ヒーローアフターヒール(リメイク連載中)

手頃羊

その1・The most terrible place

[クロノ]
マキノの事件から1ヶ月。
カサンド率いる盗賊団は、盗賊という名前は村民からはどうも親しみにくいので、リース警備隊という名前になった。
村の住人からの依頼は増えてきたが、他の村からはなかなか来ない。
というか、ラフにいた時は情報屋であるシーラがよその町の情報や依頼を持ってきていた。
今の我々には情報屋はいない。
この間シーラがここに来た時にここにいさせてほしいと言われたが、断った。
シーラはあくまでラフ専属の情報屋だ。
だが、
クロノ「やっぱり情報屋かぁ…」
ジュリ「必要ですよねぇ…」
現在、サクラとリンコが2人で買い物に出かけており、今日は依頼も無いのでリミとジュリの3人で暇を持て余している。
クロノ「イクツキのギルド…『月光』だったっけ?あっちにはいたの?情報屋。」
ジュリ「いましたよ。ナギという人です。」
クロノ「やっぱり必要か…。カサンドは…どうなんだろうか。」
ジュリ「盗賊って情報に詳しいものなんでしょうか?」
ピンキリだとは思うがな。
クロノ「あいつ今日は警備担当の日だったか…」
ジュリ「シーラさんは…無理だよね…」
クロノ「だな…。」
今ラフには入れない。
ジュリ「ナギさんに聞いてみましょうか?」
クロノ「フリーがいるかどうかか?」
ジュリ「ナギさんなら1人くらい知ってるかも。」
クロノ「手紙でも出すのか?」
その時、ドアがノックされる。
クロノ「はーい、開いてますよどーぞ。」
警備隊「ジュリさんかサクラさんいます?」
警備隊の1人が入ってきた。
ジュリ「私?」
警備隊「お手紙です。」
ジュリ「手紙?誰からだろ…」
ジュリが警備隊から手紙を受け取る。
警備隊「それでは。」
警備隊は用を済ませると、出ていった。
クロノ「誰からの手紙だったんだ?」
ジュリ「ナギさんからです。」
クロノ「噂をすれば、ってか。」
ジュリが手紙を開け、中身を読む。
ジュリ「あ〜…」
クロノ「どうした?」
ジュリ「私達が情報屋について悩んでいたのバレバレでしたね。」
クロノ「どういうこと?」
ジュリ「読みますね。」
『ジュリ・ロラン、アイゼン・サクラへ

新しい勤務地はどうかな?
月光は少し静かになった感じだよ。
まぁ、君達のキャラの濃さはそんじゃそこらのものではないからね。むしろ正常に戻ったってところかな。
君達を1ヶ月抱え込めているということはそちらのリーダーさんは中々我慢強い男のようだが、あまり迷惑はかけないように。

この手紙が届く頃はどうか知らないが、そちらのギルドは今情報屋がいないんじゃないかな?
情報屋のいないギルドは餡子のない餅、つまり無意味だということだ。
依頼があってこそのギルドだからね。
依頼が集められないんじゃギルドの意味が無い。
僕もそちらに行こうかと思ったけど、僕は月光専属だからできない。
だから僕なりにフリーの情報屋をいくらか探したんだ。
その中で1番腕が良い人を紹介するよ。
リースから少し遠いが、リンカという町の名前くらいは知ってるかな。
あそこの治安の悪さは君も知っているだろう。
君に行けと言ってるわけでない。
むしろ誰にも行ってほしくはない場所ではあるんだが、あそこには信頼のできる人がいる。
シナノ・キキョウという亜人の女性だ。
フリーの情報屋で僕が知る限りではトップクラスの実力だ。
彼女はどこかの専属になってもよいという態度でもある。
だから君たちにオススメしたんだが、少し条件が厳しくてね。
専属にしたければ持ってきてほしいものがあるといって、中々に面倒な依頼を押し付けてくるんだ。
龍の鱗だとか、どこかの国の王冠だとかね。

もしダメだったり、他の人がいいと思ったら言ってくれ。他の人を紹介するよ。

カツラギ・ナギより』
クロノ「情報屋ってのはなんでも見透かすな…」
ジュリ「リンカですか…」
クロノ「俺は聞いたことない名前だな。どういう場所なんだ?」
ジュリ「世界で1番治安が悪い町と言われています。あそこは賭場や酒場が多くて…それだけなら別にいいんですが、もう歩けた場所じゃないらしいんですよ。女が仲間を連れても歩ける場所じゃないとか。怖くて行ったことはないですね。」
クロノ「とんだ場所にいるんだな。というかその人も女じゃないか。」
ジュリ「よくもまぁ無事でいられるというか…」
クロノ「だが、行ってみる価値くらいはあるか。」
ジュリ「ナギさんだって優秀ですからね。でも…」
ジュリはさすがに乗り気ではないようだ。
クロノ「明日か明後日にでも行ってくるとするかな。」
ジュリ「1人で行くんですか?」
クロノ「まぁな。」
ジュリ「危険な所なんですよ?」
クロノ「それなら尚更、そんな危険な所に仲間を連れてけるわけないだろ?」
なるべく危険な目に合う人を多くしたくない。
ジュリ「だったら私も行きます!」
クロノ「え?いやでも…」
ジュリ「危険な場所なら尚更1人で行くべきじゃないでしょ?それに、こないだ次に遠征に行く時はわたしを連れてくって。」
クロノ「覚えてるよ。忘れたわけじゃない。ただ…いいのか?そんなヤバイ場所に。」
ジュリ「いいんです!今の私はリースの一員です!リーダーであるクロノさんのお手伝いがしたいんです!」
聞く限りだと、女は即レイプでもされそうな場所なんだが…
よっぽど俺を信頼してくれてるってことかね。
そういえばサクラが、ジュリは昔不愉快な事件に巻き込まれたせいでマゾになったと言っていたが…
今ここで聞いてもいいのだろうか…
ジュリ「クロノさん?どうしました?」
本人だって思い出したくないことなのかもしれないし…
ジュリ「クロノさん?」
クロノ「あ、あぁ。何でもない。考え事をな。」
また今度聞けばいいだろう。
ジュリ「とにかく、わたしもクロノさんについて行きます。」
クロノ「分かったよ。その代わりしっかり働いてくれよ?」
ジュリ「はい!無事終わったらご褒美を…」
クロノ「うるせぇ殴るぞ」
ジュリ「前払いじゃないですかー!」
やはり気になるが…そんな過去の話を聞くには、まだ早いか…

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