奴隷でもチートを目指す

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34話 否定

「ラストォ!」

「グガッ」

 ガンダルフが肘でグリフォンの首を打ち、グリフォンは沈黙した。

「ようやく終わったな」

 カズラルが地面に倒れ込みながら言った。

「あー、流石にこれは疲れた」

 ガンダルフが地面に座りながら言った。

「……」

 ライズは直立不動のまま動かない。

「邪滅はキツかった、こりゃしばらく使えねぇな」

 ハウンズが、ポーチから取り出した瓶入りの青色の水を呷り、言った。

「スッキリしたあー。たまにこんなのがあってもいいな」

「「「よくねぇよ!」」」

 俺の言葉は即座に否定される。なぜだ、ストレスなんて無くなるのに。

「ライズもそう思うよね? ねぇ?」

「……」

 ライズ無言のまま、ゆっくりと首を……左右に動かした。

「なんでだよ!」

「いや、当たり前だからな」

 うう、ガンダルフまでそんなこと言うなんて。俺が何か間違ってるとでも言うのか?

「なぜだ、なぜ否定するんだ!?」

「だから当たり前だってガンダルフが言っただろ」

 カズラルは黙ってろ。

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