ゴブリン転生=乙女ゲーム!?

宮藤小夜

鈴木太郎

俺の名前は鈴木太郎。極々普通のニートである。彼女なし。ちなみに年齢は秘密だ。家族は父と弟がいる。母は病気で数年前に他界した。父は仕事が忙しくてあまり家にいないから、必然的に俺が弟の面倒を見ている。
弟とは20歳くらい年が離れているのだが、弟はいいぞ~。お兄ちゃん!お兄ちゃん!ってとっっっても可愛いんだ!ブラコン上等!はっはっはっ!父さんの年齢は知らん。だが確実に50はいっている。

ちなみに弟の名前は鈴木理央だ。俺が名付けた。
じゃないと母さんが次郎って名前をつけそうだったんだ。母さんのセンスは最悪だ。


父さんは化け物だ。間違えた、美形だ。いや、化け物でもいいかもしれない。俺は年相応な顔をしているのだが(後数年で魔法使いになれる年だ)、父さんは見た目が俺と同じくらいだ。・・ありえねえだろ?若作りにもほどがある!!

そしてーー親バカだ。
頬にちゅーは当たり前。朝起きるといつの間にか隣で俺を抱きかかえるように寝ていたり・・。
それが原因で理央と父さんはよく喧嘩する。理央いわく、僕のお兄ちゃんなの!って。
それを聞くたび、デレッデレになる俺。
理央も将来、あんな感じ(父さん)のような男になるのだろうか・・。
やばい!楽しみだ!!
あ、ちなみに俺はどこにでもいるような平凡な顔だからな。理央は両親に似て美形だ。・・俺、本当にこの家の子供なのかな・・ほろり。やばい。涙出てきた・・。






そんな俺はある日、父や弟に内緒で、とある物を買いに外へ出掛けたら・・死んだ。事故だった。



まさか・・










足元にバナナの皮が落ちているなんて!!
なんて間抜けな死に方をしてしまったんだ俺!アホ!童貞野郎!・・悲しくなってきた。
ああ、もしも生まれ変われるのなら父さんや理央みたいにイケメンに生まれ変わりたい。
そしてぼんっきゅんっぼんな可愛い彼女をおおおおおおお!!!



***




・・・寒い




寒い。いや、マジ寒いって。何?死んだら天国いくんじゃないの?それとも地獄に来ちまったのか?まさか・・父さんに近づく悪いゴミを排除したり理央を狙う変態じじい共を密かに抹殺したのがいけなかったのか?いや、でもあれは仕方ない。邪魔だったしな・・。お、体が動く。さっき死んだことは夢だったのか?

俺はそ〜と目を開けた。・・・は?どこだここ

目の前には木!木!木!たくさんの木があった。森か・・?なんで・・。
今の俺は仰向けに寝ているようだ。立ち上がろうと上体を起こし、緑色の足が・・ん?緑色・・?




・・・・・なっ・・・なっ・・




「ギイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!!!!?」
(なんじゃこれえええええええええええええ!!!!!?)

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