ライトノベルの思い出を語ろう

小夜子

第3話「物語を書くということ その2」

ニートになって3ヶ月が過ぎた。
働きたいという思いは完全に消え失せ、仕事したくねーという思いが心に定着する。
夜起きて朝寝るというヴァンパイア生活の毎日が続く。
PCゲームを夜中遊び倒し、アニメを見て、たまにニュースも見る。
この時よく遊んでいたのが「ギャラクシーエンジェル」「ギャラクシーエンジェルムーンリットラヴァーズ」「D.C.ダ・カーポ」だったのをよく覚えている。
また、寝すぎて頭が痛くなることもあった。
そんな時はバファリンを飲みまくる。
そして、いつの間にか痛みは鳴りを潜め、毎日何十時間寝ても頭が痛くならなくなったのだ。




ニートの最大のメリットは有り余るほどの時間が獲得できるということ。
実家だから食うには困らないし、一応生きていくことが可能だ。
ただし、ニートにはデメリットも多く存在する。
まず、親とは喧嘩が絶えないこと。
大喧嘩しまくりでどっちも譲らないから、加熱しっぱなし。
親父はあまり何も言わなかったが、母とはよく喧嘩をした。
子供の時から何度も喧嘩しているが、この時ばかりは危ない方向に傾いていた。
もし、筆者に良心が無ければ親を殺していてもおかしくなかっただろう。
それぐらいにヤバイレベルの喧嘩だった。
今思うとホント親不孝な事したなと思う…。




次に友達と遊ぶとき、友達の歩幅と歩くスピードについていけない。
会話をしてもどこかチグハグで会話が長続きしない。
あと働いてないから当然金は無い訳で、友達と遊びに行ったり、食事をするときも惨めな思いをすることになる…。




仕事をしているとき、勉強をしているとき、頭に線のような物が張っている感じがするが、ニートになるとそれがなくなり、ふにゃふにゃとこんにゃくのように柔らかくなる。だんだん友達とも会わなくなり、親以外と話すことがなく、ほとんど引きこもりの生活をしていた。ほとんどというのはたまに外出もしていたからだ。世の中のニートの先輩たちに比べるとまだまだ低いほうだったのかもしれない。




さて、そんな時、また小説を書き始めた。
だが、今まで書いたのは自己満足の小説であり、誰かに見せることを想定して書いた内容ではなかった。いわゆるご都合主義に溢れた作品ばかりを書いていたのだ。
そこで誰かに見せて評価を貰いたいと思うようになり、携帯電話(当時はガラケーが普及している時代でスマホはまだ無かった)で小説サイトを検索してひとつのサイトを見つけた。




そこはケータイ小説を投稿できるサイトだった。その当時はもうとっくに「恋空」ブームは終わり、ケータイ小説は既に下火だったが…筆者のパソコンはインターネットに接続しておらず、オンラインで繋がれるのはケータイだけだった。そこで登録して活動したが、居心地がよく、色々親切にして下さる方が多かった。




書いた作品に感想がつくこともあり、それも嬉しかった。ただ荒らしが何回かあり、困った筆者は同じユーザーで仲の良い人に相談し、解決策を導き出していた。まだネット初心者だったこともあり、筆者が間違いを犯した事もあり、反省した事も。それでも居心地がよく、2年近くサイトにいて色々書いたりしていた。




ただ、ここはあまりにもぬるすぎる空間で、成長ができない場所だなとも思った。
そこで離れるには名残惜しかったが…意を決して別の小説サイトに移行した。
ただ、その別サイトはBLジャンルを押し出すサイトで他のジャンルはおまけに近かった。筆者はBLが大の苦手で正直ここに登録して投稿するのは躊躇われた。
それでもしばらくはいたが…。




そんな中、ある先輩と出会うことになる。
先輩といってもさほど歳は変わらないが…向こうの方が二つほど上だろうか。
実名を出すのはアレなので、ここでは仮にO先輩としておこう。
O先輩は東京出身で大阪には仕事の転勤でやってきた。
共通の知り合いの人から紹介され、筆者はその先輩と色々な話をした。
人生、仕事、生と死…様々なジャンルの事を話し、意見交換した。
また、筆者の好きな漫画をたくさん貸し、感想を二人で語り合ったりもした。
当時筆者が書いていたSF小説も読んでくれて、非常に仲がよかった。
時には励ましてくれたり、時には怒ってくれた。
人間的にも立派で素晴らしい人だった。
今でも彼以上に立派な人を俺は知らない。
また再び働こうと思ったのもO先輩の説得のお陰でだし、何より仕事で忙しいのに
筆者にとても時間を割いてくれて…今でも感謝している。




現在は結婚し、おまけに勤め先の会社から店長さんを任されることになり、筆者のいる地元からはかなり離れた地域に行ってしまった。多忙になってからは少し疎遠になったが、今でも食事に行ったり、LINEをする仲である。




そして、アルバイトから再スタートしつつ、小説も再び書いていくようになる。







































          

コメント

  • ノベルバユーザー599850

    元ネタが多くて知っていそうなものはないかと読み終わりとってもすっきりな終わり方でした。
    投稿していただけてありがとうございました。

    0
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