異世界で始める人生改革 ~貴族編〜(公爵編→貴族編

ノベルバユーザー202613

第35話 隠れ家制圧

取り敢えず落ち着いて敵を観察する。

(スキルがあるのはさっきの鑑定持ち、他は20レベ〜30以下だな。
てか鑑定もってんなら 真っ当な仕事に就けるだろうに・・・
まあ事情はどうあれ盗賊団で人攫いだ。
なるったけ捕らえるつもりだけど、危なくなったら、殺しても構わんだろう。
一応鑑定を神眼で見ておくか)

スキルの本は家にあったのだがレア度4以下のスキルしか書いてなかった。
正直全然記憶に残っていない。
分厚いわりに中身がショボかったのだ。

    鑑定

視認した対象を選択して、そのステータスを見る事が出来る。
対象で見る事ができるのは
名前
レベル
性別
生まれた日付
種族
魔法才能
HP
MP
STR
VIT
AGI
レア度3以下のスキル
を見ることができる

と神眼でみた結果出た。
神眼よりもはるかにグレードは下がっている。
(それでもなかなかいいスキルじゃないか。
レア度3以下のスキルってとこが微妙だけどくれるなら是非とも欲しいスキルだ)

俺はいらないがと付け加える。

取り敢えず作戦としては俺が彼らに何も知らない風を装って聞いてビンゴだったら制圧、ハズレなら即効撤退で決まった。
危険だからと言われたが、だからと言って探偵の真似事が出来るほど俺は我慢強くない。
今までの行動から分かるようにせっかちなのだ。
全員のステータスを見て武器も確認した。
特にこれといった仕掛けもない。
待ってこれ以上増えられても困る。
逆に敵を尾行するという手もあるがそれは戦える人間のセリフだ。
ほぼ間違いなく今夜中に彼らはこの街を出る。

追跡で彼らのアジトを見つけたとする。
助けを呼びに行く。
呼びに行ったとしてそれまで彼らが止まっている保証はない。
二手に分かれるのはダメだ。
神眼で常に敵の位置を見る必要があるから俺が残らなくてはならない。
俺の能力は透明化ではない。
あくまで見えるだけだ。
なら大丈夫?
パックンチョのゲームをご存知だろうか?
簡単に説明するとステージ内にある全ての玉を食べればクリアだ。
1画面でやるので敵は丸見えなのだ。
だがあれはなかなか難しい。
何が言いたいのかと言うと見えていれば無敵というわけではないというわけだ。
敵に挟まれたら詰む。
俺の知る限り通信系の魔法はない。
そんな危険な道は通れない。
あくまで好奇心と家の利益の為にやっているのだから。

という訳で、持ってきたマントを付けフードを目深に被り、隠れ家の前に行き、ドアをノックする。
フードは鑑定対策だ。
顔が見えないと鑑定できないという裏技があるとお父様に聞いた事がある。

すると中にいた全員が警戒しだした。

全員が武器を持つのが神眼で見える。

そして動かない。

居留守を使うつもりらしい。
そうは問屋が卸させない。

「あの!こちらにいるワルオ・バリアントさんに用事があり参った者ですが!!」

と大声で聞く。

中にいた全員がビクッとして下っ端がドアを開ける。
聞こえた声が予想以上に若かったからだろう。
隙間のような場所から俺の姿を確認し問題なしの合図を送りドアを開ける。

「あ、こんにちわ!バリアントさんにお仲間さんから伝えて欲しいのいう連絡を貰いお邪魔させてもらったのですが、バリアントさんですか?」

「あ?誰だてめー、連絡ぅ!?そんな話聞いてねーぞ!!」

「いえ、王女の件で最終確認がしたいと」

と聞いてビクッとしてなんてこいつ知ってんだって顔になった。
(ビンゴ)

「おいガキ!ちょっとこっちきてもらおか!!そっちのガキもだ!」

と刃物をちらつかせ始めた。

「あっこちらの女の子達は奴隷で酷い仕打ちを受けていたので、回収したとの事です。
戦闘には使えませんが魔法才能があるのでカバーをさせろ、と」

と言うと男達の目に同情が見えた。

「ヘー、まあ取り敢えず中入れよ」

「はい、では失礼します」

とあっさり中に入れた。
(チョロ過ぎじゃないか?)

すると上の階にいた男達も降りてきた。

(不用心すぎるだろ、まあ5歳と8歳と10歳だからな、鑑定持ちは女の子2人のステータスを見た様だし、俺は身長と声から予想できるだろうし気持ちはわかる)

