超迷宮奇譚伝 『このアイテムは装備できません!』
隣国 コウガ
バサバサとドラゴンの羽の音。
不思議だ。鳥のように羽ばたいている。
そのはずなのに、その速度領域は魔力を利用した人工飛行物すら比較にならない。
なにか、特別な仕掛けでもあるのか? ドラゴンの周囲からは特別な魔力は感知できないけど……
「あれ?そう言えばクリムは……」
いつの間にか、背中から伝わる感触が消えていた。
夜も更けている。たぶん、横になって……
「ぎゃああああああああああああああああああああああッッッ!?」
振り返るとクリムは横になって、そのままドラゴンの背中を転がっていた。
「ちょ、どうしたんですか?サクラさん?叫び声なんてあげて?」
「ドラゴン!クリムが落ちる!落ちる!捕まえて!」
「えっ……ぎゃああああああああああああああああああッッッ!落ちてる!すでに落下してる!」
ドラゴンも僕と同じく悲鳴をあげた後、「キャッチします!サクラさんは振り落とされないようにしっかりと掴まってください」とすぐさま冷静さを取り戻した。
一方で僕は突然の急降下に意識を持っていかれそうになった。
「もう、二人とも心配しすぎだよ。私は頑丈だから、このくらいの高さから落ちても平気、平気!」
夢から覚めたクリムから、逆に説教を受ける羽目になった。
本当にどうしてだろう?
「い、いや、落下の衝撃が平気でも、下が溶岩だったり海だったら、簡単に取りに行けないわけで……」
「もーお父さんは、私のことをなんだと思ってるの?すぐに、そうやって物扱いして!」
「……」
そこは突っ込むべき所なのか?
というか、魔剣として限界が近づいているって話はどこに消えたんだ?
僕の疑問に気付いたのか?クリムは――――
「限界突破!」
と大きな声でピースサインを見せた。
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
シュットの隣国 コウガ
ベーシカル大陸で最も面積が狭い国。面積が少ないという事はダンジョンの数も少ないという事だ。
ダンジョンの数が世界でもワースト5に入るほどで、資源のほとんどを諸外国からの輸入で補っている。
しかし、貧しい国というわけではない。
資源の乏しい国で他国と渡り合うために、技術発展に全てを注いだ国なのだ。
魔法の研究機関や魔物の研究機関が数多くあり、そこで培われた技術は様々な分野に還元されている。
要するに作られているアイテムの質がとんでもなく高い国。
そう考えてくれれば間違いはない。
そして―――
「これは……すごいですね」とドラゴン。僕は黙ってうなずいた。
もう時間帯は深夜を超え、1時間もすれば日が昇るような時間になっている。
それにも関わらず、町には多くの灯りが爛々と揺れている。
はるか上空にいるにも関わらず、その熱気が伝わってくる。
このまま、町中に降りるわけにもいかず、少し町から離れた森へ着地した。
「さて、これからどうします?サクラさん?」
「そうだね。まずは装備かな」
僕は空になっている鞘を見た。新しく短剣を探そう。
アリスから送られた高額だったアノ短剣と同レベルのものは購入できないだろうけど、それでも……
「お父さん!無理に買わなくても私は短剣以外にも変身できるよ!」
「えへん!えへん!」と胸をはるクリム。
いや、それもそれで……
「まぁいいか」と僕はクリムの頭は優しく撫でた。
「サクラさんは子供に甘い」とドラゴンがジトーとした目を向けてきた。
それはそれでも、いろいろと装備を見直さないといけないのは事実だ。
不思議だ。鳥のように羽ばたいている。
そのはずなのに、その速度領域は魔力を利用した人工飛行物すら比較にならない。
なにか、特別な仕掛けでもあるのか? ドラゴンの周囲からは特別な魔力は感知できないけど……
「あれ?そう言えばクリムは……」
いつの間にか、背中から伝わる感触が消えていた。
夜も更けている。たぶん、横になって……
「ぎゃああああああああああああああああああああああッッッ!?」
振り返るとクリムは横になって、そのままドラゴンの背中を転がっていた。
「ちょ、どうしたんですか?サクラさん?叫び声なんてあげて?」
「ドラゴン!クリムが落ちる!落ちる!捕まえて!」
「えっ……ぎゃああああああああああああああああああッッッ!落ちてる!すでに落下してる!」
ドラゴンも僕と同じく悲鳴をあげた後、「キャッチします!サクラさんは振り落とされないようにしっかりと掴まってください」とすぐさま冷静さを取り戻した。
一方で僕は突然の急降下に意識を持っていかれそうになった。
「もう、二人とも心配しすぎだよ。私は頑丈だから、このくらいの高さから落ちても平気、平気!」
夢から覚めたクリムから、逆に説教を受ける羽目になった。
本当にどうしてだろう?
「い、いや、落下の衝撃が平気でも、下が溶岩だったり海だったら、簡単に取りに行けないわけで……」
「もーお父さんは、私のことをなんだと思ってるの?すぐに、そうやって物扱いして!」
「……」
そこは突っ込むべき所なのか?
というか、魔剣として限界が近づいているって話はどこに消えたんだ?
僕の疑問に気付いたのか?クリムは――――
「限界突破!」
と大きな声でピースサインを見せた。
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
シュットの隣国 コウガ
ベーシカル大陸で最も面積が狭い国。面積が少ないという事はダンジョンの数も少ないという事だ。
ダンジョンの数が世界でもワースト5に入るほどで、資源のほとんどを諸外国からの輸入で補っている。
しかし、貧しい国というわけではない。
資源の乏しい国で他国と渡り合うために、技術発展に全てを注いだ国なのだ。
魔法の研究機関や魔物の研究機関が数多くあり、そこで培われた技術は様々な分野に還元されている。
要するに作られているアイテムの質がとんでもなく高い国。
そう考えてくれれば間違いはない。
そして―――
「これは……すごいですね」とドラゴン。僕は黙ってうなずいた。
もう時間帯は深夜を超え、1時間もすれば日が昇るような時間になっている。
それにも関わらず、町には多くの灯りが爛々と揺れている。
はるか上空にいるにも関わらず、その熱気が伝わってくる。
このまま、町中に降りるわけにもいかず、少し町から離れた森へ着地した。
「さて、これからどうします?サクラさん?」
「そうだね。まずは装備かな」
僕は空になっている鞘を見た。新しく短剣を探そう。
アリスから送られた高額だったアノ短剣と同レベルのものは購入できないだろうけど、それでも……
「お父さん!無理に買わなくても私は短剣以外にも変身できるよ!」
「えへん!えへん!」と胸をはるクリム。
いや、それもそれで……
「まぁいいか」と僕はクリムの頭は優しく撫でた。
「サクラさんは子供に甘い」とドラゴンがジトーとした目を向けてきた。
それはそれでも、いろいろと装備を見直さないといけないのは事実だ。
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