東方狐著聞集

稜さん@なろう)

九十四尾 狐と天使のような悪魔さん

「しっかし、途中で道を間違えるとはおかげで到着時間がだいぶズレてしまった」
 今、私がいるところは太陽の畑という場所だ。人里の文献には年中様々な花が咲いておりその中心には向日葵がズラリと咲いている場所、そして、ここの主であろう妖怪は残虐非道だと言われている。

 「幽香が残虐非道か……あっているようであっていないような」
 「誰が残虐非道ですって?」
 「うひゃ!?」
びっ、びくりした。 なんで私の後ろに幽香がいるんだ?

 「それは、花たちが教えてくれたからよ」
 「なぁ、さらりと心を読むのをやめてくれないか?」
 「あら? 別に心なんか読んでないわよ。あなたはすぐに顔に出るかわかるだけ」
な、なんと数百年してわたしの知らなかった弱点が判明しただと?!

 「今は、数百年して私の知らなかった弱点が判明しただとって思ってるわね」
 「せ、正解だ」
 「うちで何か食べていく?」
 「え、いいのか? 朝は作ってもらったのを食べながら来たけど昼はまだなんだ」
 「ええ、いいわよ。じゃあ、行きましょう」

◇ 少女移動中……

「あら? 」
 「どうしたん……だ? なんだこれ」
 私たちの前には幽香家ではなくもっと禍々しい館があった。

 「……やられたわね」
 「なにが?」
 「知らず知らずのうちにめんどくさい奴に誘い込まれたようね」
 「能力なら私が気づくが、能力じゃないのか?」
 「能力じゃなくてを操ってご招待したのよ〜」
 「それって能力じゃないのか?」
 「違うわよ〜」
 「というか幽香声がなんかかわっ……誰?」
 誰だ? この天使のような見た目の少女は

「あら、天使だなんて、私は悪魔よ?」
 「えぇ、また、顔に出てた?」
 「はぁ、一体なのんようなのよ。わざわざ私たちを『こんなところ』に連れてきて」
 「こ、こんなところ? さすがにその言葉は幽香ちゃんでも許さないわよ」
 「あら? 私とやる気? 今度は泣いても許さないわよ?」
 「忘れたとは言わせないわよ? 泣きながら『許して〜』っていたのを」
 「あら? それはあなたじゃなかったかしら」


 「「ふふ、ふふふふふふ」」
 「お、おい。落ち着くんだ二人とも!」
 「いえ、この二人のこれは挨拶みたいなものですよ?」
うお!? いつの間にか真横にメイドがいるだと?

 「ふむ、私が気づけないなんて、ですか」
 「また顔に出ていたか?」
 「いえ、私達姉妹は心を読むなんて朝飯前ですから」
 「いいドヤ顔いただきました。ところで、天使みたいなのがお前のお姉さんなのか?」
 「そうです。幻月お姉さんです」
 「じゃあお前は?」
 「普通先に名乗りますよね?」
 「あ、すまない。私はラグナだ」
 「まあ、知ってるんですけどね。私は夢月と申します」
 「えぇ……なんかやりにくいな」
 「そうですか? あ、二人とも終わったようですよ。行きましょう」
 「あ、あぁ」
いつの間にか夢月の姉、幻月と幽香が固い握手をしているし。一体ここはどこなんだ!


はたして、狐はどこに迷い込んでしまったのだろうか……

つづく

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