高校生は蛇になる

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129話 ソノ頃ノ鳥

「ク、クウゥ」

 荒れ狂う吹雪の中、一羽の鳥が歩いていた。

 体には生々しい傷が付き、凍ることの無い、熱い血が滴り落ちている。

「クルッ!? クゥゥ」

 氷の地面に足を滑らせ、転倒する。だが、目に宿る眼光は消えず、ゆっくりと立ち上がると、再び歩き出した。

 鳥は、氷の地面に赤い跡を残しながら、足を引摺りながら、歩き続けた。

 不意に吹雪が途切れた。

 鳥の前には、人工と思われる建造物が在った。

 鳥は、そこに足を踏み入れ、進んだ。

 黒い渦と、その前に立つ、漆黒のローブを纏った骸骨が見えた。

「安心しろ。ゆっくり休むと良い」

 そんな声が聞こえた気がした。

 鳥の意識は、そこで途絶えた。

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