高校生は蛇になる

sterl

83話 監視者ノ謎

「はあ、はあ、はあ」

 くそ、速すぎやしないか?
 さっきからずっと全速力なのに全然距離が縮まらない。
それどころか離れていってる。

 だか、数分前までカヴァタがここにいたのは確かだ。
地面に引き潰された死体が転がっている。

 分速1㎞以上の追い駆けっことか聞いたことねぇぞ。
一体カヴァタはどこに向かってるんだ?

……ん?前の方に何か飛んでるな。

 ありゃ何だ?
見た目は蝙蝠だ。それこそどこにでもいるような。

 だけど、速い。
ただの蝙蝠が今の俺と同じくらいの速さで飛べる訳がない。


――――――――――――――――――――――――
ステータス

名 スニフィス
種族 スニーキングバット・アサシン
称号 魔王を与えられし者

攻――解析が妨害されました――
――――――――――――――――――――――――


 解析すると、このように妨害されてしまった。

 蝙蝠はこちらの存在に気付いてしまったようで、黒い煙となり、消えてしまった。

……あの蝙蝠は何だったんだ?
少なくともあんな種族は聞いたこともない。

 魔王を与えられし者、つまりあの蝙蝠は魔王なのか?

……まあ気にしても仕方ない。
ちょうどカヴァタは止まってくれたようだ。

 あと20㎞、待ってろよカヴァタ。これでようやく追い付ける。

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