俺は異世界でブリーフをかぶる
9話目「敵出現……したか?」
魔王退治に行くことになったし、ここはひとつ、
「俺、女装するわ」
「そうですか。それで?」
「魔王に女装した俺の写真をスマホで見せて、男verの俺が「残念でした!この可愛いおにゃのこは俺だよバーカ!!」つって驚きにより魔王を気絶させる」
「スマホ壊されて終わりだと思いますけどね」
割と正論を返してくるのはミスズで、それ以外の奴は聞いてもいなかった。
いや、セスタとレイクは吹き出してたから聞いてただけだろう。
ともあれ、俺たちは旅に出たはずなんだ。
しかし、訪れたのは街だった。なんかこう、アトランティスみたいな古代文明の街。
壁は白い岩でできてるし、なんか柱とか銅像とかある。
人もめっちゃいて大勢で歩いてると舌打ちされるし、なんなの?
「ここどこ?」
俺は女装用カツラを被りながらミスズに問う。
「ここは【アトラクシア】。水の聖都と呼ばれる地です」
「へぇ。なんで来たん?」
「なんの準備もなく魔王の領土に行くと?頭おかしいんですか?」
「おかしいに決まってるだろ!!」
迫力つけて叫ぶとレイクが横からぶん殴ってきた。
正しいこと言ったのに、殴られるのはおかしい。
「……でもま、俺も勇者らしく剣が欲しいかな」
「あら?貴方には股下に剣が生えているでしょう?」
「これで斬れるのは女の子限定なんだ。魔王は斬れん」
「魔王の見た目は若い女ですが、どうです?」
「三枚下ろし余裕だわ」
という会話をミスズとしていると、俺に必要な準備はむしろ寝ることなんじゃないかと考えられた。
見た感じ、エロフよりもマーマン的なやつばっかいるからこの街見ててもね。
「つーわけで寝る。レイク、パンツ貸してくれ」
「誰が貸すか!!」
「レイクは相変わらずの反応だよね。ミスズとかだともうそんな新鮮な反応してくれないのに。つーわけでミスズ、パンツ貸してくれ」
「セスタに脱いでもらったやつでいいのなら」
こんな感じで上手く躱すようになってしまった。
水の巫女様は会話耐性も高いようで。
「まぁいいや、おやすみ」
「おい、なんで俺の背中にくっつく」
「ぐーぐー、うもー……」
「なんだ、コイツのいびきは……」
セスタの背中に飛びついて寝てました。
――――――――――――――――――
寝ている間に展開が変わりすぎてて怖い。
いつの間にやら魔王の領地に入ったとかなんとかで、荒廃した街中をみんな歩いていた。
俺はセスタに担がれたままなんだけど。
人がたくさんいたアトラクシアとは違い、壁は崩れ、煙が充満していて臭い。
なんか嫌なとこだなぁと思いつつ、俺は気付かれないようにミカレーの被ったなんか魔女っぽい帽子を取り上げる。
「あっ……」
取りあげられてからミカレーが俺の方に振り返る。
手を伸ばして帽子を取り返そうとするも、彼女の背では届かないので俺はニヤニヤするばかり。
「ぐへへへへ。お嬢ちゃん、こいつを返して欲しければ俺様にパンツを献上し――ぐべらっ!?」
最後まで言い終わる前にセスタに叩き落とされた。
寝たから痛くないけどさ、酷くね?
