高校生は蛇になる

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141話 1ヶ月の間 現人神

「ハアックション! うううぅ、寒いなぁ」

 盛大にくしゃみをしてしまった。それ自体が常に40℃の熱を持つ灼熱黒石で作られた発熱鎧を着ててもこれだもんな。くそ寒い。

 何でこんなにここを寒くしたんだろうな。氷結山の名前に恥じない寒さだ。とりあえず、もうすぐ山頂の遺跡だ。あそこならここよりは暖かい。

 それにしても、ここまでカヴァタとフィートを見なかったな。もう山頂に着いてるのか?

 ……まあいい。山頂に着けば分かるだろ。山頂との境界もすぐそこだし。

「ああ、暖かけぇ」

 ああ、山頂との境界を越えた途端、発熱鎧の効果がやっと発揮され始めた。程よい湯加減の風呂に入っている気分だ。

「ん?あれは何だ?」

 フィートが寝転がっている。それはいいんだが、その隣に立ってるリッチは何だ?妙に格好良い立ち方してるが。

「あ、初めまして。私はグローディスだ」

 見つかった。そして普通に自己紹介された。悪いやつじゃ無さそうだな。一々格好いいポーズをするのは置いといて。

「俺はヴァルだ。お前はここで何をしているんだ?」

「フィートの看病を」

「……フィートの名前を知っているのか?」

「私の能力を使えば簡単に知れるんだ。良いだろう?」

 うーん、こんなときに現人神の能力が使えないと困るな。

「ま、少し話さないか?」

 こんなときは話して情報収集をするに限る。

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