東方狐著聞集

稜さん@なろう)

巫女逃走する

 なんなのよ! この妖獣は!?
『霊夢……大丈夫?』
 私のとなりにある陰陽玉から聞こえる声。いままで喋らなかったくせに空気を読んでたのかしら?
「大丈夫? なわけないわよ!」
『あの子は……昔あった大きな異変を解決した一人よ』
「異変を解決した奴ならなんでこんな所にいるのよ?」
  『それは「人間が我ら鬼を騙すからさ」
いままで 黙っていた勇義が紫の言葉を被せて言った。
「博麗の巫女、お前は何故ゆえにこの地底に来た」
「私が来た理由?それは……地底から吹き出した間欠泉から怨霊が沸いたから怨霊を沸かした奴を退治するためよ!」
「そうか……八雲。貴様が人間に要らぬ悪知恵を教え込んだのはバレているが何かあるか?」
『ッ?! そんなことまでばれていたのね』
 話がつかめない一体なんのはなしをしているのこの二人は?
「我ら鬼族は貴様を信用することは今後一切ないだろう、あの変わり者以外は」
 「でも、あんた鬼じゃないじゃない」
――巫女の言葉が白狐を豹変させた。
「おい、糞餓鬼……貴様、今何て言った?」
 っ!? 何て妖力なの?! ダメ殺される、怖い……怖い?
『れい……! 霊夢!』
――恐怖に呑み込まれた巫女は気を失いかけるが陰陽玉から聞こえてくる声のお陰で何とか持ち直した。
「これは、逃げた方が言いかもしれないわね」
「あぁ? 逃げる? 逃げれるわけないんだよ!? アハハハハハ」
 ――ゾクリ そんな音が似合いそうな状態に再度戻りかけた巫女は自分の懐に仕舞ってある一枚の札を出した。

「(もしあのよ妖獣が光によかったら逃げれる可能性があるけど) 閃光札!」

――ドン、という音と共に光が辺りを飲み込んでいく

「ッ?! 光がぁ?!」
『効いた! 今のうちに逃げなさい!』
 今は紫の指示に従うことにしないとね。
「逃がさねぇんだァよぉ?!」
 ――白狐の放った氷柱型の弾幕は真っ直ぐに巫女の片腕に突き刺さった。

「痛ッ?! やってくれたわね」
――刺さった弾幕をなんとか抜き自分の服を少し破って止血をした巫女は白狐のいるであろう場所に振り返ろうとしたが

『戦ってはだめ! 速くその場から逃げなさい!』
 ――陰陽玉から聞こえる声が焦り混じりに叫ぶ
「でも紫! やられたらやりかえさないと気がすまないわよ!」
「貴女、次は確実に殺されるわよ!」
「無理に決まってるじゃない! 私を殺すことなんてできやしないわよ」
『いい? 霊夢、あの娘は暗殺のプロよそれ以外にも得意とするのよ? そして最も得意とするのは人間の……』
「わかったわよ……悔しいけど勝てないと思うわ」

――巫女は一度振り向き魔女の向かって行った方へと逃走していった。


つづく

「東方狐著聞集」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く