ライトノベルの思い出を語ろう

小夜子

第2話「物語を書くということ その1」

筆者は昔からオリジナルの話を考えるのが好きだった。
小学校一年生の時に遊んだファイナルファンタジーⅤに影響を受け、ファンタジー物が好きになり、空想を巡らせてはスケッチブックにオリジナル漫画を書き殴った。
コマもセリフもバラバラで絵も下手くそで…お世辞にも読めるものではなかった。仲のいい友達ぐらいにしか見せなかったが、それでも個人的には楽しく、最終的に小学校6年生ぐらいまで続けた。




中学になってライトノベルを読むようになったのは前話で書いた通りだが、この時、生意気にも「これなら俺でも書けるんじゃね?」という思いが沸々と湧いてきたのだ。この時はラノベに対する苦労とか何も知らず、今思えば図々しいというか、浅はかな考えだなと我ながら思うが…これがラノベみたいな小説を書こうと思ったきっかけである。




とはいえ、どうやって書けばいいのか全くわからない。中学生だった頃はラノベの書き方の本はなく、ラノベが世間的に注目される少し手前だったのだ。わかりやすく言うとハルヒが流行る少し前といった所だ。




なので、とにかく下手くそでもいいから書きまくった記憶がある。今となっては何を書いたか思い出せないが…。ともかく、何かを書いていた。




さて、時は巡り、高校を卒業して社会人になった頃。
大手家電量販店に就職が決まり、研修として熊本県に行くことになった。
ただ、それ関係の書類が学校側の不備で俺の元に届けられていなかった。
あの学校テキトーだからなぁ…。
筆者がそれを知ったのは研修一日目が済んだ翌日だった。
大慌てで用意を済ませ、関西国際空港まで行き、熊本へと旅立った。
飛行機に乗るのは高校の修学旅行以来で2回目の経験だった。
途中、エアーポケットか何かに入り、着陸が危ぶまれたが無事に到着。
タクシーに乗り、運ちゃんに行き先を告げるものの、「そんな場所知らないぞ」と言われるぐらい、辺鄙な山奥の山荘で2週間の研修を受けるのだった。




この時、団体部屋だったのが、言うまでもなく男ばかり(当たり前)ただ、どいつもこいつも気に入らず、正直好きになれなかった。部屋以外の子とは2人ほど仲良くなれたのは幸いだった。けど、朝から夕方過ぎまで研修作業で面倒くさく、正直つまらなかった。楽しいのはメシと風呂だけだった。




研修を終えてしばらくは働いていたが、結局クビになった。
理由は売上が悪く、ノルマが達成できないことだった。
大きな売上も先輩たちが持っていったし…まあ、やる気もさほど無かったし。
ニート生活になったものの、やはり働かなくてはという思いがまだこの頃はあった。
100以上の面接を経て、3ヶ月後にはカーペットの会社に再就職した。けれど、その会社が筆者に求めるスキルは専門学校を卒業したレベルだった。高卒の筆者にどうしろと…。




なんとか働いていたものの、結局続けることができず、数年で辞めてしまった。
会社の求めるレベルと筆者のレベルがあまりにも違いすぎた…。
最後に会った労働基準関係の事務のおっさんが「また会えるといいね」と言い、筆者が「そうですね」と笑顔で頷いた。




だが、心の中では「もう二度と会いたくないわ」だった・・・。




そして、ここから再びニートに戻ることになるのである。
仕事ばかりで多忙で書かなくなっていた小説を再び書き始めることになる。



















          

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