高校生は蛇になる

sterl

45話 裏人格

「クルウオオオオオオオオ‼」

 んん、遠くからフィートの声が聞こえる。

 ん?ここどこだ?

 どこを見渡しても銀一色の空間だ。
身動きもできない。
まるで殻の中に入っているかのようだ。

 それにスキルも発動しない。
 知能魔王が機能しないのは痛いな。

 てかステータスどうなってんだ?見てみるか。

――――――――――――――――――――――――
ステータス

名 カヴァタ


………………進化改変中 完了まで、あと15時間………………

――――――――――――――――――――――――

 どうやら俺は進化中らしい。
 進化しているときに起きたことがなかったから気が付かなかったな。
今までもこんなだったのか?

『それは違います』

 ん?誰だ?

『無事で何よりです。我の名はありません。自由に呼んで下さい』

 一人称が我で敬語だとなんか不思議だな。

『そうですかね?我にとってはこれが普通なのですが』

 そうか、ところで、お前は具体的にどんな存在何だ?

『我は、技能神から力が切り離されたときについてきた付属品。技能魔王の裏人格です』

 へー、てことは今までお前にお世話になっていたと。

『そういうことになりますかね』

 じゃあ今の状況を具体的に説明してくれ。
今までの進化とは違うみたいだけど。

『終焉ノ司神によって主が強制進化させられています。どうやら主の中にある神格エネルギーを自身の力で染めることにより、主を神に……終焉シュウエン神に進化させようとしているようです。失敗したら主は死んでいました』

 無理矢理にでも進化させるとか、終焉ノ司神って一体?

『我の分かっていることも少ないのですが、神の力、それも、創世神や邪神に匹敵する程の力を秘めた新たな神格スキルです』

 それってこの進化が終わったら邪神とかもう殺せない?

『できないこともないですが、この世界や、この次元までも巻き込んでしまいます。恐らく主も死んでしまうでしょう』

 え、そんなに強いの?

『それだけ破壊に、いや、消滅に特化した力なのです。まともに扱えるようになるには、何十年もかけて力に慣れるか、技能魔王を進化させて、その力で抑え込むしかありません』

 そうか、ならこれからの目的も当面は変わらないと。

『そうなりますね』

 ならこれからも宜しくな。

『それは無理でしょう。進化が進めば、終焉ノ司神の力が増大し、我はそれに呑まれ、消えてしまいます』

……え?

コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品