ゴブリン転生=乙女ゲーム!?

宮藤小夜

黄との出会い

ある日森のなか、熊ではなく小さな子供に出会いました。木々に囲まれていながらも暗くはなく、空から降り注ぐ月の光が子供の金色の髪にキラキラと反射して・・まるで一枚の絵画を見ているようだ。

「うぅ・・」

はっ!見とれてて気付いていなかったが、その子供
はとても痩せていた。まるで何日も飯を食べてないみたいに・・。そして、服の隙間からちらっと見える、紫を通り越して黒くなっている殴られたかのような痣・・。

・・DVか?いやでも、来ている服は立派だし・・魔物に?でもそれなら喰われて殺されてるはず・・だよな。この子供に、なにがあったんだ?

じーと見つめてるこちらの視線に気付いたのか、子供は目をゆっくりとこちらに向けた。そして俺を見て、怯えたかのように体が震えたが、動けないのだろう。彼は諦めたかのように目を瞑った。

えーっと・・。俺、何もしないんだけどな・・。元人間だから殺すのとか嫌だし・・。あ~、う~。どうしようかと迷い、辺りを見渡す。



おっ!いいのあるじゃん!

見渡した先にある木に生えていたのは、リコム(妖精っぽいちっさい奴等が食ってたとき名前言ってた)の実だ。リコムの実は、赤や紫など毒々しい色をしているが、林檎と桃を足したような味だ。さっきのゴブリン(親だと認めてない)に追いかけられてるとき、腹が減りすぎて食べてみたんだ。旨かった。

『ほら、食えよ』

俺は二つのリコムの実をもぎ取って、一つは自分で、もう一つは彼に差し出した。すると彼は恐る恐る目を開き、俺が手に持ってる物をみるときょとんっ、と間抜けな顔をした。

「えっと、くれ・・るの?」

『おう!』

俺の言いたいことが分かったのだろう。
彼は手を伸ばし、リコムの実を受け取り、かじった。ぱく、しゃり・・。半分ほど食べると、彼は顔を下にふせ、ぽろっ、ぽろぽろ・・。静かに、涙を流した。

『なっ!?』

な、なんだ!?どうしたんだ!?俺、なにかやっちまったのか!?慌てていると、彼が顔を上げ、泣きながら喋りだした。

「ふっ・・ふえっ・・、こんな、やさし・・ひっく、・・初めて・・で」




「ありがと・・」





ほにゃっ、と彼が笑った瞬間、思い出してしまった。



まさかこ、ここ、ここは・・あの、『虹ファン』の世界なのか!?

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