この夏俺は世界を守る巫女に生まれ変わりました
第4話真っ青な世界の現状
「そういえばさっき出て行ったばかりなのに、わざわざ戻ってきて何かあったんですか?」
「あ、そうそう。巫女様にお伝えしておかなければならない事があったんです」
「伝えなければならないこと?」
さっきの説明にも色々不足している気がするのだが、それ以外に伝えておくことでもあるのだろうか?
「これからの巫女様の普段の生活についてです」
「私の日常生活についてですか?」
「巫女様はこの世界では、多大な存在であるゆえにある程度の行動に制限がかかります。四六時中この部屋での暮らしとまでは言いませんが、外出などにも制限がかかってしまいます」
「えっとそれはつまり、下手な行動を取ると何が起きるか分からないという事でしょうか?」
「はい。そうなります」
(なるほど、国で例えると姫的な立場ってことか)
今の説明でこの世界での巫女の立ち位置が大体分かった気がする。今セリーナが言っていたことが本当だとしたら、この世界で巫女は一種の神に近い存在。ちょっと寛大な表現かもしれないが、行動をそこまで制限するという事は、何か起きたらそれだけでも大事件扱いになるのかもしれない。だからこの部屋に閉じ込めて、安全を確実に確保する次第って事か。
(だからこんなにも設備が整っているんだな)
「でもさっきも言っていましたけど、巫女にはする事があるんですよね?」
「詳しくはまた明日説明しますが、水の姫巫女は必ずやらなければならない事があります。それも含めて色々な制限がかかってしまいます」
「何か制限ばかりかかっていると、嫌になりそうなんですけど」
「そんな事仰らないでください! 嫌にならないように極力私達も尽力いたしますから」
「あ、え、えっと、ごめんなさい」
必死に訴えかけてきたので、思わず俺は謝ってしまう。まさかそこまで必死に言われるとは思わなくて、ちょっと不意を突かれてしまった。
(でも事実なんだよな……)
何かと制限かけられるのが嫌いな俺にとっては、何かに縛りつけられるのは好きではない。しかも俺にとって巫女になったことは、全くもって不本意であって、女性になった事自体が理解不能なので、気分的には全く良くない。
「巫女様が言いたい気持ちは分かります。しかしそれも全てこの世界の為なのですから、どうかそこは我慢してください」
「そう言われましても……」
世界がどうとか俺には全く関係ない。だから何を言われても、うんとは頷けない。
「納得できないですか?」
「正直な話、いきなり水の姫巫女になれとか世界の話とかされても、納得できないです」
「そこまで言うなら仕方がありません。ちょっと私についてきてください」
「え? あ、ちょっといきなりどこへ向かうんですか?」
突然セリーナは俺の手を取り、そのまま部屋を出る。いきなり何をするつもりなのだろうか?
「巫女様に見せておきたいものがあるんです」
■□■□■□
セリーナに連れられて部屋を出て五分。目的の場所へついたのか、彼女は突然足を止めた。
「いきなりどこへ連れて行くつもりなんですかセリーナさん」
「いきなり色々言われて、全てを把握できない気持ちは分かります。歴代の巫女達も同じような感じだったそうです。だからその仕える者として私達は、最初に必ずこれを見てもらうんです」
目の前の自動ドアが開いて、中に入る。中には大きなモニターが一つ。そのモニターに映っていたのはこの世界の全体を表しているであろう地図。
「これは世界地図ですか?」
「はい。しかしこれはただの世界地図ではありません」
「え?」
どう見ても普通の世界地図にか見えないのだが、これに何かあるのだろうか?
「やはり分かるわけがありませんよね。私も最初見せられた時は同じ反応でした。けど、これがこうなったらどうですか?」
近くにあった機械をいじりだすセリーナ。数秒後、モニターの画面は切り替わり、先ほどのただの世界地図は大きく変化した。
「え? これって……」
「気がつきましたか? これは今のこの世界の現状です」
(これが世界の現状……だと)
そこに映し出されていたのは全面真っ青な画面。中心には何やら怪しい文字列が並べられている。
(あれ? 世界地図消えてないかこれ)
「って、あれ?」
しかもこの画面がいきなり出てきたことによりセリーナは大慌て。どうやら彼女もこの画面が映し出されるのは、予想外だったらしい。
「えっと、先程の世界地図はどこへ行ったんでしょうか?」
「ど、どうしよう。き、機械が壊れてしまったみたいです」
どうやら機械が色々な意味で危険な状態に陥ってしまったらしい。この現象を俺も見たことがあるような……。
(ま、まさかこれは、ブルースクリーンか!)
