高校生は蛇になる

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46話 消滅

「何で消えるんだ?」

 俺は思わず聞き返していた。

『先程言った通りです。終焉ノ司神の力に呑まれて、我は消えてしまいます』

「……そうか」

 俺は驚くほど冷製だった。
もしかしたら技能魔王の裏人格の、単調な口調がそうさせていたのかもしれない。

「あとどのくらいなんだ?」

 敢えて主語は言わなかった。
その意味を理解したのだろう。

『……あと1分も持たないでしょう』

 それは、驚くほど短く、或いは長くも感じられる時間だった。
 そんな時間が過ぎ、最後にカヴァタが言った。

「強くなって、殺してやるよ。邪神も、技能神も」

『ありがとう。主よ、よろしく頼む』

「ああ、勿論さ」

 カヴァタは何を思ってそれを言ったのか。
 少なくとも、楽しい生活をくれた神達への恩を、使命という形で返すだけではないように感じられた。


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