異世界リベンジャー

チョーカー

激闘 VSパワードスーツ

 
 「……無傷か」

 パワードスーツの動きに変化はない。
 何事もなかったかのように、俺を捕縛しようと動き続ける。

 「無駄ですよ。この程度の事で止まりません」

 シェルは興奮気味の声だった。
 しかし、電撃による熱のせいか、薄らと煙が見える。

 (魔力は無効化されても、魔力による物理現象は無効化されない……か?)

 パワードスーツの腕を掻い潜り、距離を取るために後ろへ飛ぶ。
 着地。だが、その瞬間を狙われた。

 (あっ……ヤバい!)

 砲台が、俺に照準を合わせている。
 着地による一瞬の膠着に合わせて、パワードスーツの砲台が認識不可能の弾丸を発射する。
 回避は出来ない。 抱きかかえているモナルを庇うように、自分の体で受ける。
 意識が揺らぎ、前に倒れかけるも、足に力を入れてダウンを拒否した。
 しかし、弾丸は3連発。残り2発を受けて、俺の体は後方へ投げ出された。

 「……決着ですかね?」とシェルは、先ほどと違って冷めた声を出す。

 「あぁ。そうかもな!」

 吹き飛ばされた場所。
 そこは最初にシェルが現れた所。巨大なクレーターの中だ。
 そこには、倒壊しまだ火を揺らめかせている大木が大量に残っていた。
 そして、中心にはパワードスーツが入っていた、球体のコンテ(?)

 「対魔力性能?耐衝撃性能?それを貫くほどの物理攻撃ならどうだ!」

 俺は周囲に散乱している物体に魔力を注ぎ込む。
 空中に浮かび上がる丸太は数十本。それを弾丸に、一斉射撃を開始する。
 一撃がパワードスーツに直撃。大きく揺れる。
 さらに丸太が連続して、パワードスーツに襲い掛かっていく。
 轟音。
 直撃音で、音という音がかき消されている。

 『無駄ですよ。この程度で破壊できるなら対魔人型を名乗る事はありませんよ』

 パワードスーツから聞こえるシェルの声。
 おそらく肉声での会話は不可能と判断して、スピーカーに切り替えたようだ。
 ……と言う事は、俺からの声は届かないはずだ。だが、俺は声を張り上げる。

 「そうだろうよ!しかし、目的は破壊じゃない」
 『何だと!?』
 「衝撃、そのパワードスーツが耐衝撃性能どんなに高くても、連続しての衝撃を中のお前までカットしてくれるのか?」
 『……お前!それを……最初から…』
 「どうした?喋り方がおかしいぞ?」
 『貴様!貴様!き……さま…!』

 シェルの言葉が途切れ途切れに変わり、やがて声が小さく、聞こえなくなっていった。

 「ついでに追加攻撃だ」

 俺は空を指差す。
 浮遊させているのは、パワードスーツの球体コンテ。
 二階建て民家サイズのそれを、パワードスーツの真上に――――遥か上空に飛ばしていた。
 それを一気に落下させた。

 衝撃音と破壊音。

 舞い上がる砂煙が落ち着くと、パワードスーツはコンテの下敷きになって微動だにしない。

 「……やったか?」



 戦いから静寂を取り戻す。





 やがて――――
















 『そう思うだろ?』

 再び、パワードスーツのスピーカーからシェルの声が聞こえてくる。
 それと同時に起動音――――パワードスーツが動き出す。
 自分を押しつぶしているコンテを軽々しく持ち上げてどかし始める。

 『あのさぁ……二足歩行でオートバランサーまで積んでいて、内部の衝撃について対策を施してないと、本気で思っていたの?あまり舐めないでほしいね』

 「……」

 ……どうやら、戦闘は続くみたいだ。

 

「異世界リベンジャー」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「その他」の人気作品

コメント

コメントを書く