東方狐著聞集
六尾 召喚術と憂鬱なため息
八坂神奈子と知り合って早くも一年がたった。
一年間の間に私の周りも多くの変化が起きた。例えば村が発展し里に。私を祀っていた(らしい)場所は私の家兼神社に。
そして、今日は神奈子が大切な話があるということだが……さてさて、どうなるのことだか。
  ~神社~
遅い、いつになったら神奈子の奴は来るんだ。まさか、道に迷って迷子に……なるはずもないか。
  私より若いんだ物忘れをするわけがない。
「ラグナ、居るかい?」
……今の声は……待っていた客人がやっと来たか。遅いぞ。神奈子
「早く入ってくれ。寒くてかなわん」
そう、今の季節は私の嫌いな冬なのだから。冬はだめだ。寒すぎる……
 
「お邪魔するよ。ラグナは本当に冬に弱いねぇ……」
「妖獣も普通の獣と同じで寒さに弱いんだよ。もっと寒くなったら冬眠に入ろうかと悩んでいる」
「それはいけないな。今日は、冬眠に入られる前に大事な話をしに来たんだよ」
「あぁ……だいじな話できていることは知っているさ」
「手紙が私が来るよりも早く届いていてよかったよ。話に入るが……諏訪大国に私の部下が宣戦布告をしてしまったんだ」
「宣戦布告?」
「あぁ……諏訪の国の民の信仰を奪うっていったらしいのよ。しかもそいつ自慢気に言ってきたのよ?」
「自慢気に言った後、『ぜひ、私に諏訪大国の管理を』とか言ってたんじゃないか?」
クス……なぜ、わかったんだという顔をしているな。私も同じ言葉をかけられたからだ。っとこれは言わなくてもいいか
「あぁ、言われたよ……ハァ」
「アハハ。ご苦労さんだな」
「笑うんじゃないよ。もう……はぁ」
さて、神奈子はどうしたいんだろか。見極めるとするか。
「それでどうしたいのかね。神奈子さんや?」
「口調がおかしいわよ……そうね、戦いたくないわ。昔から根付いている物を力で従わせようとしても付いてくるはずがないもの」4
「口調そんなにおかしかったか? ゴホン――私と初めて会った時は『貴様の信仰をいただきに来た!』だった神奈子がそこまで変わるとはな」
「やめておくれ。恥ずかしい」
「それはすまないな。よし、わかったわ。今此処に諏訪の神を呼んでみようじゃないか」
「いや、おかしいでしょ。しかも何がわかったのよ」
「まぁ、任せるといい」
「……?」
「準備するから少し待っていくれ」
「えぇ、わかったわ」
◇数分後
 
「準備ができた。これより儀式を始める」
「ちょいまて。儀式って何をするんだい!?」
神奈子が驚くのも無理はないだろう。なんせ、神社には日光が入ってきておらず、蝋燭に付けられた火だけが私たちの明るさを保っているからだ。
そして、謎の陣が書かれている畳が怪しげに光っているのも原因の一つだろう。
「あぁ、ちょっとした召喚術だ」
「召喚術って……」
「さて始めるか。……汝、我が呼びかけに答えよ。儀式『召喚術』」
 ――謎の陣が発光し部屋が光に包まれた。
「ちょっと。まぶしい!?」
神奈子の悲鳴と同時に光が消える。そして「痛!」という声とともに少女が落ちてきた。
「あーう。何所さ、此処は」
「……おまえ、彼方が諏訪の土着神の頂点、洩矢諏訪子様でしょうか?」
「そうだよ。みたところ妖怪見たいだけど……オカシイな~? なんで神力をもっているだい?」
「一応ながら私も神様見習いでして」
と、会話をしている二人を見て八坂神は
「本当に召喚しちゃった!?」と驚きを隠せていなかった。
つづく
一年間の間に私の周りも多くの変化が起きた。例えば村が発展し里に。私を祀っていた(らしい)場所は私の家兼神社に。
そして、今日は神奈子が大切な話があるということだが……さてさて、どうなるのことだか。
  ~神社~
遅い、いつになったら神奈子の奴は来るんだ。まさか、道に迷って迷子に……なるはずもないか。
  私より若いんだ物忘れをするわけがない。
「ラグナ、居るかい?」
……今の声は……待っていた客人がやっと来たか。遅いぞ。神奈子
「早く入ってくれ。寒くてかなわん」
そう、今の季節は私の嫌いな冬なのだから。冬はだめだ。寒すぎる……
 
「お邪魔するよ。ラグナは本当に冬に弱いねぇ……」
「妖獣も普通の獣と同じで寒さに弱いんだよ。もっと寒くなったら冬眠に入ろうかと悩んでいる」
「それはいけないな。今日は、冬眠に入られる前に大事な話をしに来たんだよ」
「あぁ……だいじな話できていることは知っているさ」
「手紙が私が来るよりも早く届いていてよかったよ。話に入るが……諏訪大国に私の部下が宣戦布告をしてしまったんだ」
「宣戦布告?」
「あぁ……諏訪の国の民の信仰を奪うっていったらしいのよ。しかもそいつ自慢気に言ってきたのよ?」
「自慢気に言った後、『ぜひ、私に諏訪大国の管理を』とか言ってたんじゃないか?」
クス……なぜ、わかったんだという顔をしているな。私も同じ言葉をかけられたからだ。っとこれは言わなくてもいいか
「あぁ、言われたよ……ハァ」
「アハハ。ご苦労さんだな」
「笑うんじゃないよ。もう……はぁ」
さて、神奈子はどうしたいんだろか。見極めるとするか。
「それでどうしたいのかね。神奈子さんや?」
「口調がおかしいわよ……そうね、戦いたくないわ。昔から根付いている物を力で従わせようとしても付いてくるはずがないもの」4
「口調そんなにおかしかったか? ゴホン――私と初めて会った時は『貴様の信仰をいただきに来た!』だった神奈子がそこまで変わるとはな」
「やめておくれ。恥ずかしい」
「それはすまないな。よし、わかったわ。今此処に諏訪の神を呼んでみようじゃないか」
「いや、おかしいでしょ。しかも何がわかったのよ」
「まぁ、任せるといい」
「……?」
「準備するから少し待っていくれ」
「えぇ、わかったわ」
◇数分後
 
「準備ができた。これより儀式を始める」
「ちょいまて。儀式って何をするんだい!?」
神奈子が驚くのも無理はないだろう。なんせ、神社には日光が入ってきておらず、蝋燭に付けられた火だけが私たちの明るさを保っているからだ。
そして、謎の陣が書かれている畳が怪しげに光っているのも原因の一つだろう。
「あぁ、ちょっとした召喚術だ」
「召喚術って……」
「さて始めるか。……汝、我が呼びかけに答えよ。儀式『召喚術』」
 ――謎の陣が発光し部屋が光に包まれた。
「ちょっと。まぶしい!?」
神奈子の悲鳴と同時に光が消える。そして「痛!」という声とともに少女が落ちてきた。
「あーう。何所さ、此処は」
「……おまえ、彼方が諏訪の土着神の頂点、洩矢諏訪子様でしょうか?」
「そうだよ。みたところ妖怪見たいだけど……オカシイな~? なんで神力をもっているだい?」
「一応ながら私も神様見習いでして」
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つづく
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