超迷宮奇譚伝 『このアイテムは装備できません!』
乱入者は3度現れる
ゴーレムの亡骸からドロップアイテムを探すのため、一時的に進行を停止。
ここまでデカい体だと、貴重なアイテムを見落とさずに探し出すのも一苦労となる。
その作業が済むと、そのまま休憩時間となった。
お目当ての素材アイテムも、いくつか見つかったらしく、パーティ全体に活気が出ていた。
そんな中、僕は、このパーティの代表であるフミさんを探す。
休憩時間内であるはずだが、フミさんは忙しいそうに指示を出していた。
その光景を前に声をかけるのも躊躇しそうになった。
「フミさん」と僕は彼女を呼んだ。
それでも声をかけたのは、単純に優先度の問題。
彼女は嫌そうな素振りも見せずに駆け寄ってきた。
「やぁ、どうしたんだい?」
「少し、気になることがありまして……」
「気になること?」
僕は、このダンジョンに入ってからの違和感について訴えた。
例えば、1層のスライムが毒を持っていて、その情報を僕らのパーティでは共有していなかったこと。
まだ3層にも関わらず、ゴーレムなんて巨大な魔物が現れたこと。
なにより、今の今まで他の探索者に出会っていないこと。
「つまり、君はこのダンジョンに私たちを貶めるための罠が用意されているって事かい?そりゃ、いくら月屋でも……そこまでしないと思うけどね」
そうは言ったが、フミさん自身に思い当たるふしがあるのか、少し考えこんでいる。
「確かに、荒唐無稽な話ってやつなのかもしれませんが……もしかしたら、月屋さんに関わらず、何かが……」
僕は最後までいえなかった。なぜなら――――
「おやおや、それは言いがかりですよ。そんな、回りくどい方法なんて不要でしょ」
そう言いながら現れたのは初老の男。
たしか、『花屋』と『月屋』が町中で言い争っていた時、月屋のテツの後ろにいた男だ。
「あんた、月屋の番頭の―――」
「えぇ、ザンザと言います」
そう深々とお辞儀した直後。彼の後ろからゾロゾロと現れたのは月屋に雇われた探索者たち?
それに気づいたパーティの仲間たち―――花屋の面々がざわつき始める。
「おい!月屋!お前ら、なんのつもりだ!」
  ついには怒声を出す者もあらわれた。
 「はて?なんのつもり?ですか?フフッ……」
月屋の番頭、ザンザの笑い声は、血の気の多い鍛冶職人たちを怒らせるのに十分だった。
「惚けるんじゃねぇ!」
「惚けてるわけではありませんよ。ただ、ダンジョンで武装した探索者に囲まれている事実が見えてないのは可哀想でね」
 
『花屋』の面々は「まさか」と声に出した。
いくら、なんでも……分家が本家の人間を、本気で殺すつもりだとは思ってもみなかったのだろう。
そんな中、代表であるフミさんは―――
「テツは?テツはこのことを知っているのか!」
「若は知りませんよ。私の独断であって、彼は何も知りません」
そのザンザの言葉に、フミさんは安堵の表情を浮かべた。
こんな状況でも、それが彼女にとって、安堵を浮かべれるほどの情報だっただろう。
「若は、何も知りません。何も知らぬまま……死んでもらいます!」
「あんた!テツを!自分の主人する殺すつもりかい!」
「はっはっ、自分が死ぬのに、想い人が殺される方が心配ですかね?」
「なっ!」
「気づかれていないとでも?私はね……あんた等の甘酸っぱい恋物語で辛酸を舐めさせられるのはコリゴリなんですよ!」
次の瞬間、まるで事前にスタンバイしていて、登場をまっていたかのようなタイミングで乱入者が飛び出してきた。
「ザンザ!フミちゃんを……いや、フミに何しやがる!」
そういったのは、やはり、予想通りに―――
テツだった。
この際、どうやって優男が1人でダンジョンの3層まで来たのかは保留するものとする。
「テツ!」
「フミ、お前は俺が守る!」
2人の世界ができたところで、ザンザが僕に視線を送ってくる。
その視線は、まるで……
「ね?めんどくさいでしょ?」
と問いかけてくるみたいだった。
なるほど、そういう茶番なのか。僕はそう思った。
しかし、予想外の事が起こった。
地面が揺れたのだ。 地震?ダンジョンで?
