ヒーローアフターヒール(リメイク連載中)

手頃羊

その6・plan B

[クロノ]
ドルグマノのボス、モンドから聞いた情報をジュリ達にシェアする。
クロノ「推測だが、可能性としてはありえるだろう。」
ジュリ「透明…」
キキョウ「他にも隠れるところがあったとか、そういうことは考えんかったのか?」
クロノ「隠れるなら隠れるで、どうやって近づいたかっつー話だ。」
キキョウ「まぁ、それもそうかのぅ。」
ジュリ「それじゃあ次は…?」
クロノ「いよいよ殴り込み…と言いたいが、奴のアジトを知らない。キキョウは…」
キキョウ「ダメじゃ。見つからん。」
クロノ「奴んとこの構成員に吐かせるってのは…」
キキョウ「そうしたとばれた後が恐ろしい。全力でワシらを殺しにくるじゃろう。」
クロノ「だよねぇ…。」
ジュリ「アテはなし…ですか。」
キキョウ「いや、無いことはない。」
クロノ「ほう?」
ジュリ「それは?」
キキョウ「お主らがここにきた時に絡んできた奴らがおるじゃろ?奴らはカノディアの構成員じゃ。」
クロノ「あー、あぁ〜あれか…」
キキョウ「奴らはよそ者からああやって金やら女やら取り上げることでちぃと有名での。周りで見てた者らも、またこれかと思っていたことじゃろう。」
クロノ「なんだかんだでやり返したけどな。」
キキョウ「だからこそ、ワシの耳にも主らがこの町に入ってきたことが分かったんじゃが。」
クロノ「なるほどね。」
キキョウ「奴らのことじゃ。主らを探しておるぞ?」
ジュリ「それはなぜ?」
クロノ「奴らのメンツに関わるからだ。マフィアってのは意外にプライドが高くてな。カタギにやられたとなりゃあやり返さないと立場がないんだ。」
キキョウ「その為に仲間を呼んで主らを探しておるはずじゃ。」
ジュリ「それを返り討ちにする、と。」
クロノ「しょうゆこと。しかもこの町で1番デカイんだろ?なら血眼で探してるだろうし、多分すぐに見つけてくるさ。何せ俺らボロ勝ちだったからな。あいつらは自分のボスに泥塗りたくったようなもんさ。」
ジュリ「大丈夫なんですか…?」
クロノ「う〜ん…大丈夫だとは思うけどなぁ…」
キキョウ「なんじゃ、珍しく弱気じゃのう。」
クロノ「いや、相手の心配。下手したら本気で殺しにいっちゃうってことも…」
ジュリ「殺…」
クロノ「そりゃ勿論情報吐かせないといけないんだから殺さないよう頑張るけどさー。」
キキョウ「お主…案外殺すとか簡単に言う男なのじゃな。」
クロノ「んー、ちょっとね。最近頭のネジが外れ気味。」
キキョウ「ヤシュールの事件で大量殺戮を行ったという情報があったが、それが関係しているのか?」
ジュリ「大量殺戮⁉︎」
クロノ「今となっては懐かしいな〜。それこそ2,3ヶ月前くらいだろう?」
ジュリ「何を…」
クロノ「仲間が1人宗教に攫われてな。しかもその宗教ってのはマトモなのじゃなくて、トップが真っ黒なやつだったのよ。それで仲間を助ける為にちょっとね。殺り過ぎちゃったのよ。」
ジュリ「そんな…」
クロノ「それ以来物の見方は変わったかな。少なくとも、人殺しに抵抗は無くなった。誰かが死ぬこと自体はやっぱり吐き気がするけど、自分が殺す側となると、特にどうっていう気持ちがないんだ。それどころか、悪い奴が相手となるとむしろ殺したくてうずうずする程には好きになっちまった。」
キキョウ「主は主で、狂ってしまっとるということか。」
クロノ「人殺しをも厭わないヒーロー。そうでもしないと守れないものを守る為に、今日も今日とて悪人を殺しにあちらこちら。それが俺だ。」
ジュリ「………」
クロノ「引いたか?軽蔑したか?それは何もおかしくない。人間が何を思うかなんて人それぞれだし、人殺しなんて普通という基準で考えたら人間は誰だって嫌う。だからといって別に改心する気はない。俺だって平和が嫌いなわけじゃない。平和を思って考えた結果だし、そもそも、他人からどう思われたかで考え変えるようなら英雄ヒーローにはなれない。じゃなきゃ悪役ヒールなんて誰もやらないさ。」
ジュリ「いえ、私は引きませんし、軽蔑もしません。」
クロノ「そう?」
ジュリ「クロノさんは何も悪くないです!」
クロノ「悪くないってのは人を引かない理由にはならんぞ?」
ジュリ「それはクロノさんの見方でしょう?」
クロノ「あらら。そう言われちゃうとな…」
キキョウ「それじゃあ明日はいよいよ捜索か?」
クロノ「そうだな。情報を聞き出せたらそのまま特攻だ。もしかしたら明日が決戦の日になるかもしれん。」
ジュリ「分かりました!」
部下「私も同行してよろしいでしょうか?」
クロノ「いいけど、なんで?」
部下「それは…」
キキョウ「別によかろう?人手は多いに越したことはないじゃろ?」
クロノ「それもそうだな。んじゃよろしく。」
部下「はい!」