まさか異世界であれと同じ現象を見ることになるなんて思ってもいなかった。
「ちょ、ちょっとだけ待ってください巫女様。今すぐ直しますから」
「そう簡単には直らないと思いますけど、それ」
どうやらセリーナが俺に見せたいものを見るのは、まだ当分先の話になりそうだ。
「あ、そうそう。巫女様にお伝えしておかなければならない事があったんです」
「伝えなければならないこと?」
さっきの説明にも色々不足している気がするのだが、それ以外に伝えておくことでもあるのだろうか?
「これからの巫女様の普段の生活についてです」
「私の日常生活についてですか?」
「巫女様はこの世界では、多大な存在であるゆえにある程度の行動に制限がかかります。四六時中この部屋での暮らしとまでは言いませんが、外出などにも制限がかかってしまいます」
「えっとそれはつまり、下手な行動を取ると何が起きるか分からないという事でしょうか?」
「はい。そうなります」
(なるほど、国で例えると姫的な立場ってことか)
今の説明でこの世界での巫女の立ち位置が大体分かった気がする。今セリーナが言っていたことが本当だとしたら、この世界で巫女は一種の神に近い存在。ちょっと寛大な表現かもしれないが、行動をそこまで制限するという事は、何か起きたらそれだけでも大事件扱いになるのかもしれない。だからこの部屋に閉じ込めて、安全を確実に確保する次第って事か。
(だからこんなにも設備が整っているんだな)
「でもさっきも言っていましたけど、巫女にはする事があるんですよね?」
「詳しくはまた明日説明しますが、水の姫巫女は必ずやらなければならない事があります。それも含めて色々な制限がかかってしまいます」
「何か制限ばかりかかっていると、嫌になりそうなんですけど」
「そんな事仰らないでください! 嫌にならないように極力私達も尽力いたしますから」
「あ、え、えっと、ごめんなさい」
必死に訴えかけてきたので、思わず俺は謝ってしまう。まさかそこまで必死に言われるとは思わなくて、ちょっと不意を突かれてしまった。
(でも事実なんだよな……)
何かと制限かけられるのが嫌いな俺にとっては、何かに縛りつけられるのは好きではない。しかも俺にとって巫女になったことは、全くもって不本意であって、女性になった事自体が理解不能なので、気分的には全く良くない。
「巫女様が言いたい気持ちは分かります。しかしそれも全てこの世界の為なのですから、どうかそこは我慢してください」
「そう言われましても……」
世界がどうとか俺には全く関係ない。だから何を言われても、うんとは頷けない。
「納得できないですか?」
「正直な話、いきなり水の姫巫女になれとか世界の話とかされても、納得できないです」
「そこまで言うなら仕方がありません。ちょっと私についてきてください」
「え? あ、ちょっといきなりどこへ向かうんですか?」
突然セリーナは俺の手を取り、そのまま部屋を出る。いきなり何をするつもりなのだろうか?
「巫女様に見せておきたいものがあるんです」
■□■□■□
セリーナに連れられて部屋を出て五分。目的の場所へついたのか、彼女は突然足を止めた。
「いきなりどこへ連れて行くつもりなんですかセリーナさん」
「いきなり色々言われて、全てを把握できない気持ちは分かります。歴代の巫女達も同じような感じだったそうです。だからその仕える者として私達は、最初に必ずこれを見てもらうんです」
目の前の自動ドアが開いて、中に入る。中には大きなモニターが一つ。そのモニターに映っていたのはこの世界の全体を表しているであろう地図。
「これは世界地図ですか?」
「はい。しかしこれはただの世界地図ではありません」
「え?」
どう見ても普通の世界地図にか見えないのだが、これに何かあるのだろうか?
「やはり分かるわけがありませんよね。私も最初見せられた時は同じ反応でした。けど、これがこうなったらどうですか?」
近くにあった機械をいじりだすセリーナ。数秒後、モニターの画面は切り替わり、先ほどのただの世界地図は大きく変化した。
「え? これって……」
「気がつきましたか? これは今のこの世界の現状です」
(これが世界の現状……だと)
そこに映し出されていたのは全面真っ青な画面。中心には何やら怪しい文字列が並べられている。
(あれ? 世界地図消えてないかこれ)
「って、あれ?」
しかもこの画面がいきなり出てきたことによりセリーナは大慌て。どうやら彼女もこの画面が映し出されるのは、予想外だったらしい。
「えっと、先程の世界地図はどこへ行ったんでしょうか?」
「ど、どうしよう。き、機械が壊れてしまったみたいです」
どうやら機械が色々な意味で危険な状態に陥ってしまったらしい。この現象を俺も見たことがあるような……。
(ま、まさかこれは、ブルースクリーンか!)
まさか異世界であれと同じ現象を見ることになるなんて思ってもいなかった。
「ちょ、ちょっとだけ待ってください巫女様。今すぐ直しますから」
「そう簡単には直らないと思いますけど、それ」
どうやらセリーナが俺に見せたいものを見るのは、まだ当分先の話になりそうだ。
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