ダンジョンで起きる地震がただの地震であるはずもなく、それは現れた。
ここまでデカい体だと、貴重なアイテムを見落とさずに探し出すのも一苦労となる。
その作業が済むと、そのまま休憩時間となった。
お目当ての素材アイテムも、いくつか見つかったらしく、パーティ全体に活気が出ていた。
そんな中、僕は、このパーティの代表であるフミさんを探す。
休憩時間内であるはずだが、フミさんは忙しいそうに指示を出していた。
その光景を前に声をかけるのも躊躇しそうになった。
「フミさん」と僕は彼女を呼んだ。
それでも声をかけたのは、単純に優先度の問題。
彼女は嫌そうな素振りも見せずに駆け寄ってきた。
「やぁ、どうしたんだい?」
「少し、気になることがありまして……」
「気になること?」
僕は、このダンジョンに入ってからの違和感について訴えた。
例えば、1層のスライムが毒を持っていて、その情報を僕らのパーティでは共有していなかったこと。
まだ3層にも関わらず、ゴーレムなんて巨大な魔物が現れたこと。
なにより、今の今まで他の探索者に出会っていないこと。
「つまり、君はこのダンジョンに私たちを貶めるための罠が用意されているって事かい?そりゃ、いくら月屋でも……そこまでしないと思うけどね」
そうは言ったが、フミさん自身に思い当たるふしがあるのか、少し考えこんでいる。
「確かに、荒唐無稽な話ってやつなのかもしれませんが……もしかしたら、月屋さんに関わらず、何かが……」
僕は最後までいえなかった。なぜなら――――
「おやおや、それは言いがかりですよ。そんな、回りくどい方法なんて不要でしょ」
そう言いながら現れたのは初老の男。
たしか、『花屋』と『月屋』が町中で言い争っていた時、月屋のテツの後ろにいた男だ。
「あんた、月屋の番頭の―――」
「えぇ、ザンザと言います」
そう深々とお辞儀した直後。彼の後ろからゾロゾロと現れたのは月屋に雇われた探索者たち?
それに気づいたパーティの仲間たち―――花屋の面々がざわつき始める。
「おい!月屋!お前ら、なんのつもりだ!」
  ついには怒声を出す者もあらわれた。
 「はて?なんのつもり?ですか?フフッ……」
月屋の番頭、ザンザの笑い声は、血の気の多い鍛冶職人たちを怒らせるのに十分だった。
「惚けるんじゃねぇ!」
「惚けてるわけではありませんよ。ただ、ダンジョンで武装した探索者に囲まれている事実が見えてないのは可哀想でね」
 
『花屋』の面々は「まさか」と声に出した。
いくら、なんでも……分家が本家の人間を、本気で殺すつもりだとは思ってもみなかったのだろう。
そんな中、代表であるフミさんは―――
「テツは?テツはこのことを知っているのか!」
「若は知りませんよ。私の独断であって、彼は何も知りません」
そのザンザの言葉に、フミさんは安堵の表情を浮かべた。
こんな状況でも、それが彼女にとって、安堵を浮かべれるほどの情報だっただろう。
「若は、何も知りません。何も知らぬまま……死んでもらいます!」
「あんた!テツを!自分の主人する殺すつもりかい!」
「はっはっ、自分が死ぬのに、想い人が殺される方が心配ですかね?」
「なっ!」
「気づかれていないとでも?私はね……あんた等の甘酸っぱい恋物語で辛酸を舐めさせられるのはコリゴリなんですよ!」
次の瞬間、まるで事前にスタンバイしていて、登場をまっていたかのようなタイミングで乱入者が飛び出してきた。
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そういったのは、やはり、予想通りに―――
テツだった。
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「ね?めんどくさいでしょ?」
と問いかけてくるみたいだった。
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