奴隷でもチートを目指す

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プロローグ

「あーあ、くそ眠い」

 時計を見ると、12時過ぎを指している。閉めきられた深緑のカーテンは、太陽に照らされて明るく輝いている。てことは今は昼か。

「今日は何すっかなー」

 枕元を探り、見付けたリモコンでテレビの電源を付ける。
 テレビからは、一人の少年が海で溺死したというニュースが流れていた。自殺の可能性が高いらしい。

 まあ、俺には関係無いことだ。この世界の事を、最高とまでは言え無いけど、そこそこ気に入ってはいる。自殺する気なんて一切無い。ファンタジー世界には行ってみたいけどな。どうせ、死んで転生なんて奇跡みたいな話あるはず無い

「散歩でもすっか」

 気まぐれでも一度決めたら実行だ。
 ササッと身支度を済ませ、テレビの電源を消す。

 うし、じゃあ行くか。この部屋の扉を開け……て?

「何だこれ?」

 扉に白い線で何か描かれてるな。魔方陣か? 随分と複雑な図形だけど、いつからそこにあった?

「うわっ、何だ!?」

 いきなり何だ!? 突然光始めたぞ!? まさか本当に魔方陣的なやつか!? いや、でもそんな事あるわけな――。





 その日、一人の男が行方不明になった。密室の部屋の中に、先程までそこに居たかのような跡を残して。

 男の消失の真相を知る者は、誰一人として、居なかった。

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