僕のとなりは!?(僕とな!?)

峠のシェルパ

届かなかった背中とここにあるもの

 私は何時も思う通りのことが出来なかった。
余計なことを考えずに自分の意思もなく指示を待つ、
自分から行動するなんてことはなくただひたすらに自分は機械のように過ごしていけば良いのだと、用意されたレールの乗っていればいいし何の苦労もない舗装された上に道筋まで指し示してくれるのだから…そう考えていたけどあることを境にしてその心境は
激変してしまった、あんなことがあった後では仕方ないと思う。

だからこそ、自分のしたいことはあんまり出来なくても少しくらいは我慢しなくちゃいけないのかな? って疑問を持ってた。
学校にはあんうまり行くことは無く、家にばかり居たのに運動もそれなりにやらされたけれど一人で出来ることばかりで
勿論の事だけど学校で友達が出来ることもなかった、
珍しがられて注目されていても私の事情を知ってか知らずかそれ以上踏み込んで来るクラスメイトは今までには…いなかった。


私は今でこそこうして明るく元気でキュートなレイピアちゃんだけどこんなに明るくなったのは色々有ったから、ある日を境に自分で決めたの縮まってないでのびのびと行こうってね。

あぁ、そう言えばねあんまり私はお父さんとお母さんを見たことがない。
見たことがないって言うよりも的を得ている言い方をするんなら詳しく知らないっていった方が正しいのかもしれないね。
お父さんの頼もしい大きな背中も、お母さんの暖かい胸の温もりも私は憧れとかそれこそ憎悪とかしてるのかもね…冗談だよ…。
いっつもうちにはお父さんが居た気があるけれど、あまりに話した覚えがない。
お父さんがいる書斎はアンティークの暗い色の木が使われていた
のもあって近寄りずらかったのもあるけれどお父さん自身がいつも何処か不機嫌そうな冷たい顔をして本で囲まれてにらめっこしていた、
私がなにかいたずらとか色々やってたからよくお付きの人にお父さんのところに連れていかれたことを覚えてるよ。
それじゃなくても暇を見つけてはお父さんに会いに行こうとしてたけど何時からか行く事が無くなったんだ。
何でだろうねと聞かれたら私は行く意味が無いからって答えるよ
構ってもらうことも殆ど無かったし、お父さんから貰ったものをを壊した時だって
怒られるのは私じゃなかった、お付きの執事君がずっと頭を下げて謝っていた。
私からみればそれは凄く奇妙な光景で何かが少しずつ、少しずつ手ですくった砂が指の間から零れ落ちていくの様にを感じたの、
一体なにが零れ落ちているのかは分からないけれど今になって思えば大事なことだったように思えた。
「悪いのはわたくしの教育の仕方で少し目を離してしまったために…申し訳ありませんでした!」
違うよね、それは私がすることで執事君が頭を下げて許しをお父さんに請う必要は全くないんだよ、こんな風に思うのは私がおかしいのかな?
それとも…?
もう一度執事君が頭を下げると私もつられてごめんなさい!! と言いながら謝ってお父さんを申し訳ない気持ちで見つめていたらお父さんは感情のままに睨み付けるでも無く、私を大きな声で戒めるために怒鳴るでもなく溜め息をついてから興味の無さそうな目を私に向けた。
「はぁ、筆舌に尽くしがたいなこれは…」
億劫と言わんばかりに腰を上げると目の前にのっそりと暗闇の風穴が急にポッカリと姿を現したかのようにお父さんに対する怖さを覚えたのは後にも先にもこの時一回だけだったと思う。

「良い、別にどうでも良いあれになど興味はない。
落胆などするものか、捨ててしまえ」
短くそう言って私には目すらくれずに本がひしめき合う書斎には私とお付きの人が沈黙のなかで残される…

どろり
私の中で中心付近にあったものが気持ちの悪い半固体の様な形に融け出した気がした。
胸のなかがぐちゃぐちゃに捻れて不安感と不快感を窯茹でしたかの様にぐつぐつと湧き始めたのである。
お父さんに私は何を求めていたというのだろう、自分の家で英才教育で私を育て自分の跡でも継がせる気なのだろうか、だとしたらまだ師弟関係とかもっとやり方はあるよね…
違う、そんなことはどうでもいいんじゃないの?

