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僕のとなりは!?(僕とな!?)

峠のシェルパ

消印と消し炭4

 誰だったかな詳しいことは忘れたけれど「人生は重荷を負うて遠き道を行くが如し」と言った人がいた。
遠くにいくためには大きな荷物を背負っていかなければならないし、人生が何処で終わるのかなんてよっぽどのことがない限り自分では決められないから重い荷物を準備しなくてはいけないなんて…
何処へ向かいたいのか、どんな道を歩めばいいのか私にはさっぱりわからない。
優しい人たちよりも楽しそうに生きているのは少しでもずるく賢くい人となんにも考えてもいない人に見えてしまう…だなんてそんなことを解いて・説いて・問いても私はちっとも生きている実感が無かった。

だってそうでしょう? 自分の思考だってただの電気信号でしか無くって趣向なんて自分の環境に対する反射的行動でしか無くって床の隅にひっそりと座っている私には他人に向ける敵意も好意も無く、日々を数を数えること位しか出来ることも無く自我も最早必要だったのか怪しくなる…知識ばかりを蓄えたとて世の中には知らないことばっかりだ!!

私の隣でのほほんとしている様で色々考えてる人とか良い例だと思う。
私の素直な感情の吐露を、私が愚かにもついた嘘を、この人は許してくれるだろうか、私が勘違いと思い違いをしているだけでただの居候にどこか居場所が見つかれば多分歓迎してくれる、問題はそれ以降のことで……

今が日常じゃなく特異で長続きするなんて私は楽観的に全然考えていないし、毎日をそれ程意識はしてない。
自分の目の前に広がるものを主観的に考えて、自分以外を不安視したってなんにも始まらなかったんだからしょーがないよね、溜め息をするくらいなら深呼吸に変えて頭の中のもやもやはくずかごにまとめちゃえばいいんだよ。
彼岸と此岸を行ったり来たりするだけだって六文銭が必要なんだから世の中はお金っていう実際有りもしないモノが世の中を動かしているんだって思うよね、人がお金を動かすんじゃなくて人がお金に動かされているんじゃないかって私思うんだ、地獄の沙汰も君次第…じゃなかった金次第、持っておくべきは袖の下、無い袖は他人から奪い取れだなんてこんなことを考えて、「君は人里離れた場所で自給自足生活しなさい」なんて言われたら正直この世な中からはじき出されてしまう方が嫌だよ。
私はいまこの時を手放したくは無いからね、人が居場所を求めるのは普通だよー。
それが自分のことしか考えない様に視野が狭まってしまうのは人と自分を同一視してしまうからだよ、人との距離が今の人は中々掴みづらいのかな~?
それぞれの価値観が交差して混ざりあってぶつかり合う相反するならば住みかを分ければいいのにと思うことはあるけれど、自分は何者なのかと考えてそもそも論でこんなこと考えることの意味を探してしまうともう袋小路になっちゃうから私は意味も異義もその正体を暈し悟ったふりしている。
良いのか悪いのかなんて分かんないんだけど、空虚に軸が無いよりは謙虚に譲れないものもあっても良いよねって私はそんなことばっかり考えてきた。 
生きる明確な理由に漕ぎ着きたくてかこつけて格好悪く悪あがきをして……
言葉で遊べるだけの教養を強要されてきた私にはひとりでに落ち着ける場所は気が休まるよ。

 図書館に来てる人って私たちみたいな学生とかばっかりかなと思っていたら勘違いだったみたいで赤ちゃんを連れて慈愛に満ち溢れた声で読み聞かせをするおかあさんに新聞を読み耽り小難しそうに首を傾げるお爺さんがいたりしてこれだけ各々が個人の空間を広げあっているというのも、静けさと知識がこの建物全体を作り上げているっていうのもいつも賑やかに茶目っ気の有る空間をお届けするのが私の仕事だけど今日はそれもお休みしてますし…
同学年の男の子と図書館で二人き…そう言えばもう一人いた気がするけれどそれはほら今は別行動だしちょこっと忘れちゃって、春の優しい日差しに照らされた彼の今までちゃんと見てこなかった彼の横顔をこっそりと……

「あれ、レイピアどうかした?」
窓辺に座った彼を遠くから見てみたいんだけど本を探すふりでもして本棚の隙間から見ようかな、でもそれストーカーっぽくない?

