東方狐著聞集

稜さん@なろう)

百八尾 狐、香霖堂に行く

私はいま、魔理沙と魔法の森の入り口近くある店の前に立っている。
なぜそんなところにいるかというと昨日の約束通り魔理沙が今朝迎えに来たからだ。
  だが、太陽が登りかけという時間に来るとは思わなかったが……

「魔理沙、こんな朝早くから訪ねてもいいのか?」

「あぁ、心配すんな。奴は半人半妖だがら寝なくてもいいって言っていたからな」

「不安しかないんだが……まぁ、魔理沙を信じるよ」

 魔理沙は「あぁそうしてくれ」というと店の扉をおもいっきり開いた。そして、

「香霖‼︎ 起きてるかぁ?」

 と叫んだ。おいおい、そんなに叫んで……

「なんだい魔理沙。こんな時間から」

 「おぉ、やっぱり起きてたか。香霖に会いたいってやつを連れてきたんだよ」

「こんな時間にじゃなくてもいいだろう。まぁ、入りたまえ」

「あぁ、お邪魔するぜ。ってもう入ってるけどな。ほれ、ラグナも入ってこいよ」

「あぁ、邪魔する」
 
 なるほど、古道具屋なのか。店に入った私はそんな感想を持った。
だが、道具をよく見てみると幻想郷には不似合いなものばかりではないか。


「おや、その道具が気なるのかい? その道具はパソコンと言って外の世界の道具だよ。使い方はね」

「パソコン?」

 パソコン……どこかで聞いたことのあるような。いや気のせいか?

「ラグナ、香霖の説明は右に流しておいたほうがいいぜ。あんまり信用ならないからな」

「魔理沙、僕は今お客さんと大切な商談をしているんだよ?」

「あ、いや。私は買い物をしに来たわけじゃないんだ」

「なんだい? 冷やかしかい?」

「まぁ、落ち着け香霖。ラグナはお前の作ったマジックアイテムに興味を持って来たんだぜ」

「マジックアイテムかい? だが、魔理沙、君のミニ八卦炉しか作ったことはないよ?」

 やはり、この男店主があのマジックアイテムの制作者か。

「すまない店主。そのミニ八卦炉について詳しく聞きたくて来たんだ」

「そうか。そういえば君の名前は?」

「あぁ、自己紹介が遅れてすまない。私は博麗神社に居候しているラグナという者だ」

「これは丁寧にどうも。僕はここ香霖堂の店主。森近霖之助だよ。それにしても驚いた。霊夢の言っていた居候は君のことだったんだね」

「霊夢が?」


 私に対する愚痴をを吐きに来ているのか? そう考えるとそろそろ私も新居を探さないといけないかもしれない。


「あぁ、とても頼りになる居候ができたって言っていたよ」

「そうか……店主。この店のおすすめは何だ?」

「おや? 買ってくれるのかい?」

「霊夢にお土産をな……この風鈴。これをいただこうか」

「特別サービスだ・ただでもっていっていいよ」

「恩に着るよ」

「おいおい、マジックアイテムの話は聞かないでいいのかよ?」

 いままで黙っていた魔理沙が口を開いた。

「そうだね。せっかくの所見のお客さんだ何でも聞いてくれ」


 それから昼になるまで私は店主と魔理沙と一緒にマジックアイテム会話を楽しんだ。


「それではそろそろお暇するよ。今日はいい話を聞かせてくれてありがとう」

「僕もいい話ができたから楽しかったよ。また来てくれたまえ」

「あぁ、それじゃあ」

「それじゃあな、ラグナ」

「君は帰らないのかい?」

 私は、魔理沙と店主の声を聞きながら店を後にした。うん、今日は一日だった。


◇ 



 ~博麗神社~


「ただいま」

「あら、少し遅かったわね。もう昼食ないわよ」

「あぁ、大丈夫だ。ところで霊夢にお土産がるんだが」

「なに? 食べ物?」

「いや、風鈴だ」

「すごい……綺麗ね。ありがとう、ラグナ」




  やはり、今日はいい一日だったようだ。なにせ霊夢の言い笑顔が見れたからだ。


つづく

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