「帽子、帽子……」
「返しません。代わりに俺のブリーフ被りませんか?」
「……そんなに死にたい?」
「これ、怒るでない。まぁとりあえず、被り心地を体感してくれよ」
そう言って俺はミカレーの帽子を被り、代わりにミカレーにブリーフを被せる。
抵抗なく被ってくれるのまでは良かったが、被ったのは一瞬でブリーフは投げ捨てられる。
「おい!俺のベストフレンドになんてことを!」
「セスタ……私の帽子とって」
「ああ」
そうしてミカレーの帽子も没収され、俺はブリーフを拾うことに。
俺の発言の無視率が今日は素敵だな。
許せん。
「おっぱい揉むぞゴルァ!」
「レイク、捕らえなさい」
「ハッ」
そして2秒で吊し上げられる俺。
セスタが木の棒を持ち、先端から縄で吊るされた。
「ぐぬぬ……パンティーが、パンティーが俺を呼んでいるのに……」
「パーティーは誰も貴方を呼んでませんけどね」
「コイツを呼びたい奴などおりませぬよ」
「……同意」
ミスズ、レイク、ミカレーとおにゃのこズにひどい言われようの俺。
最近わりとマジで罵られる趣味に目覚めるかもしれない。
「……止まって」
そのとき、ミカレーが足を止めるように指示を出した。
宙ぶらりんの俺には関係ない。
「……ミカレー、気配が?」
ミスズが尋ねると、ミカレーはコクリと頷いた。
「……魔族、いる」
「なにシリアスしてんだミカレー!この小説でそんなことするな!」
「……お前はメタ発言するな」
俺の口を止められるものなどおるまい。
でもあちらさんはそんな事関係ないらしく、この荒野の中から姿を現した。
黒いオーラを身に纏い、赤い髪をしている。
その形は人のもの、しかし羽が生えていた。
コウモリの持つような翼を1対、腰元から生やしている。
体つきは全体的に丸みを帯びていた。
そして装備がエロい。
スポブラとブーメランパンツみたいな感じと、足に巻きつけた布には刀が2本下げられている。
素足だし、なんか赤い刻印が至る所にある。
一言だけ言わせてくれ。
「ククク、よく来たな人間ども。私は【魔王眷六】が1人――」
「お前エロすぎだろ」
「…………」
彼女が名を告げると同時に、俺は呟いた。
すると空気が凍り、誰も口を開かなくなる。
…………。
……。
「……なんて逃げちゃったのかね?」
「あなたの発言のせいかと」
5分後、その魔族の子は逃げ出していた。
……俺、なんかした?
「俺、女装するわ」
「そうですか。それで?」
「魔王に女装した俺の写真をスマホで見せて、男verの俺が「残念でした!この可愛いおにゃのこは俺だよバーカ!!」つって驚きにより魔王を気絶させる」
「スマホ壊されて終わりだと思いますけどね」
割と正論を返してくるのはミスズで、それ以外の奴は聞いてもいなかった。
いや、セスタとレイクは吹き出してたから聞いてただけだろう。
ともあれ、俺たちは旅に出たはずなんだ。
しかし、訪れたのは街だった。なんかこう、アトランティスみたいな古代文明の街。
壁は白い岩でできてるし、なんか柱とか銅像とかある。
人もめっちゃいて大勢で歩いてると舌打ちされるし、なんなの?