「もーしもーし御嬢ー、きーこーえてまーすかー?」
あんまり急なお呼び出しはビックリしちゃって多分反射的に私の特異性が発露しちゃうからここでは止めてよね、ジュッってするよジュッって!
「あぁ、ごめんごめんなんだか真剣に考え事をしてたみたいで邪魔をしてしまったならごめんね?」

私に優しく微笑みかけてくる人を私は助けになりたいと思うし力になりたいと思うんだ。
過去も未来も考えなくって今この時を幸せに浸りたいだなんて贅沢が過ぎるよね、私は彼とは住む場所は一緒でも今の状態があり得ないし長続きがするわけ無い……
私の家出は色々な偶然と一念発起した結果だけど私の父親がこのまま手を小招いているとは考えずらい、あの人は自分の子供に興味がないものだと私は思っているけどどうなのかな、
その分面子とか心についた贅肉にこだわる人だとしたら……
私の全く知らないあの人は今何を考えているのか、考えても糖分の無駄だから一瞬で何処かに放っちゃうんだけど!!

「なーんでもないよ、私の読みたい本は何処にあるかなーって思っただけだよ」
「それならジャンル別になってるし番号がふられてるから借りられていない限り司書さんに探してもらえれば?」

あーそうじゃないんだよ涼くん、私が言いたいのはね私と一緒に本を探して欲しいって事なんだけど分かんないかな~
涼くんは日当たりのいい窓辺からわざわざ動きたく無いようで日向ぽっこをする猫みたいに背筋を伸ばして目を細めて少しばかりコロンと丸まると文庫本に目を通し始めたの、え…可愛い……可愛くない私の同居人さん?!

「うん?レイピア、隣座る?」「……それどんな本?」
こーいう場所へ来ることもほとんど無かったので過ごし方というか一先ず私の読みたい興味のある本を探そうかなって思ったんだけど今回は彼のとなりにいる事に決めた、ここでは自分の意思でってところがが大事な点だよね!
そして何となく私分かるけど涼くん今完全に油断というか
まどに開いた隙間をいっそのこと…思いきり…詰めて彼の体温をこう…これ以上は止めよう! あんまりね変なこと考えるのも気が引けるからね、
「今読んでる本は…山名わらび著 山猫バンガロー ~帰ってきた救助隊~ふとして取ったし前編が無かったからつまんないもとと期待したんだけどなんか読めるぞ…?」「涼くんその文庫本のチョイスってばどうなのさ?!」
和やかな時間を日溜まりにて淋しがり屋の蒼い家出少女と気負いがちな無色な達観少年がふとして静かに過ごしているのだった…。

「レイピア、僕さ何かにつけて不干渉を貫くもりだけれどその実色々考えたり君の知らないところで動いたりするし勿論言葉にしない…」「うんうん」「僕は頼りがいは無いけれど他より害はないから君のしたいようにすればいい、僕は僕らしくなるのに精一杯になろうって君を見てて思ったんだ…なんて面と向かって言うにはいささか恥ずかしい限りだね。」

ここには間違いなく沢山の「日常」があって人の数だけ価値のあるものがある、誰がたとえ何を言おうと私にとって崩れそうで脆いこれが日常になったらばどんなに良いことだろう、「日常」にしては居心地が良すぎるし自分で言うのもなんだけど私のわがままが通りすぎな気もするからそれは後々に修正が必要だよねー。


 「北村君にレイピア嬢探したぞ、此処にいたのか」
微風君と別れてからけっこー時間が経っている気がしないことも無いし少しだけ彼疲れてる気がしないでも無いんだけど大丈夫かなー?

「あぁ、微風話はついたみたいだね、お疲れ」
待ち合わせの時間に二時間遅れてやって来て大丈夫だったのかな?
「あぁ、あやつの事ならば問題ないこうして我が守護霊としてこうして…すみません、旅人さん冗談だからその振り上げた拳を納めてくれると嬉しかったりするんだがなー?」

本棚の影からぬっと赤いダウンジャケットと赤いパーカーを着た長身に糸目の少年が姿を表した。

「微風は…処断しかないよねぇ?」
登場したときからなんだか物騒なこと言ってるんだけどこの人大丈夫なの微風さん、なんだか付き合うと損しかしないタイプの人と一緒に居ない?
人付き合いに知識も経験もない私だけど理不尽な事と人の悪口ばっかり言う人は大成したりするけど…あれ?
「ちょっとストップ、デイリー新長崎」「文字りすぎて原型なくなってるよ微風さん、何処に行きたいのってのと新長崎って?」
「なぁに、気にすることはない。言葉の綾と言うかあれだ…あれだよなぁ旅人?」
自己紹介もまだだけど名前が判明した事で涼くんがきっと彼に話しかけるはず…