私がその時一体自分が何者…何だったんだのかは今になっては私にももう、分からなくなちゃったの…
世界はもっと輝かしいものだと思っていたけれどもう私の世界は汚らしい灰色でしか無くなってしまった。
今はどうかって言われると…黒と白は分かるけどそれ以外はあんまり…質感とか匂いはバッチリなんだけどね…。
私はあの人にあの時、みっともなくても駄々を捏ねてお菓子でもねだる子供のように縋り付けばよかった。
無邪気にただ何も考えずに感性を剥き出してしまえばよかった、
私を見て、こんなに大きくなったよ、こんなに賢くなったよ、こんなことまで出来るようになったよ、
満面の笑顔を向けてくれなくてもいいの、ただ黙って抱き寄せたくれれば、
優しい言葉とか慰めなんていらないから私の住む広い広いお屋敷の中に私の居場所が欲しかった。
此処に居ていいと貴方は迷惑でも何でも無いのだから
けれども父の冷たい背中は一度も躊躇することはなく書斎を後にして暫く戻ってくることはなく
少女はこうして心を曇らせてしまったとさ、自分が何者なのか、何故そこにいるのか、何のために生きているのか分からなくなった愚かな少女は有ることを考えていくようになりました、
生きているのがこんなにも一つしか無いの苦悩によってこんなにも困難なものかと気づいてしまいました。
しかし物質的には自分が生活する上で足りないものは何もありません。
蛇口をひねれば水が出てくる、たとえ草木も眠る丑三つ時の夜更けであっても私みたいな人のために働いてくれる人が居てご飯とかだっていつでも食べられる、テレビで連日やってたりする地雷を踏んで足を無くした子供なんてこの国には居ないし、
それこそ地雷や爆弾を背負って人と人が傷つけ合うなんてこともきっとこの先よっぽどのことがない限り起こらないと思う、
それを可哀想だから私財をなげうって救いに行く人は殆どいないし人は人の不幸を感じてはじめて己が「あ、今私幸せなんだ」って自覚していくのが私は嫌いだな、幸せなんてそこら辺に安価で販売しているじゃないか、食べたいときに選り好みしなければ何だって美味しく食べられるってだけでこんなに幸せな事無いのにさ…
けれどこんな風にして人との関係が上手く出来なくて自らの命を絶とうとする人は後を立たないよね、人間強度とかそんなものが下がった訳じゃなくて本当は単純に人々の個性が薄まりすぎたんだよ。

人が多すぎるっていうのかコミュニティーとかコミュニケーションって安易に横文字を並べる気はあんまりないから言うの難しいけどさ、
自分の認識に齟齬が生まれるほど自分は大した人間じゃないし大した事はもう殆どの偉人にやられてるから新規開拓の余地もあんまり無い、私だって探そうと思えばどっかに一人位おんなじ境遇を持った人がいるかもしれない。

特別な人間なんていないし、みんな違ってみんな良いはずなのに何故か人はおんなじ量産型になろうとする、幸せだってそうだよ?

私は少なくともそう言い続けたいな。
うーん、どうにも話がそれちゃうのが私の悪いところだね、えっとどこまで話したのかな?

難しいことなんて考えずに自分の立場を利用して何不自由無い生活をすればよかったのにって言うつもりなら涼くんはまだまだお子ちゃまだよね、え? 君ほど幼くは見えないから大丈夫だよって?
失礼なこと言うなぁ~! 私は飛び級とかしてない正真正銘の高校一年生ですぅーー!!
こんなにちっちゃいのには理由があるけどそのよーすだと涼くん信用してくれなそうなので却下だよ。
それでそれで私の回想なんだけどその続きを話すと案外私もそんな大した事の無い人の一人なのですよ、生まれた家の事とかは機密事項だったりするので話せないんだけどー、

