愛山雄町の酔いどれ酒エッセイ

愛山雄町

第6話「愛山と雄町」(2014年10月13日投稿)

 今回も日本酒のお話です。
 私のペンネームは「愛山雄町」。
 ご存知の方も多いと思いますが、有名な酒米「愛山」と「(備前)雄町」から付けています。
 どちらも私の好きな酒米で、備前雄町は伝統ある酒米、愛山は雄町の孫に当たる比較的新しい酒米です。
 酒米の特徴ですが、私にはうまく表現ができません。
 一般的な言い方をすれば、雄町が力強い芳醇な香りと味、愛山が甘みと旨みにほのかに甘い香りと言ったところでしょうが、私の味覚と経験ではうまい表現ができないのです。
 私の個人的な意見ですが、日本酒の味と香りは、杜氏さんの腕と酵母で大きく変わるため、酒米だけでどうこう言っても仕方がないと思っています。
 実際、山形の有名な十四代の愛山(七垂二十貫)は日本酒というよりフルーティな白ワインのようでした。
 そこで同じ蔵で同じ杜氏さんが別々の酒米で作った酒を飲み比べれば、特徴が分かるのではないかと考えました。
 私の好きな酒に、静岡の臥龍梅がりゅうばいという酒があるのですが、そこの純米大吟醸で、備前雄町と愛山を飲み比べてみたのです。
 話は変わりますが、この臥龍梅、前出の十四代のような“絶品”というところまで行きません。ですが、コストパフォーマンスが素晴らしい!
 四合瓶で純米吟醸が千円台前半。純米大吟醸でも二千円台と、とてもリーズナブルです。

 さて、本題の愛山と雄町の飲み比べですが、正直言って私の舌と鼻では明確な特徴を掴むことはできませんでした。もちろん、飲み比べれば愛山の方が柔らかく、ややフルーティな香りがし、雄町の方がしっかりとした余韻が長い気はしました。
 ですが、この二本を何種類かの純米吟醸、純米大吟醸クラスの酒と一緒に、ブラインドテイスティングをしたら、絶対に当てられない自信があります(笑)。
 さすがに山田錦と五百万石くらい特徴に差があれば分かりますが、美山錦や渡船辺りとの差が私には分からないのです。日本酒の利き酒師の方やワインアドバイザーなどの資格を持っている方を尊敬しますね。
ちなみに、この飲み比べの“あて”は関西の押し寿司。
 関西の中華街にあるお寿司屋さんで、蒸し穴子が絶品です。

 今度は愛山の飲み比べか、雄町の飲み比べをやろうかなと買い集めたら、うちの冷蔵庫が酒瓶だらけになってちょっと大変なことに(笑)。
 おいしいカラスミくらいで飲み比べをと計画しておりますので、そのうち報告できるかもしれません。

 では、次回はワインのお話などを。

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