「えっと…微風君の後ろの赤い君なんだけど僕の名前とかから紹介した方が良いのかな?」
やっぱり!さっすが涼くんだよね!
微風さんの後ろにいる人物がそちらからどうぞと言いたげに会釈をしてきたから涼くんが簡単に自己紹介をしたんだけどあんまり面白いこととか言ってなかったから省略するよ、別にいいよね?
「ほうほう…北村君ね、あんまりキャッチーなフレーズとか入ってないけど大丈夫、俺は記憶力だけには自信があったりするお人だから」
すっごいこの人冗談混じりに自画自賛した!?
「名乗られた限りじゃ俺の名前をいっておかないといけないぜ、ふぅ、…知らざぁ言って聞かせやしょう、我が名は「祭世旅人」などと呼称こそしているもんだが親しみを込めた言い方ならば何にしても構いませんぜ☆
だなんて言っても意味がよく分かんないものと侮蔑を含んだものにはそれ相応の態度をさせていただくので宜しくお願い申しますぜ、好きな色はこの通り赤、ワインレッドとか朱色等よりも本当に真っ赤なやつね」
旅人と自分で名乗った人のダウンジャケットは周囲からその色と厚さで目立ちそうだなーって思ったのが1つと正体がいまいち分からなくなる不思議な人だなって私はそう感じた。

「ほれ旅人、貴様が妙な自己紹介をするお陰様で我まで「なんだろうこの人達ー変な人なんだなー」と常識で良識の北村君に訝られてしまっているではないかやれやれ、こやつが喩え高野豆腐を天日干しするよく分からないヤツであろうと我はその点常識にあふれているぞ!」
図書館だから微風くんも大見得をきることはしないけど彼に言ったことは決していいことばじゃなかった。
旅人さんはそれでもそこまでは気にする素振りも見せずに得意そうに見える顔を崩すことなく微風に詰め寄るっていく、

「はっ…!? いやいや待たれよ」
「ほぅ…僕は何を待てばいいんですかね微風さん?」
「え、えぇと…我が逃亡と亡命を完了するまでカナー?」
「三秒間だけ待ってやらん、命乞いをしろ微風さん☆」「デスヨネー?!」

冗談みたいな恐い冗談の応酬に少なからず戸惑うのはきっと私だけじゃないはずだし、そう言えば私も自己紹介しないといけないよね、受け身になっていては始まらないこともあるからわたしだって一歩前に出よう、
「…はてさて、私も簡単で凝縮ですがお二方に改めて紹介をさせていただきたく存じます」

場の空気をすべてのこちらに向かわせるようにすこし大袈裟に大胆不敵に頭を下げて柔らかく微笑みかける、
私が唯一誇れるもの、あの人に教わったのはは礼節を弁えること位だから、出来ることは常に大事にして教わるときは貪欲にして柔らかく吸収するんだ。
「私は隣にいます北村涼の旧来の友人に御座いまして、こちらには最近来たばかりにて微風様及び旅人様には多々ご厄介になるとは思いますら名を訳あってレイピアとしておりますが気さくに話をしてくれると思っておりますので今後とも宜しくお願い致します。」

やり過ぎかもって挨拶したときに実は思ったけどそれくらいがきっとちょうどいいって私は個人的に思ってるんだけど涼くんとかはどう思っているんだろ?
人の心を知ろうなんて人のエゴにしか思えないけど相手がどう思っているかはやっぱり気になるものだよね。
涼くんが唖然としてるのは想定の範囲内だよ、あれは色々と舞い上がってたいわゆる若気の至りってやつだから!
今でこそすこしは冷静になってるけども!