うんうん、あんまり話が飲み込めて無さそうだから簡単にまとめるとこれまでのお話は私ことレイピアが親からあんまりよく思われて無かったって話だよ、我ながらあんまり良い話じゃないけど
これは事実なので涼くんにも知っておいて欲しいんだ。 
重いってのは分からないでも無いけど私本人は軽いから!!
そー言う問題じゃ無いのは分かるけどねー
えっと、それからそれから…
「家を出た理由はね環境を無理やりにでも変えてしまいたかったから、
外に行けば何かが起こるって信じていたから、」
私がこの寮室にいる理由はマリアさんから聞いてるのかな?
何時までもマスターのお店のアルバイトって訳にもいかないし、あくまでヘルプだったらしくてねー
まぁ、ちゃんとした所に私が出ちゃうと大変な事に…なるんだよねー。
結局のところは親からよく思われて無かったからそれを同情してくれるとかそれはしないでねって事が言いたかっただけなんだけど随分と長くなっちゃったね。
なんていうのかなー?
さ、寂しくなんか無いんだからね!! 勘違いしないでよね!!
ってありがちでテンプレートな感じに言ってみたけれど何だか微妙な涼くんの反応にやったこっちが何だか恥ずかしくなったんだけど…

守って欲しいとかそんな事は言いません、でも居場所になって欲しいとは正直に言っておきたいと思います、私はまだまだ甘えたいざかりの15歳ですので涼くんには色々な迷惑をかける事と思う…寝起きとか悪いし、絶対にあれは誰か邪魔してるとかおもえないくらいに私の寝起きは悪いからなーー
って私の寝起きが最悪なことはこの際どうでもよくって!!
私はこのままじゃ駄目だなって思ったから外に出てきたんだよ!! 君には我儘ばかり聞いてもらうことになるかもしれない、もしかしたら私に出来ることなんて何にもなくて涼くんの邪魔ばっかりしてしまうかもしれない、その前提で話をしてるんだけど…親から自立したいとかただ皆の受け売りをただ聞いているだけじゃなくって自分で考えられるようになりたいんです!!

未熟でどうしようもなく言葉足らずなんだけど私はあのまま家に留まりに続けていたら心が独りでに擦り切られて、私が私で無くなる様な感覚があった、籠の中の鳥が野生で生きていけない様に幸せの青い鳥は野生で滅多にいないから意味があるんだよ、人工的に増やすことが出来て普及してしまったらなんのありがたみも無いよね、私は少なくともそう思う事が出来たのはお付きの人が…

だから温室から道端に私の生きる事ができるのか外っていうのはどんなに生きづらいのか思い切ってその一歩を踏み出してみたんだ、涼くんは一体どう思っているんだろう、私の話を時々目線を合わせながらそれでも何か思うことが有るみたいで涼くんの目線は私にばかり向けれれたものじゃなかった、それでもいい私をずっと見てくれなくたって私はやっていける。

「……レイピアの気持ちは分かったよ、はじめに聞いておきたい事は君の世界は未だに灰色に閉ざされているのかということなんだ、ぼくには多分君を救うとか助けるとかそういった事はしないし出来ない、
僕はこれでも狡猾な男の子だよ狼だよ? 自分でこんなこと言うのもなんだけどレイピアの手助けなんてまるで出来ない自己満足満載でお送りするかもしれないけれどそれでもいいの?」

まったく、自信無さすぎだよ涼くんは…もっと自分に自信を持とう? 私なんて根拠の無い自信を持たせたら天下一だよ!
「それは…どうなのかなって」
自信なんてあっても無くても変わるかも
今のところは後色盲は今は大部分が改善されてるからそっちはお付きの人に感謝かなー?