「ここどこ?」
俺は女装用カツラを被りながらミスズに問う。
「ここは【アトラクシア】。水の聖都と呼ばれる地です」
「へぇ。なんで来たん?」
「なんの準備もなく魔王の領土に行くと?頭おかしいんですか?」
「おかしいに決まってるだろ!!」
迫力つけて叫ぶとレイクが横からぶん殴ってきた。
正しいこと言ったのに、殴られるのはおかしい。
「……でもま、俺も勇者らしく剣が欲しいかな」
「あら?貴方には股下に剣が生えているでしょう?」
「これで斬れるのは女の子限定なんだ。魔王は斬れん」
「魔王の見た目は若い女ですが、どうです?」
「三枚下ろし余裕だわ」
という会話をミスズとしていると、俺に必要な準備はむしろ寝ることなんじゃないかと考えられた。
見た感じ、エロフよりもマーマン的なやつばっかいるからこの街見ててもね。
「つーわけで寝る。レイク、パンツ貸してくれ」
「誰が貸すか!!」
「レイクは相変わらずの反応だよね。ミスズとかだともうそんな新鮮な反応してくれないのに。つーわけでミスズ、パンツ貸してくれ」
「セスタに脱いでもらったやつでいいのなら」
こんな感じで上手く躱すようになってしまった。
水の巫女様は会話耐性も高いようで。
「まぁいいや、おやすみ」
「おい、なんで俺の背中にくっつく」
「ぐーぐー、うもー……」
「なんだ、コイツのいびきは……」
セスタの背中に飛びついて寝てました。
――――――――――――――――――
寝ている間に展開が変わりすぎてて怖い。
いつの間にやら魔王の領地に入ったとかなんとかで、荒廃した街中をみんな歩いていた。
俺はセスタに担がれたままなんだけど。
人がたくさんいたアトラクシアとは違い、壁は崩れ、煙が充満していて臭い。
なんか嫌なとこだなぁと思いつつ、俺は気付かれないようにミカレーの被ったなんか魔女っぽい帽子を取り上げる。
「あっ……」
取りあげられてからミカレーが俺の方に振り返る。
手を伸ばして帽子を取り返そうとするも、彼女の背では届かないので俺はニヤニヤするばかり。
「ぐへへへへ。お嬢ちゃん、こいつを返して欲しければ俺様にパンツを献上し――ぐべらっ!?」
最後まで言い終わる前にセスタに叩き落とされた。
寝たから痛くないけどさ、酷くね?
「帽子、帽子……」
「返しません。代わりに俺のブリーフ被りませんか?」
「……そんなに死にたい?」
「これ、怒るでない。まぁとりあえず、被り心地を体感してくれよ」
そう言って俺はミカレーの帽子を被り、代わりにミカレーにブリーフを被せる。
抵抗なく被ってくれるのまでは良かったが、被ったのは一瞬でブリーフは投げ捨てられる。
「おい!俺のベストフレンドになんてことを!」
「セスタ……私の帽子とって」
「ああ」
そうしてミカレーの帽子も没収され、俺はブリーフを拾うことに。
俺の発言の無視率が今日は素敵だな。
許せん。
「おっぱい揉むぞゴルァ!」
「レイク、捕らえなさい」
「ハッ」
そして2秒で吊し上げられる俺。
セスタが木の棒を持ち、先端から縄で吊るされた。
「ぐぬぬ……パンティーが、パンティーが俺を呼んでいるのに……」
「パーティーは誰も貴方を呼んでませんけどね」
「コイツを呼びたい奴などおりませぬよ」
「……同意」
ミスズ、レイク、ミカレーとおにゃのこズにひどい言われようの俺。
最近わりとマジで罵られる趣味に目覚めるかもしれない。
「……止まって」
そのとき、ミカレーが足を止めるように指示を出した。
宙ぶらりんの俺には関係ない。
「……ミカレー、気配が?」
ミスズが尋ねると、ミカレーはコクリと頷いた。
「……魔族、いる」
「なにシリアスしてんだミカレー!この小説でそんなことするな!」
「……お前はメタ発言するな」
俺の口を止められるものなどおるまい。
でもあちらさんはそんな事関係ないらしく、この荒野の中から姿を現した。
黒いオーラを身に纏い、赤い髪をしている。
その形は人のもの、しかし羽が生えていた。
コウモリの持つような翼を1対、腰元から生やしている。
体つきは全体的に丸みを帯びていた。
そして装備がエロい。
スポブラとブーメランパンツみたいな感じと、足に巻きつけた布には刀が2本下げられている。
素足だし、なんか赤い刻印が至る所にある。
一言だけ言わせてくれ。
「ククク、よく来たな人間ども。私は【魔王眷六】が1人――」
「お前エロすぎだろ」
「…………」
彼女が名を告げると同時に、俺は呟いた。
すると空気が凍り、誰も口を開かなくなる。
…………。
……。
「……なんて逃げちゃったのかね?」
「あなたの発言のせいかと」
5分後、その魔族の子は逃げ出していた。
……俺、なんかした?
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