのだ。ルードは馬車をうまく操り、間一髪でその人の前に止まることができた。少しでも遅かったら轢いてしまっていただろう。
二人はすぐに馬車を降り、その人の下に駆け寄った。その様子を馬車の窓からサニーと同じ赤毛の女性――彼女の母、スフィラ・カートライト――が心配そうに覗いている。
(男の子!?)
それは、美しい銀髪をした十五歳くらいの少年だった。紅い宝石が胸部についた空色の少し大きめな鎧を着ている。だがその鎧は破損したのか、左肩が外れていて、シャツやズボンもあちこち破れている。腰のベルトに剣を挿しているが、それも既にボロボロの状態だ。
魔物と戦った……いや、これはそんな傷ではない。もっと凄まじいことが起こったのだろう。ルードは不思議に思い、呆然と少年を見ていた。
「パパ、この子……死んじゃってるの?」
サニーは恐る恐る訊いてみた。その言葉にルードはハッとすると、ぐったりしているその少年を抱き起こし、口元に耳を近づけた。すると僅かに息をしていることがわかり、気を失っているだけだ、と言って微笑んでみせた。
「だが、かなり衰弱している。このままでは……」
すぐにルードの顔が険しくなった。すると、馬車からスフィラが顔をだし、
「あなた、早くその子を馬車に。すぐ村へ連れて行けば助かるかもしれないわ」
と叫ぶように、それでいて落ち着いた声で言った。
それを聞き、ルードは、そうだな、と言って少年をそっと担いだ。
「サニー、村に着くまでママと一緒にこの子の看病をしていてくれ」
「うん!」とサニーは大きく頷いた。
そしてルードは、馬車に少年を乗せ、安全を確認すると、全速力で馬車を走らせた。
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「あっ! 気がついた!」
長閑で小さな村《アスカリア》。豊かな自然に囲まれたそこは、冷涼な気候のため避暑地として一部の人には人気がある。
入口のアーチをくぐると、すぐに小川のある広場にでる。周りの家々のほとんどは木でできていて、高低差はあるが、広場と小川を囲うように建っている。
広場の階段を上がった一番高いところに建っている大きな家の隣、そこにカートライトの家がある。その家のベッドの上で銀髪の少年はゆっくりと目を開いた。救出されてから三日後のことである。
少年のサファイアブルーの瞳に、赤毛のポニーテールをしたエメラルドグリーンの瞳の少女が微笑みを浮かべ、自分を覗き込んでいる姿が映る。
「……ここは?」
「ここはあたしの家だよ。よかった、気がついて……」
「…………」
少女は安堵した様子で息をつくと、後ろを向き大声を上げた。
「パパ、ママ、この子が目を覚ましたよ!」
「本当か!?」
するとすぐに返事が返り、ドアの向こうからドタバタと慌てて駆け寄る足音が聞こえてきた。そして、ガチャっと勢いよくドアが開くと、白っぽい金髪の男性と赤毛で前髪を巻くようにした女性が入ってきた。どちらも三十~四十くらいの年で、少女と同じエメラルドグリーンの瞳からノルティアンだということがわかる。
男性は少年を見ると、優しい笑みを浮かべた。
「どうやら、もう大丈夫そうだな」
「ええ」女性が頷いた。「でもまだ安静にしてないとダメよ」
「…………」
少年は黙ったままわけがわからないといった様子で辺りを見回した。
「そうだ! 君の名前は? あっ、あたしはサニー、サニー・カートライト」
少女――サニーは目の輝かせ、明るい声でそう訊いた。すると彼は首を傾げる。
「な……まえ?」
「そう、名前だよ」
サニーは詰め寄るが、彼は困ったような顔をする。
「……わからない」
「え?」
眉をひそめ、サニーは後ろの両親を振り向いた。
「待って、サニー」女性は言うと少年を見た。「じゃあ、どこから来たのかわかる? どうして倒れていたの?」
「すみません、何も思い出せないんです……」
少年はうなだれ、寂しそうに表情を曇らす。
「まさか、記憶喪失なのか?」男性が言う。
「そのようね。でも、言葉は話せるみたいだからよかったわ」
女性は微笑んだ。その時――
「ルードさん、スフィラさん、あの子が目を覚ましたって!?」
突然ドアが開き、恰幅のいい中年女性が慌てて中に入ってきた。アルヴィディアンの特徴である琥珀色の瞳が少年の姿を捉える。
