俺の同級生は魔王
1-[6] 魔王、交戦。
刹那、二人を槍が襲った。が、ふたりは自称魔王の助言のおかげで助かることができた。
「あれはなんだよ」俺は走りながら、魔王に話しかける。
「あれはやつらが『聖獣』と呼ぶ存在。魔の世界にも強硬派と話し合いで解決させようとするものもいるってこと。わたしは後者ね」
それのどこが、とつっこみたかったが、そんな気力はなかった。
さらに、聖獣とやらが追撃を加え、俺と魔王の間に細長く腕を通したからだ。
「うわっ」俺は思わず驚き、立ち止まりそうになったが――なお、走った。だって、考えてみろ? ここで仮に立ち止まったらそこにいるキメラよろしく、ライオンより凶暴ななにかに身を委ねることになる。それが何を意味しているか、わかっているだろう?
俺は今まで受けたことのないような、恐怖に襲われた。それはまるで、崖すれすれで歩いているような気分だ。
『死』。
その時俺はそんなことを考えていた。もう終わりなんじゃないか、ってね。
でもな、やっぱり。
『非現実』にいるんだなあ。と自覚することになってしまったよ。
何があったって? 答えは簡単さ。
彼女が、そのモンスターに向かって白い咆哮を放ったのさ。それを受けてモンスターは綺麗サッパリ消え去ったよ。そして、彼女は満足そうな笑みを浮かべて、こういった。
「もう、ここはあなたの知ってる世界じゃないのよ」ってね。
***
そんなことから1日がたって、俺と大田はまた普通に馬鹿騒ぎをしていた。
ふと、大田が「ったく昨日のあれはなんだったんだ? 動物とも人間とも取れないわけのわからないやつが来たと思ったらクラスメートが白い咆哮を放って撃退した? まったくもってわけがわからん」鉛筆をくるくると回しながら、言った。
「それは俺にだってよくわからん。でも見たことある世界で起きたことだ。ほんとのことなのかもしれないぜ?」
「おまえ案外冷静だな。まるで昔、こんなことがあったような感じがしているなあ?」太田はニヤニヤしながら言った。
「そんなわけねーだろ。常識的に考えて」
「ま。そうだな。でもさ」大田は言葉を切って、「もうおれらは非現実の世界にいるのかもしれないんだぜ?」
「そうだな」そう言って俺は制服のズボンのポケットに入っているメントスを一個取り出し、口の中に放り込んだ。
「あっ。俺もくれよっ!」「やらねーよ。お前なんかにやるメントスは毛頭ない」
「あれはなんだよ」俺は走りながら、魔王に話しかける。
「あれはやつらが『聖獣』と呼ぶ存在。魔の世界にも強硬派と話し合いで解決させようとするものもいるってこと。わたしは後者ね」
それのどこが、とつっこみたかったが、そんな気力はなかった。
さらに、聖獣とやらが追撃を加え、俺と魔王の間に細長く腕を通したからだ。
「うわっ」俺は思わず驚き、立ち止まりそうになったが――なお、走った。だって、考えてみろ? ここで仮に立ち止まったらそこにいるキメラよろしく、ライオンより凶暴ななにかに身を委ねることになる。それが何を意味しているか、わかっているだろう?
俺は今まで受けたことのないような、恐怖に襲われた。それはまるで、崖すれすれで歩いているような気分だ。
『死』。
その時俺はそんなことを考えていた。もう終わりなんじゃないか、ってね。
でもな、やっぱり。
『非現実』にいるんだなあ。と自覚することになってしまったよ。
何があったって? 答えは簡単さ。
彼女が、そのモンスターに向かって白い咆哮を放ったのさ。それを受けてモンスターは綺麗サッパリ消え去ったよ。そして、彼女は満足そうな笑みを浮かべて、こういった。
「もう、ここはあなたの知ってる世界じゃないのよ」ってね。
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そんなことから1日がたって、俺と大田はまた普通に馬鹿騒ぎをしていた。
ふと、大田が「ったく昨日のあれはなんだったんだ? 動物とも人間とも取れないわけのわからないやつが来たと思ったらクラスメートが白い咆哮を放って撃退した? まったくもってわけがわからん」鉛筆をくるくると回しながら、言った。
「それは俺にだってよくわからん。でも見たことある世界で起きたことだ。ほんとのことなのかもしれないぜ?」
「おまえ案外冷静だな。まるで昔、こんなことがあったような感じがしているなあ?」太田はニヤニヤしながら言った。
「そんなわけねーだろ。常識的に考えて」
「ま。そうだな。でもさ」大田は言葉を切って、「もうおれらは非現実の世界にいるのかもしれないんだぜ?」
「そうだな」そう言って俺は制服のズボンのポケットに入っているメントスを一個取り出し、口の中に放り込んだ。
「あっ。俺もくれよっ!」「やらねーよ。お前なんかにやるメントスは毛頭ない」
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