「これはこれは、ご丁寧にありがとうなのだぜ。
微風さんもあれくらいの事が出来たらなぁー?」
旅人さんが微風さんに向けて得意そうな顔をするのはなんでだろ?
「何だと旅人、それなら貴様こそ自分から話したがらないが話始めると止まらなくなるやーつだろう、我は知っているのだ!」

因みに文字だけだと分かりにくいかもしれませんが公共の施設での事なので一定音量以上のなどはお互いに出していないんだけど手とか表情を目まぐるしく入れ換える微風さんに対して表情を殆ど崩さず得意そうな顔をする旅人さんの対比がなんとも見ていて楽しいと思うのは私だけじゃないと思うよ。

「まぁまぁ、お二人さん折角の待ち合わせをしてここまで来たんですから…ね?」
そうだね、他人と考え方が違うのは当たり前だけどあんまり衝突してばかりだと磨り減って小さくなっちゃうから程々にしましょう。
他人の迷惑に思うことはしないのと親切心は人を殺せるからね、
感情は用法容量を気にして正しい使い方を考えていきましょう、
レイピアとみんなのお約束だからね!だなんて今回語り部だからってはっちゃけすぎかな?

「おうさ、北村君の言うことその通りだろうて…
それでだ旅人よ今日はどうしてここへ呼んだのだ?」
「それがな、時は刻一刻を争うんだ微風さん…財団が入手した情報によると我等に課せられた課題は後期日が4日程しかないというのだぜ…」「なん…だと」「これは様々な誓約で縛られた旅人さん一人での突破は困難と考え、ここに微風を呼び出した訳なんだぜ☆」

意訳をすると「課題が終わらないから助けてくださいお願いします」か「家にいると出来ないんで図書館で友人と共にやってください」って感じなのかな、涼くんは状況が見えてない様だけどね

「そう来たか…まぁ我とてその課題をもて余していたところだ。丁度いい精々取り掛かってやるとしよう、人民統一戦線をここに宣言する!」

な、なんだか二人で盛り上がってるね、宿題やるだけなんだけど…

「ここに課題が既に終了しているレイピアさんっていう人がいるんだけど…」「なにィ!?」「神…いや女神様がおる…」

ちょっと涼くん!?確かに宿題的なものはもう既にやってあるけど私だって読みたい本を探したいんだけどー!?

「片手間で構わないので予習の部分が理解できないんだーレイピアさーんへるぷみー、へるぷみーなのだぜ☆」
助けを求める人の態度にあるまじき得意気な顔だけど旅人さんってもしかして普通にしててもそんな風に見えたりするのかな…?
「私に分かるものであれば教授までとはいきませんが我流の解き方・考え方位はお教え出来ますよ?」
特に断る理由もないしいいけど…涼くんはどうするのかな?
課題が少し残っているって聞いたし予習した上で小テスト待ってるし…これくらいの勉強は大人になったら常識になって知らないと色々困ることがあるからある程度覚えておかないといけないよ涼くん?

「…レイピア、僕少し席外すけどちゃんと戻ってくるからね。
少し本探してくる、山猫バンガロー読み終わっちゃったからさ」 
課題とか持ってきてないからって涼くん勉強するのから逃げたー!?
待って涼くん、私こう見えて人見知りはしないけどあんまり気が回るタイプじゃないし人に勉強を教える事なんてしたことないんだってば!!
正直なところ出来る自信もないし私の不安が一気に高まっちゃうからおすすめしないよ!後でたぶん怒るよ!

「委細承知したぞ北村君、では目ぼしい本など見つけて来たら戻ってくるといい。
なぁに我等にかかればこれ程の課題程度お茶の子さいさい屁の河童なのだよ、なぁ旅人貴様の課題は後どれくらい残っているのだ?」「んんー? 課題なんて無かった…いいね?」「おぅ!?」

並々ならぬ不安が課題未了の二人を前にしてするんだけれど涼くんに返す言葉をいう暇もなくすたすたと彼は二階へ姿を消して、

私とそれ以外の人のパイプ役とも言える人が一時的とはいえ居なくなったことに戸惑うのは仕方ない。
私は今思う通りにならないけど私自身でやりたいようにやれる今この時をちゃんと生きてるんだって思えるのはとっても幸せなんじゃないかって少しだけ思うんだ…涼くんは今って楽しいのかなー?
私が偉そうにそんなことを言える立場じゃないのは分かってるけどね…レイピアさん頑張っちゃうから涼くんはのんびり本探しをしてきてねと二階への階段を上っていく彼の背中を見えなくなるまで視線を追いかけるのだった…
「え…弥生人と縄文人区別して種族違うなら日本って時代ごとに人が入れ替わってんの…?」「まさか…我々ハ宇宙人ダ?」

うん、訂正するよ涼くん…すっごく先が思いやられるから早く帰ってきてぇ!!

次回もおたのしみに!皆さん良いお年を!!

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