「サラディン村長!? またあなたは勝手に人の家に……」
ルードと呼ばれた男性は呆れたようにそう言うが、中に入ってきたその女性は悪びれることなく、堅いことはいいじゃないの、と笑って返した。
「ケアリーおばさん、何でこのこと知ってるの!?」
不思議に思ったサニーが訊くと、村長と呼ばれたこの女性、ケアリー・サラディンは大笑いをして彼女を見た。
「ハッハッハッハッ! サニーちゃんのあの大声は村中に聞こえているさ♪」
ケアリーが可笑しそうに笑いながらそう言ったので、サニーは顔を赤らめて、あーもう笑わないでよ、と叫んだ。
「ハッハッハ! それより、どうなのその子?」
ケアリーはルードとスフィラを振り向き、顔を赤らめたサニーの頭をなだめるように撫でながらそう訊いた。それにはルードが深刻は顔をして答える。
「記憶喪失……のようだ」
スフィラも頷く。しかしケアリーは、たいしたことではないかのように笑うと、少年の頭も撫でた。
「大丈夫よ、記憶なんて、きっとそのうち戻るわよ! ――?」
そう言うと彼女は何かに気づき、少年の顔をマジマジと見つめた。
「あら? この子目が青いわね。ほら!」
そう言われたので、サニーも少年の顔を覗き込んだ。
「ホントだ……全然気づかなかった」
ルードが腕を組む。
「青い目……アルヴィディアンでもノルティアンでもないとすると、《ハーフ》か?」
「でもあなた、ハーフは赤色らしいわよ」
スフィラはそう言ったが、実際にハーフを見たことがある者はここにはいなかった。アルヴィディアンとノルティアンが結ばれたとしても、ハーフが生まれることはまずないという。だから見かけることも普通はない。
すると、サニーが両親の方を向いて胸の前で腕をブンブンと振る。
「もう、そんなことどうでもいいわよ! それより」
今度は少年を向く。
「名前わかんないならさ、あたしが名前付けてもいい?」
「そうね、いつまでも『君』じゃあねぇ」
ケアリーは腰に手を当てて頷いた。
「僕は……別にいいですけど」
「じゃあさ、んとね、えーと……」サニーは額を指で押さえるようにして考え始め、「決めた、『セトル』! 君の名前は『セトル』だよ!」と言った。
「『セトル』……うん、いいですね」
少年は目が覚めてから初めて微笑んだ。
「よろしくね、セトル!」
「あ、はい、よろしくおねがいします。サニーさん」
セトルがそう返すと、サニーは頬を膨らませた。
「むぅ~、サニーでいいよ。あと敬語もなし!」
「え? あ、よろしく……サニー」
そう言われたので、セトルは言い直した。するとサニーは、はにかんだ笑みを浮かべ、それでよし、と言って親指を立てた。
ルードたちはそのやり取りを眺めて微笑んでいた。
(『セトル』、古代エスレーラ語で『静める者』……か)
「そうだ!」ケアリーが何かを思いついたように掌をポンと叩く。「セトルちゃん、記憶が戻るまでわたしの家に住むといいわ!」
「え? は、はい、お世話になります」
一瞬戸惑ったが、セトルはすぐに決断した。
「え~、あたしんちでいいじゃん!」
サニーは不満そうな顔をする。そこにルードが、
「わがままを言うんじゃないよ、サニー」
と言う。
「だって~」
彼女はまた頬を膨らませる。するとルードは、彼女の耳元でそっと囁いた。
『村長に子供がいないことは知ってるよね?』
『う、うん……』
『ほら見てみなさい、あの嬉しそうな顔。村長、ずっと子供が欲しかったんだよ』
サニーはケアリーを見た。その横顔は先程と違って輝いてるように思えた。余程嬉しかったのだろう。
サニーはしぶしぶ、わかったわよ、と言った。
「じゃあセトルちゃん、歩ける?村を案内してあげるわ」
ケアリーはセトルの手を取り、ベッドから立たせてあげた。
「あー! 村はあたしが案内するー!」
「サニーちゃんは方向音痴でしょ?」
「ぶぅー、そんなことないもん!」
それを見ていて、セトルは思わず笑ってしまった。そして――
「ハハハ、じゃあ二人にお願いするよ」
すると、スフィラはやれやれ、といった感じで肩を竦めた。
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