「お付きの人…」
うん、お付きの人がいる位には大きな家みたいだよ…なーんて
自分のことを全然わかってないんだよ私は、自分がどんな人間なのか分からないまま生活をしているなんてそんなのゾッとするよね…。

「まぁ、自分以外に自分の全てを理解しろって言われたってそれは無茶な事だよね、だって仮に一日中その人を監察していたって客観的視点と主観的視点が水と油の様に違うんだからそれこそそんな人がいるとしたら狂人にしか僕には見えないなぁ…」

と言うか隣近所さんに狂人がいるからあんまりその事に関しては言わないでおこう、触らぬ神に祟りなしだからね。
噂をすれば七十五日だっけ? こんなことを言いたくないけどお隣さんの噂をすればD51が「今日war!」だなんて言いながら狂気爛漫に壁を壊しながらこっちの部屋を奇襲しないかと私は実は戦々恐々なんだよ。
「うーん、一番近いのは多分レイピアの謎のお部屋だからね、夜な夜なガリガリと何かを削る音とラジオから流れてくる妙な周波数の音、そのなかには段々と意味が分からない唸り声の様な囁き声かもしれない音が耳障りになっていくんだよ…」

それは冗談抜きで怖いから、止めようね私寝れなくなっちゃうから!
怖い話はニガテなんだよー、それを知っててやってるなー涼くん、
寝れないのは嫌だよ、人の三大欲求を故意に止められるのは苦痛でしかないからね。

「そう…レイピアはそんな境遇になってたのか…大体の内容は分かったよ、」

涼くんは自分で淹れた何かを飲み一気に飲み干してしまうと一息ついてからさっきまでのD51の事を段々と話してくれた。 

喧嘩の形をした奇妙な何か、D51を口車に乗せようとして逆にのせられてちゃったと言うことだね。
涼くん…そこは成功させようよ~、でもあのジャージマン抜け目無さそうだから口八丁手八丁とか通じなさそうだから仕方ない仕方ない。

「そーだね、情報の共有が出来たところでレイピアに尋ねておきたいことがあるんだけどいいかな?」

情報の共有と言ってもお互いの主観と感情が少なくとも介在しているから二人であったとしてとしても全情報の共有は無理だよねって…それで尋ねておきたいことってなにかな?

「レイピアは同居人がなし崩し的に僕になったけれど本当は下の階の女子寮に無理を言ってでも入れてもらうのが良いかなってまだ僕はここから動いてもらうことを考えているのだけれど…」

え!? そうなの!? てっきりもう私は少なくともこの一年間位は一緒にいるのかなーって思ってたけど?

「案外プライベートな空間に他人がいるって疲れるし大変なものだと思うけど…」

じゃあ他人じゃなくて恋人にでもなっちゃおっか!

「レイピア…きっと貴方もう疲れてるんじゃないかな?
お風呂は炊けてるから自由に使って、今の時期はまだそんなに汗かかないから僕は明日にするよ、gute Nacht! 」

疲れてるのは確実に涼くんだと思うんだけど!?
お風呂は炊かないよ、湧かせるものだと思うけど後ぐーて…なに?
なんで頑なに私の部屋の方を向いたまま目線をあわせてくれないのかな! 私はまだ寝ないよ!

「僕はレイピアみたいに自分に自信を持とうって思えないんだ、謙虚っていうかもうそれは弱者でおこぼれに預かろうとしているよねって位には…
人に流されることは無いけど結局対立も対話も無く大衆にに押し流されてしまう、きっと他所から見たら面白みとかそういうのとはかけ離れた人だけど、本当に僕で良いの?」

涼くんはどっちかと言えば元気のあって明るくて頼れる兄貴肌とは残念ながら離れた位置にいる人だって確かに思うけど…私は素直に涼くんがいい、D51? あんなにうるさい人は私嫌だし微風さんって人は良く分かんないから、涼くんは私の話を聞いてくれるし何より認めてくれる、私にはそれだけで十分なんだよ。

「そんなことを言わないでよ涼くん、君は自分が思っていないだけで良いところなんていっぱいに有るに違いないよ!
大丈夫大丈夫、今は隠れている涼くんの才能を私がこれから見つけてあげるからね!」

胸を張って言うことじゃない気はするけど(張るほどほ胸が無いのは内緒だしそれを言うのは禁止で!!)
私はこの寮室の一ヶ月分の家賃払っちゃってるから涼くんは私の財力から逃げられないのだー!てれーん!

