7話上には上がいる

　扉を開け、中に踏み込む。いや、俺の場合は滑り込むかな。

　綺麗な正方形の中の内側のような部屋で、奥にサソリの形をした生き物がいる。

　そのサソリを解析ノ王で解析する。

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ステータス

名 (無い)
種族ブラッドスコーピオン

攻撃力 17029
防御力 56741
耐久力 25534
持久力 15332
瞬発力 12621
総合戦闘力評価 S

スキル
神速・貫通・切断・毒発射・毒貯蔵・毒操作ex・黒炎の甲殻・黒炎の覇者・黒炎術・黒魔導

SP 65
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　戦闘力評価はS、ステータスも俺と同じくらいだし勝てるだろ。
なんたって俺にはチートスキルがあるからな。

　この時の俺は思い上がっていた。
どんな相手でも勝てると思い込み、サソリのスキルを見ずに挑んでしまった。

　サソリが神系スキルを持っていることを知らずに……。

　サソリが消えた。
俺がそう認識したときには蹂躙が始まっていた。

　気づいた時にはもう俺は壁際まで吹き飛ばされていた。
鱗が剥がれ、動けない程に骨が折られていた。
　1撃でこの威力。
実は単純な速さで突撃されただけだったのだが、俺はこの時点で負けを悟っていた。

　俺は、もう死ぬのか……。
せめてもう少しだけこの世界で楽しみたかった……。

　サソリの周りに魔方陣だと思われる物が展開された。

　その時、無駄に広いこの部屋に足音が響いた。