高校生は蛇になる

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128話 噴火VS闇癒

 まさか、デプスカーニバルを封じられるとは思っていなかった。ダークイーターと言っていたから、恐らく闇属性の魔法は通用しないだろう。

 つまり俺がするべきは、別の魔法を使うこと。

「《エラプション》《エラプション》《エラプション》」

 三回連続で魔法を使った。直後、3つの直径5m程の火山が、中心の噴火口をザーズに向けて空中に現れた。

 噴火エラプションとは、その名の通り、噴火を起こす魔法だ。簡単に使えるが、込めた魔力によって、威力が大きく変化する。そして、今回込めた魔力は、先程デプスカーニバルを使うために込めた魔力と同等。つまり、普通の空間は耐えきれない。

 火山が同時に噴火する。勢いよく噴き出した熔岩が、ザーズに向かって飛んでいく。

「ぐっ」

 ザーズもこれは危険と見たのか咄嗟に避けようとするが、完全には避けきれず、左足に熔岩を浴びせることに成功した。

 左足は熔け、黒い煙を吹き出している。

「《ダークヘルス》」

 ザーズがそう呟くと、吹き出していた煙が足の骨の形になり、再生してしまった。

 予想はしてたけど回復も出来るのか。かなり面倒だな。

「これで本当の痛み分けだな」

「貴様、なかなか強く成っているではないか。我に傷を負わせるとは」

 そんなことを言っているが、あまりダメージを受けた様子はない。最後の試練はまだまだ続きそうだ。

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