次の日の昼過ぎ。
町の中を1人で歩く。
単独行動というわけではなく、囮だ。
相手が1人の方が、襲いやすいだろう。
そうして油断してきたところをやり返すという作戦なのだが…
男A「おい、てめぇ。また会ったな。」
クロノ「あ、こないだの。」
結構すぐ引っかかったな。
男A「探したぜぇ。てめぇにはやり返さねぇと気がすまねぇ。」
男B「カノディアを舐めてると後悔するぜ?」
クロノ「やり返すってだけでそんなにゾロゾロと人連れてきたの?」
後ろには6人。合わせて7人が目の前に立ちはだかる。
クロノ「そりゃまぁ3人で勝てない相手にたくさん人連れてくるのは正しいっちゃあ正しいけどねぇ。あんたが俺に勝てないのはもっと別の理由だぞ?分かる?」
男A「んだとぉ⁉︎」
クロノ「それは…」
男に詰め寄り、右手で顔を殴る。
続いて殴った手を戻すように、裏拳を加える。
クロノ「正義はいつだって勝つんだよ。少なくとも最終的にはな。」
男A「ぐぁっ‼︎」
クロノ「あらら、だらしない。」
男B「てめえ‼︎」
クロノ「ほら来いよ。全員返り討ちにしてやる。」

ジュリ「クロノさん。」
クロノ「なに?」
ジュリ「私たちが来る前に片付けないでくださいよ。」
クロノ「しかたないだろ?みんなワンパンで倒れるんだから。さてと…」
男A「ヒイッ‼︎」
最初に殴った男が座り込んでいる。
クロノ「ちょっと聞きたいことあんだけどさ。」
男A「な、なんだよ‼︎」
クロノ「あんたらのアジトの場所、教えてくんない?」
男A「へっ、バカか‼︎言うわけねーだろ‼︎」
クロノ「ダメ?」
男A「言ったら俺らがボスに殺されちまう‼︎」
右手でチェーンソーを作る。
クロノ「ここで俺に殺されるのとどっちがいい?」
男A「な…な…‼︎」
クロノ「ここで俺に言ってくれなかったら俺のこれがあんたの頭にめり込むことになるけど、言ってくれるってんなら助けてやろう。」
男A「いいい言わねぇ‼︎絶対言わねぇ‼︎」
クロノ「あら、意外と根性ある。」
チェーンソーを少しずつ近づける。
鼻の頭にあと数ミリで当たる。
クロノ「で、どうする?」
男A「たすけて…たすけて…」
クロノ「だったら言ってくんない?言ってくれたら助けよう。」
男A「分かった‼︎教える‼︎教える‼︎」

男が案内したカノディアのアジトの近くの宿の屋上。
クロノ「意外と根性無しだったな。」
ジュリ「そのおかげで場所分かったんじゃないですか。」
ドルグマノと同じように、いくつかの家屋が繋がったようにできている。
クロノ「こういうの流行りなの?」
部下「流行りと言いますか、外からでは一見分かりませんからね。」
クロノ「まぁ、知らなかったらすげぇ密集具合だなとしか思わんな。」
ジュリ「外に見張りがいないのも、怪しまれない為ですか。」
クロノ「自分の場所頑張って隠してんだ。変なことでバラされたくないんだろ。」
部下「あの男はすんなり話しましたけどね。」
クロノ「忠誠心がなっとらん、と言いたいが、あいつなら仕方ない感じはするかな。」
ジュリ「で、この小麦粉って何に使うんです?」
ここに来る途中に大量に小麦粉を買って持ち歩き用の袋に詰めた。
クロノ「対透明人間用アイテムだ。これで透明人間対策ができる。」
ジュリ「はぁ…」
クロノ「さて、いよいよ突入だが、3つ方法がある。プランA、どっかから忍び込む。プランB、屋根ぶち破って大胆突破。プランC、アジト爆破。どれがいい?」
ジュリ「Bでしょうか。」
部下「Bですね。」
クロノ「俺もBだ。潜入はドルグマノで飽きた。ならすぐに行こう。」
アジトの屋根に降り、建物の中央付近に来る。
ジュリ「ここですか?」
クロノ「あぁ。1番どこからも遠い場所。ドルグマノでもそうだった。」
部下「そうでなかったら?」
クロノ「その時はその時だ。準備はいいな?」
右手でソードを作り、屋上を数回斬る。
指を鳴らすと、地面が抜け部屋の中へ入る。
右手でくり抜いた地面を掴み、床に落として物音を立てさせないようにする。
構成員A「な、なんだ‼︎」
ジュリ「せぇい‼︎」
ジュリが棍で男を殴る。
構成員B「し、侵入者⁉︎」
部下「せい‼︎」
ついてきたキキョウの部下もナイフで応戦し、構成員を倒す。
クロノ「おら‼︎」
右手で剣を取り出し、構成員を斬り捨てる。
クロノ「なるべく静かにやったつもりだけど…」
部下「さすがにバレるでしょうね。」
ジュリ「これからどうするんです?」
クロノ「よーし。」
ジュリが殴って気絶させた男を叩き起こす。
クロノ「ボスの部屋どーこ?言わないとなるべく俺が出来る範囲内での最高の手段でお前を苦しめてから殺す。」
構成員A「い、言う‼︎言います‼︎」

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