桃太郎になっちゃた?

青キング

突然の爆発

 パーティーの真っ最中だった。
 突然、街の方から強烈な爆発音がしてくる。
 そして俺と犬川、猿吉、キジミエルさんは家を出て街を注視する。
 爆心地だと思しき場所から、もうもうと黒い煙が立ち上っている。
 そんなこんなで俺達は今、その煙が立ち上っていた場所にいるわけだ。
 「街の住人を安全な場所へ!」
 日本で言う消防士だろうか? 白くて丈夫そうな服を着用した男性達は住宅の鎮火のためにバケツを両手に抱えて、集まっている。
 「まずは水の確保を」
 リーダーらしき男性が同じ服を着用したものたちに大声で告げている。
 「何があったんですかねぇ?」
 突然、キジミエルさんが俺に耳打ちしてくる。俺はすこぶる動揺してしまった。
 「爆撃だと思うけど? それにしても小規模過ぎる」
 「バクゲキ? 何ですかそれ」
 キジミエルさんは首を傾げて質問してくる。
 「知らない方がいいよ」
 俺はその一言で終わらせた。
 「君達! 危ないから安全な場所へ行きなさい!」
 白い服の男性が俺たちを誘導しようと近寄る。
 そしてまたさっきと同じ爆発音が!今回は爆風も身に感じて、俺は恐怖を覚えた。
 「鎮火が間に合わない!」
 白い服の男性達も弱音を吐き始める。
 俺の後ろから小声で誰かが唱えはじめた。
 振り返るとキジミエルさんが両手で水晶を持って唱えていたのだ。
 そんな中、炎がどんどん燃え移り住民は混乱を隠すことができない。
 「鎮火は不可能だ。早く住民を避難させろ!」
 プロにも焦りが現れてきている。
 「キジミエル、志乃! 私達も避難するわよ!」
 俺は犬川に従い、避難を決意する。しかし、キジミエルさんはそこから離れようとしない。
 「何やってるのよあんた!」
 こちらを見向きもせず唱え続ける。
 体が反応していた。キジミエルさんの手を握って無理矢理こちらへひぎずっていく。
 「街が私の・・・・・・・大好きな街が」
 そして俺達は避難途中にキジミエルさんの母を見つけて合流。
 街の住人は皆、避難できたようだ。
 そのあと住民全員と白い服の男性達で隣街を目指して夜の森を歩き続けた。
 その間も住民は悲しみのあまり泣き続けていた。
 街はきっと焼け野原と化しているだろう。想像するだけで痛々しい。
 白い服の男性達の説明のもと集団で夜を過ごすこととなった。
 住民の感情が落ち着いてから再出発するそうだ。
 そして俺達はこの閑散とした森で一夜を過ごすこととなった。

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