鑑定ではパフ後のステータスは見えないのだ。あくまで元のステータスだけが見える。

「「あ、あの、が、頑張ります!!」」

と少しオドオドしながら返事をする。
と男達がうんうんと頷きだした。

「ええっとでは伝言をお伝えしますね」

「おう!!なんだ!?」

「あ、いえ、王女が閉じ込められているところが変更になったからそれに生じて集合場所も移動になったからええっと、あれ、今王女が閉じ込められているのどこでしたっけ?」

「あ?確かサルス地区の四番倉庫だろ?」

はいバカ確定〜。

「そうそう、そこから牢屋で集合する事になりましたよ」

と言った瞬間、俺とスクナとアイナが動く。
俺は先頭のやつに、俊足を一瞬だけ使った全力の一撃を腹に入れる。

「あっ?!ろうグフッ!!」

と言って昏倒する。

「な!?こいつら何もんだ!!??」

すぐさま3人に風レベル5支援魔法鈍足を使う。

「なっ!?、グハッ」

とスクナが一撃で敵を昏倒させる。
するとすぐに剣と剣がぶつかる音がする。
鑑定持ちの1番レベルが高いやつにぶつかったアイナの方は防がれた様だ。

「なんだこいつら!!強えなんてレベルじゃねーぞ!!それにこれはデパフか!?クソッ!体が思う様に動かねー!!」

と焦っている。

もう片方はスクナが突っ込んでいき、タイミングを合わせて振られたカトラスの様な剣を掻い潜り腹にレイピアを差し込んでいる。

「グフッ!オラー!!」

といい剣を振り回しスクナを遠ざけた。
俺はというと

(お、お、ち、血が出てるぜ。あれヤバいかな。死んでも構わないけど出来るなら牢屋に送りたい)

と後ろから観戦して感想を述べているだけだった。
混ざろうか聞いたら心配で集中できなくなるからやめて欲しいと突入前に言われた。

こちらはこちらで心臓に悪い。剣速は遅いしまあ当たらんだろ、とは思っているのだがギリギリで避けるのでその度に
「お、おお、セーフ」
と繰り返すのだ。
情けない話である。

とうとうスクナが3人目を倒した。

逃げられるフラグである、諦めて下さい宣告などしない。
取り敢えず気絶させる。
鑑定持ちはレベルがレベルだけに流石に強い。ボロボロになりながらも2人の攻撃を凌いでいる。

「おい!!せめて降伏するか聞いたらどうだ!?」

と彼の方から言ってきた。

「するのですか?」

「・・・」

「スクナ、アイナ続けてください」

「ま、まて!わかったほら」

と剣を地面に捨て両手を上げる。

「ありがとうございます。
では、早速質問なのですが貴方達の構成人数を教えて下さい」

「・・・12」

(はい嘘。
あり得ないだろう。王女誘拐する人数が12って
いや知らんけどさ)
詳しいわけがなかった。

「えい」

「グアー・・・」

と言って持ってきたナイフで足をズブリとさす。
えいなんて言っているが今無茶苦茶気持ちが悪い。気分最悪だ。吐きそう。
スクナ達にやらせないのはいずれ必ず必要になるだろうからその実践だ。

「おい!待てこのがぎゃあーー!!」

もう一回無言で刺す。

「こんな事して!グアァァーー!!!」

取り敢えずもう一回刺す。

「わ、わかった正直に言う!正直に言うからやめろ!!」

「それで何人ですか?」

「全部で38人だ!!」

(まあそれ位が妥当だろう。
分からんが)

取り敢えずそれくらいだと仮定する。

その後も何時街を出るのかとかさっき言ってた場所は正しいのかとか全員、特に親玉のレベルとか何時合流予定なのかとか色々聞いた。
最後にもう一回刺して嘘だったら嘘の回数の倍刺しますと脅したあと、気絶させて他のメンバーを起こし情報のすり合わせをする。
それはスクナに任せた。
彼が話した事と違っていたら首を飛ばすと言ったらペラペラ喋った。
その間に、俺は裏口から出て深呼吸をしたあと、持ってきていた水を大量に飲む。
胃の中身が逆流して来たので空気で抑え水で押し戻したのだ。

(・・・気持ち悪い、手がプルプル震えてるし、足もガタガタだ。
危うく吐くところだった。多分顔色も最悪だろう)

前世で拷問のアニメやゲームは普通に見た事がある。その時はうわー程度にしか思わなかった。
だがやはりリアル拷問とゲームの拷問は違うと思い知った。

ノウハウがないからやり過ぎたかもしれない。

しばらく深呼吸をしていたらスクナとアイナがやって来た。
「間違いないようです。確認しました」

「そ、そうですか・・・」

「だ、大丈夫ですか!?顔色が悪いようですが?」

「いえ、しばらくすれば治りますよ。
初めてだったので身体が驚いただけです」

「そうですか、では彼等はどうなさいますか?」

「衛兵に渡しましょう
その後は衛兵を連れて倉庫を襲撃しておしまいです」

「「ハッ」」

衛兵を連れるのは俺かお父様でなくてはならない。
後で知ったでは気持ちが薄れる可能性がある。
オリオン家当主が先陣を切ったというのが1番恩を押し付けやすい。
気付いてくれるだろうと言う第三者任せは自己満足で終わる可能性がある。
それではダメなのだ。
得るものは多かったとはいえ本来の目標が達成できなければ本末転倒だ。

だからスクナに衛兵とお父様を呼びに行ってもらった。


コメント

  • ノベルバユーザー89126

    パフ・デパフってなんすかバフ・デバフなら理解できるけど...

    1
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