超迷宮奇譚伝 『このアイテムは装備できません!』
少女には殺意がよく似合う その4
数秒間に及ぶ絶叫を上げていたアリスは、決心したのか? 悲鳴を止めて、恐ろ恐ろと背後を振り向く。
自分の腕を掴んでいる存在を確認して、さらに驚きの表情をみせた。
その人物は―――
「どうして、お父さんをいじめるのかな?かな?」
魔剣 ロウ・クリムだった。
むしろ、彼女にしかアリスの魔法を封じる事はできないはずだ。
魔法と言うのは、内側から発生させる魔力を根元をしている。
しかし、アリスの場合は魔剣から注入した魔力を利用して強化していた。
だからこそ、アリスを強化させている源、魔剣そのものであるクリムだからこそ、アリスの魔力を外部からコントロールできたのだ。
「魔剣、ロウ・クリム? でも、だからと言って、なぜここへ? こんなにも都合よく?」
狼狽するアリスに対してクリムは―――
「? 最初からいたよ?」
アリスは絶句した。
どこにいたのか? さらに混乱したアリスだったが、やがて閃いたかのような顔をみせた。
「あぁ、最初から……本当は……もう、私が送った短剣を持ちすらしてくれていなかったのですね」
彼女の視線は、俺の短剣――――アリスとの攻防で弾き飛ばされたはずの場所へ。
そこには、何もなかった。
「……まさか、自分の短剣に変装させていたとは、誰も考えもしませんね」
そう、俺は――――僕が、このシュット城へ出頭する前。
クリムは、心配そうについていくと主張した。
できるわけがないと言う僕にクリムは、変身して見せたのだ。
僕の短剣、瓜二つに
「そんな機能があったのか!」と驚く僕にクリムは、「これで見つからないよ」と屈託のない笑顔を浮かべていた。
もしも―――
「もしも、君が魔剣なんて使わず、真っ向勝負を仕掛けてきたら、もっと良い戦いになってかもしれない」
アリスは「……御冗談を」と軽い笑みを浮かべるだけだった。
でも、僕は本気だった。
実力差と言うのならともかく、技術差と言うならば、僕とアリスに大きな開きはないはずだ。
なんせ、学園で全く同じカリキュラムを受けているんだ。
得意不得意はあれど、僕ができる事はアリスにもできる。
違いがあるとしたら、カリキュラムを受けた年数にすぎない。
しかし、だからと言っても―――
戦いをやり直すわけにもいかない。
つけなければいけない。……決着を
間接的とは言え、彼女は人を殺めたのだ。
さらに言えば、僕のため、僕1人のために魔物を操り、シュット学園を消滅手前まで追い込んだ。
彼女とて、無傷で許されるとは思っていないだろう。
ではどうする? だからと言って、僕に彼女を殺す権利なんてない。
そもそも、人を殺す権利ってなんだい?
だから、彼女の罪に僕だけができる罰を与えたい。
「できることなら、僕だけを恨んでほしい。君が死ぬまで自身を罪を忘れないように」
俯いていた彼女は顔を上げる。
この期に及んで、まだ期待を求める眼差しを僕に向ける。
だから、僕は彼女の期待に応えよう。
彼女の頬を軽く撫でる。
可能な限り優しく、彼女のアゴを摘まみ――――
口づけをした。
やがて、どちらともなく口を放した後――――
「これで、お別れだ。 これから僕の事だけを一生考えて……それから、死ね」
そう言い放つと、アリスは目を見開いた。
このタイミング。
僕は掴んでいたアリスのアゴを揺さぶり、脳震盪を起こして失神させた。
自分の腕を掴んでいる存在を確認して、さらに驚きの表情をみせた。
その人物は―――
「どうして、お父さんをいじめるのかな?かな?」
魔剣 ロウ・クリムだった。
むしろ、彼女にしかアリスの魔法を封じる事はできないはずだ。
魔法と言うのは、内側から発生させる魔力を根元をしている。
しかし、アリスの場合は魔剣から注入した魔力を利用して強化していた。
だからこそ、アリスを強化させている源、魔剣そのものであるクリムだからこそ、アリスの魔力を外部からコントロールできたのだ。
「魔剣、ロウ・クリム? でも、だからと言って、なぜここへ? こんなにも都合よく?」
狼狽するアリスに対してクリムは―――
「? 最初からいたよ?」
アリスは絶句した。
どこにいたのか? さらに混乱したアリスだったが、やがて閃いたかのような顔をみせた。
「あぁ、最初から……本当は……もう、私が送った短剣を持ちすらしてくれていなかったのですね」
彼女の視線は、俺の短剣――――アリスとの攻防で弾き飛ばされたはずの場所へ。
そこには、何もなかった。
「……まさか、自分の短剣に変装させていたとは、誰も考えもしませんね」
そう、俺は――――僕が、このシュット城へ出頭する前。
クリムは、心配そうについていくと主張した。
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僕の短剣、瓜二つに
「そんな機能があったのか!」と驚く僕にクリムは、「これで見つからないよ」と屈託のない笑顔を浮かべていた。
もしも―――
「もしも、君が魔剣なんて使わず、真っ向勝負を仕掛けてきたら、もっと良い戦いになってかもしれない」
アリスは「……御冗談を」と軽い笑みを浮かべるだけだった。
でも、僕は本気だった。
実力差と言うのならともかく、技術差と言うならば、僕とアリスに大きな開きはないはずだ。
なんせ、学園で全く同じカリキュラムを受けているんだ。
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違いがあるとしたら、カリキュラムを受けた年数にすぎない。
しかし、だからと言っても―――
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さらに言えば、僕のため、僕1人のために魔物を操り、シュット学園を消滅手前まで追い込んだ。
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ではどうする? だからと言って、僕に彼女を殺す権利なんてない。
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