「レイピアが分かりやすい悪役みたいな顔になってるんだけどこれは…何か良からぬことをたくらんでるなぁ…」

私悪役じゃないよぅ、きっと白馬の王子様に拐われるお姫様なんだよ!

「涼くん、もしも私が悪役でやることなすこと無茶苦茶だったりしたらどーする?
例えばそーだなーケチャップと間違えてマヨネーズ買ってきちゃうとかー、シャンプーの詰め替えにトリートメント入れるとかーぬっふっふ~私もまだまだやんちゃですなぁ~?」

私はあの時から変わるって決めた、
何にも出来ずにただ小さな動物みたいに暗がりに縮こまって助けすらも呼べない私なんていらない、人はそんな簡単には変わらない事は私はよく知っているから一人になったときは多分元の引っ込む自分に戻ってしまうと思うから私は私の個人空間に涼くんをいれたくないなって…ずるいかな?
でも女の子は他の人には見せられない時があるからね!
女子力を鍛えないと!

「それは悪戯としてはまだ可愛い方だからって許容できる範囲内だけど僕だってあんまりすごいのは怒るからね。
これはレイピアの為とかじゃないけど僕はあんまり怒らせない方がいいよ、自分で言うのもあれだけど僕は怒った後がなんというか陰湿なんだ、
それに…僕はまだレイピアの昼間の事を忘れた訳じゃ無いからね、きちんと説明責任を取ってくれないと…」

「ひ、昼間の事?何のことかな~?」
しまった、涼くんに話の主導権を握る隙を与えてしまった!

「僕としても明日の目覚めが悪いけどちゃんとこの流れで説明してくれると僕的にはありがたいけどー?」
涼くんはおもむろに立ち上がり私の傍まで無言で近づいて来ようとする。
男の人が放つ威圧感は不思議と無く彼は静かに私に目線を合わせる、優しさなのかはたまたこんな私を憐れみの目を向けているのかは分からないまま眠りに落ち「ちょっと待って! そこは僕の質問に答えてから、ちゃんとお風呂に入ってから寝て!
後ここは僕のソファーベットだからそこで寝られると非常に困るから止めてぇ!」との涼くんの悲痛な訴えが聞こえたけど私はこの安心した環境の中で意識を想い人の傍で手放しかけた、
と言っても寝るつもりないんだけどね。

「涼くん…私があの時見せたのは私が特別って言うのか特殊って言うのか…簡単に言えばD51と一緒かもしれない、詳しくは知らないけど…うーん、私ちょっと持ってくるものがあるからちょっと待ってて」

私はあそこでの生活をここで続ける気は全く無いの、私は生きたい様に生きる、やりたいことをやる、自由を履き違えない様にのびのびとしたいから家主的な立場の涼くんとは仲良くやりたいよね、和室に寝に戻る以外に来るのは珍しいなぁ、これを人に見せる時が来るとは思っていなかったけど…仕方ない。

「涼くん、君は都合が良いだけの人にはならないで下さい
はっきりした言い方とかは関係なくて、遠慮と無粋は反対にいるけど、私にはどっちでいいのです。
わがままな事ばかりかもしれないけど黙認はしないでね、悪いことは悪いと言ってください、多分私はそれだけでも十分だと思う…多分ね!!
涼くん! D51との喧嘩してる姿は格好良かったぜ~?
後、和室は除いてほしくないからあっち向いてて! レイピアからのお願いね!」
かつて追いかけることすらしなかった背中から私は逃げてきた、
背を向け家を捨てた後、今更だけど私の手の届く距離には今、涼くんの優しい背中が見えるのだ、どんなに…どんなに…
私が部屋から取り出したのは私の腕の長さほどの黒い包み、この中に入っているものは…私にとってあまり良いものじゃない。
でも私を知ってもらう為に必要なものだと思うから…
私は災禍を手に取るんだ。


次回につづくんだよ!

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