桃太郎になっちゃた?
鬼ヶ島に到着?
 俺達は今、舟乗り場に来ている。
 「今回は偵察程度で構わないでしょう」
 キジミエルさんの妥当な判断に俺は頷く。
 「襲われたらどうするのよ?」
 確かに犬川の言い分も判る。
 「大丈夫ですよ。鬼ヶ島はこの街の人間なら立ち入るっても襲いませんから」
 テキパキと出航の準備を進めるキジミエルさんはどこか余裕に満ちていた。
 「おい志乃」
 隣から尋ねてきたのは無論、猿吉だ。
 「なんだ猿吉?」
 「こんな木製でちっさな舟で心配ないのか?他に軍艦とかあるだろうに」
 そんな物騒なもので行くわけねぇだろ。
 「あぁ艦隊なら他の港からいつでも行軍できるようにマキエリ様に申請しておきました」
 おっかない権力だなー。
 「準備完了しました。早く乗ってください」
 俺を含め犬川、猿吉は舟に乗り込む。ギィーと重みで舟がきしる。
 キジミエルさんも乗り込み出発! ・・・・・・あれ進まないぞ?
 「ごめんなさい固定したままです。はわわはわわ」
 顔を赤くし固定していて縄を取り外しキジミエルさんは乗り込む。照れるキジミエルさん可愛い。
 舟は前進。鬼族の退治と更正の始まりだ。
 海をたゆたうこと一時間。
 一つの島を発見。あれがおそらく鬼ヶ島だろう。
 「キジミエルさんあれが鬼ヶ島なのだろう?」
 猿吉が俺の考えを代弁して尋ねる。
 「スースー」
 寝てる!
 猿吉が寝てないのに寝てる!
 寝息がいちいち大人しい。
 「何寝てんのよ!」
 犬川がキジミエルさんの体を揺らす。
 「寝てなどいません仮眠していただけです!」
 同じだよ!
 「そんなのはどうでもいいの。あれが鬼ヶ島かどうか聞きたいの」
 激しい口調で尋ねる犬川。キジミエルさんにも少し苛立ちが出てきている。
 「そうですよ鬼ヶ島ですよ」
 冷静を装うキジミエルさん。俺の目を誤魔化すことはできない。
 拳を握りしめ憤りを抑え込むキジミエルさん。
 「近づいてきましたね」
 舟は島の沿岸に到着。キジミエルさんは俺達が出たのを見計らい舟の縄を突き出ている岩に固定する。
 「ここが鬼ヶ島かー」
 猿吉は辺りを見渡し呟く。
 辺りを見た限りは特にこれといった建物がなく。岩だらけの島だ。
 「何?」
 俺達は突然、黒のフードで顔を覆った集団に囲まれてしまった。目的がばれたのか!
 囲んだ集団は妙に動き出す。
 俺たちの端を陣取り直線に並んでいく。
 そして俺たちの目の前には一本の道ができていた。
 中央にいた一人が赤い筒を俺達の足元に置くとそれを転がし始めた。
 なんと赤い筒はレッドカーペットだったのだ。
 「どうぞお越しくださいました」
 奥から同様の装いをした人物が。
 そして一斉にフードをめくり顔を露にする。
 十人十色のイケメンたち。その頭には二本の角が生えている。きっとこれが鬼族なのだろう。
 爽やかな笑顔にめいめい違い色の天然パーマ。どこかのホストクラブか!
 「三人のお姫様のご来店です」
 えっ・・・・・・三人?
 鬼たちは俺を鋭い視線で睨み付けてくる。
 背後から腕を掴まれて引っ張られる。
 そして来店に使った舟に投げ捨てられ、舟ごと海に押し出されてしまった。
 俺は必死でオールを漕いだが向かい風にあおられいっこうに前進するどころか戻されてしまう。
 「なんでだよー!」
 俺は大声で嘆いた。
 「今回は偵察程度で構わないでしょう」
 キジミエルさんの妥当な判断に俺は頷く。
 「襲われたらどうするのよ?」
 確かに犬川の言い分も判る。
 「大丈夫ですよ。鬼ヶ島はこの街の人間なら立ち入るっても襲いませんから」
 テキパキと出航の準備を進めるキジミエルさんはどこか余裕に満ちていた。
 「おい志乃」
 隣から尋ねてきたのは無論、猿吉だ。
 「なんだ猿吉?」
 「こんな木製でちっさな舟で心配ないのか?他に軍艦とかあるだろうに」
 そんな物騒なもので行くわけねぇだろ。
 「あぁ艦隊なら他の港からいつでも行軍できるようにマキエリ様に申請しておきました」
 おっかない権力だなー。
 「準備完了しました。早く乗ってください」
 俺を含め犬川、猿吉は舟に乗り込む。ギィーと重みで舟がきしる。
 キジミエルさんも乗り込み出発! ・・・・・・あれ進まないぞ?
 「ごめんなさい固定したままです。はわわはわわ」
 顔を赤くし固定していて縄を取り外しキジミエルさんは乗り込む。照れるキジミエルさん可愛い。
 舟は前進。鬼族の退治と更正の始まりだ。
 海をたゆたうこと一時間。
 一つの島を発見。あれがおそらく鬼ヶ島だろう。
 「キジミエルさんあれが鬼ヶ島なのだろう?」
 猿吉が俺の考えを代弁して尋ねる。
 「スースー」
 寝てる!
 猿吉が寝てないのに寝てる!
 寝息がいちいち大人しい。
 「何寝てんのよ!」
 犬川がキジミエルさんの体を揺らす。
 「寝てなどいません仮眠していただけです!」
 同じだよ!
 「そんなのはどうでもいいの。あれが鬼ヶ島かどうか聞きたいの」
 激しい口調で尋ねる犬川。キジミエルさんにも少し苛立ちが出てきている。
 「そうですよ鬼ヶ島ですよ」
 冷静を装うキジミエルさん。俺の目を誤魔化すことはできない。
 拳を握りしめ憤りを抑え込むキジミエルさん。
 「近づいてきましたね」
 舟は島の沿岸に到着。キジミエルさんは俺達が出たのを見計らい舟の縄を突き出ている岩に固定する。
 「ここが鬼ヶ島かー」
 猿吉は辺りを見渡し呟く。
 辺りを見た限りは特にこれといった建物がなく。岩だらけの島だ。
 「何?」
 俺達は突然、黒のフードで顔を覆った集団に囲まれてしまった。目的がばれたのか!
 囲んだ集団は妙に動き出す。
 俺たちの端を陣取り直線に並んでいく。
 そして俺たちの目の前には一本の道ができていた。
 中央にいた一人が赤い筒を俺達の足元に置くとそれを転がし始めた。
 なんと赤い筒はレッドカーペットだったのだ。
 「どうぞお越しくださいました」
 奥から同様の装いをした人物が。
 そして一斉にフードをめくり顔を露にする。
 十人十色のイケメンたち。その頭には二本の角が生えている。きっとこれが鬼族なのだろう。
 爽やかな笑顔にめいめい違い色の天然パーマ。どこかのホストクラブか!
 「三人のお姫様のご来店です」
 えっ・・・・・・三人?
 鬼たちは俺を鋭い視線で睨み付けてくる。
 背後から腕を掴まれて引っ張られる。
 そして来店に使った舟に投げ捨てられ、舟ごと海に押し出されてしまった。
 俺は必死でオールを漕いだが向かい風にあおられいっこうに前進するどころか戻されてしまう。
 「なんでだよー!」
 俺は大声で嘆いた。
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