東方狐著聞集

稜さん@なろう)

恋色の魔法使いと狐

「それにしても、霊歌に似てたわねあの霊力」
 まぁ、さとり辺りにでも用があったのでしょ、帰るか

「そこの、妖怪おまえ!」
 誰のことかしら? 私のことじゃないだろ。
「おまえだよ! そこの、狐!」
 あ、私のことだった。
「なにか?」
「いや! なにかじゃないだろ! 私を無視すんな!」
 え、えぇーなにこのエプロンを身につけた黒白、見た目からしてまる魔法使い見たいね」
「おいおい、誰が黒白だって? 」
「なんで私の考えてることが読めるのかしら?」
「あんたが声に出してたからだよ!」
 あちゃーやってしまった。
「それは、失礼したわね」
「まぁ、いいんだぜ」
 あ、許してくれるのね。それなら

「それじゃあ私はこの辺で」
「いやいや」
 チッ!引き留められた!
「そんな露骨に嫌そうな顔をするのは止めてくれないか?」
「何のようなのよ」
「怪しい奴がいたからな」
 全く何を行っているのかしら?この子は?
「怪しい奴何ていないわよ?」
「おまえのことをだぜ」
 この子はなんで呆れてるのかしら?
「それより、さっきマスタースパークを撃ってたわよね?」
 こんどは驚いてるわね、呆れたり驚いたり忙しい娘ね。
「なんでおまえがマスタースパークを知ってるんだ?」
 だってそれはねぇ……
「その技の持ち主と友達だからよ」
「風見……幽香と?」
 まだ、驚いているのね。
「そうよ、それにしてもまさか幽香が人間の弟子を取るなんてね」
 幽香も丸くなったわね。
「いや、風見幽香の技をパクっただけなんだぜ」
 この人間は何てことを言いだすのかしら?
「本当なら撃ってたみてくれない?」
  悪い笑顔になったわね。
「いいぜ、おまえを退治してから霊夢に追い付くとするか。恋符『マスタースパーク』!!」
――ゴゴゴという音と共に金色に輝くレーザーがラグナを呑み込んだ。

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「直撃か、名も知らぬ妖怪よ安らかに眠るんだぜ」
 ちょいまて!
「まだ死んでないわよ?」
直撃かと思った?残念、少しの妖力で守りました。
「まじかよ……」
 ふふ、驚いてる
「幽香のマスタースパークに似ているけど全然違うわね」
「あれだけで判るのか?」
「えぇ、その技は貴女の物よ、早く巫女を追いかけるんでしょ?」
「あぁ、私はもう行くぜ」
 ――箒に跨がり超スピードで飛んでいった。
「退治されなくてよかったわ」

 つづく
 

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