東方狐著聞集

稜さん@なろう)

二十六尾 狐と八雲と桜の少女

 紫の友人に会いに来たラグナ。途中トラブルがあったが無事紫の友人の元にたどり着くことができた。

「こちらでございます」
 この屋敷に仕えているという魂魄妖忌に私と紫はある部屋の前に案内された。

「ありがとう妖忌。あとは大丈夫よ」

「これは紫様、滅相もございません。では私はお茶の準備をしてまいりますので」
「えぇ、ありがとう」

妖忌は案内し終わるとお茶の準備をしに今来た道を戻っていった

「それじゃあ、ラグナ。入りましょ」
「いいのか? 勝手に入っても」
「大丈夫よ」
紫は大丈夫というと思いっきり障子を開けた
それも大きな音を立てて。

「幽々子! 友達連れてきたわ」
「あら紫じゃない。今日は何をしに来たの?」
 部屋の中には青い着物、桃色の髪の毛をした少女が一人座っていた。どうやらこの幽々子と呼ばれた少女が紫の合わせたいとう人物なのだろう。

「紫。この娘は?」
「あら、もしかして紫が前に話してた狐さん?」
「紫が話していた?」
 なんだそれは、すごく気になる。紫を見てみると目が泳ぎ、汗を垂らしていた。

「ええそう。えーと確か」
「ちょ、それは……」
「御婆さんみたいな狐の女の子って!」
 紫が止めるよりも早く少女は楽しそうに、笑うように言った。

「あ、あら。誤解よ! だからその圧縮した妖力を収めて!」
「そうだな。少し頭を冷やそうか。」

「そ、そうね! 頭を冷やしましょう!」

 汗を垂らしながら手を振っている目の前の少女、紫に私は妖力で強化した拳骨を落とした。

「痛い!!」

頭を押さえて畳に転がってもがいている紫を見てラグナは満足した顔で頷いていた。

「うふふ」
そして少女はそんな二人を見て楽しそうに笑っていた。

「えーと、自己紹介が遅れたな。私の名はラグナ。よろしく」
「まぁ、ラグナさんっていうのね。私は西行寺さいぎょうじ幽々ゆゆこよ」
「よろしく、幽々子ちゃん」
「ちゃん付けなんて子供扱いみたいで嫌だわ!
「じゃあ、ゆゆちゃんで」
「さっきより子供扱いされてるみたいだけど!」
どうやらこれもお気に召さないらしい。しかし頬を膨らませながらも幽々子の顔はとても嬉しそうな顔をしていた。

「ねぇ! ラグナ! 私にもあだ名つけて!」
「しょうがないな」
 拳骨の痛みから回復した紫が子供のような純粋な笑顔で目を輝かせていた。
「はやく、はやく!」
「じゃあこんなのはどうかしら」
「胡散臭いおばさま」
「ひどい、まださっきのこと根に持ってるわね」

 私は冗談だと言い「紫ちゃん」と訂正すると紫はにやけ顔で「紫ちゃん」と呟いていた。
そんなこんなで三人でしゃべっていると幽々子が唐突にこんなことを聞いてきた。

「ねぇ、二人とも」
「どうしたの幽々子?」

 「二人とも、私の友達よね?」
 そう聞く幽々子に紫は笑いながら、私は微笑みながら
「当り前だ」と言った。
 そして幽々子は今日一番の笑顔をしていた。




つづく

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