高校生は蛇になる

sterl

5話 こうなってしまったら仕方ない

 俺は毒操作を毒ノ邪王に進化させた後、SP習得率100倍を徹底的に利用することにした。

 今まで以上の速度で洞窟を探索した。
途中で会った生き物は全て毒霧を吐くだけで溶け崩れて死んで逝った。大蛇になったおかげか心が痛むことはなかった。

 しばらく探索していると大広間に出た。
1番奥に何のデザインもない扉がある。
いかにもボス部屋前って感じの部屋だ。

 少し進むと上から何か落ちてきた。
赤紫色の甲殻と紅色の足の百足だった。
どうやら天井に張り付いていたらしい。

 百足は他の生き物より強そうだった。
しかし、毒霧を毒ノ邪王で凝縮して発射したら細切れになって死んでしまった。
 思ったより威力があったのでポイズンカッターと名付けた。

 この百足、後からいくら毒霧を吹きかけようとも溶けることはなかった。
おそらく毒耐性でも持っていたのだろう。
 こいつが溶けないことを確認してからステータスを見てみた。
SPが60500もあった。

 SPを55000消費して鑑定と感知を習得し、それぞれ解析ノ王と感知ノ王に進化させた。
そして、その能力を見ようとしたときにその声は響いた。

『帝王系スキル1つと王系スキル3つの習得を確認しました。仮名・鏑木健太に魔王の卵を授けます。』

 そして現在に至る。

――うん、魔王の卵は分かった。
別のスキルの能力見せてくれ。

解析ノ王 対象に関する全ての情報を見る。 SP100000で進化可能

感知ノ王 あらゆる事象を感知する。射程は100㎞。 SP100000で進化可能

 よし、チートスキルだ。
俺、魔王に成れるかな?
まあ、チートスキルあるしなんとかなるだろ。

 そして俺は扉を開ける。
その先に何が待ち受けているかも知らずに……。

コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品