桃太郎になっちゃた?

青キング

日本のスイーツ王

 スイーツ大会の開会式まではあと少し。城内も徐々に参加者が増えていき、希望を抱いた者が集まっているのだろう。
 「優勝したら何がもらえるのかな」
 「スイーツではないでしょうか」
 「まぁ確かにスイーツ大会だしな」
 そして、この大会の主催者がリーグ別に並んで立っている参加者たちの前に立つ。
 「第三回スイーツ大会開会式を始める」
 主催者が大会の始まりを告げる。
 「あまり長く話すと疲れると思うのでこれで開会式を終わります」
 主催者は一礼して元の席に戻って行った。
 「第一試合Aリーグは裏庭で、Bリーグは厨房で、Cリーグは大広間で試合をする。各自準備をしておくように。試合の内容はリーグごとの会場の審判員に尋ねるように、以上」
 俺達は確かAリーグの第一試合だから急がないといけないな。
 「あの主催者身長が低すぎてずっと笑い我慢してたんだよね」
 「本人の前で笑うなよ」
 誰だって嘲笑れたら嫌だしな。
 一行は裏庭へ向かう。城内に城の案内図があちらこちらに貼られていたので迷うことはなかった。
「ここが裏庭か」
 入ってみると想像とは程遠い畑やビニールハウスなど農園い言うべき場所だ。
 他のチームは全員揃い待ちくたびれていた。
 「遅いよ早くしてくれ」
 「すいません」
 俺は頭を下げながら謝る。
 「全チーム揃ったことですし試合のルールを説明したいと思います」
 相手チームは柄の悪い男性三人。いわば不良。こんな人たちがスイーツを食べるとスイーツの地位が下がってしまう。絶対に勝とう。
 「ここの裏庭には多種多様の果物があります。その中から好きなだけ採っていき、テーブルに置いてあるケーキのスポンジに盛り付けたりスポンジを切って挟んだりして審査員に提出してください味や見た目がよかった方の勝ちとなります」
 「質問いいっすかー」
 「どうぞ。ディエゴチーム」
 「果物って味見していいんすか」
 「全然かまいません」
 それならこの勝負もらったな。県内ではスイーツ王と呼ばれ全国に名を轟かせている俺にかかればあんな雑魚どもは敵ではない。
 「質問はありませんねではスタート」
 審判の合図でディエゴチームは三人別れて果物狩りに動き出す。
 「じゃあ私はビニールハウスの中を物色してくよ」
 「では私は畑を」
 「ちょっと待て」
 二人は意外な発言をした俺を見つめる。
 「俺の指示に従ってくれ」
 「どうしたのよいきなり」
 「俺を信じてくれ、この勝負に関しては俺が一番適任だと思う。数々のスイーツを食べてきたこの俺が」
 すっとんきょうな目で俺を見る二人、しかし俺はそんな視線を浴びてもスイーツ愛は抑えきれない。
 「お小遣いのすべてをスイーツに使い、休みの日も全国のスイーツを食べに行く。そんなスイーツに命を賭けている男を信じてみろ」
 審査員や審判の好奇の視線があったがそんなことはどうでもいい。
 「じゃあすべてを志乃にゆだねるよ」
 「ああ、二人は座っておしゃべりでもしていればいいんだよ」
 犬川は少し微笑む。
 「頼んだよ」
 こうして俺の勝負が改めて幕を開けた。

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