高校生は蛇になる

sterl

77話 慈愛ト守護トノ別レ

「もう少しゆっくりしていっても良かったのに」

「すまぬな。カヴァタの力を借りないと帰れないのだ」

「そうですか。また来れれば来てくださいね」

「ああ、勿論だ」

 なんか向こうで話してる。
こっちは距離を消して待ってるのに。

 隣で銀の煙が渦巻いている。
間違って空間を消さないようにするの意外と大変なんだぞ。

「待たせてすまない」

「遅いぞ。これが暴走したらどうすんだ」

「暴走させずに済むから仕方なく使っておるのだろう」

「使わせてるのはお前だけどな。はぁ、とりあえず行くぞ」

「分かった」

 フィートとクリスタの後に続いて渦巻く煙をくぐる。

 くぐった先には、先程と変わらぬダンジョンの入り口が有った。

「じゃあ、配下にするけどいいか?」

「ああ、問題ない」

「《眷属化》それじゃあ、俺はもう行くぞ」

「また今度来ると良い」

「また今度、な」

 よし、新しいスキルが楽しみだ。

コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品