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異世界リベンジャー

チョーカー

我が軍の損傷極小 大勝なり

 やがて、森に火が放たれる。所々で、白い煙が立ち上がっていく。
 最初から、そういう作戦だった。
 森林というフィールドに対して、広範囲で火をつけて荻原みどりのアドバンテージを殺す。
 そのための部隊であり、人員だった。
 しかし、森を構築するための魔力源が断たれたのか、森の成長は止まり、収縮が行われていた。
 まるでビデオの逆再生みたいだ。いや……今どき、ビデオの逆再生なんて例えが通じるだろうか?
 テレビデオなんて、テレビとビデオデッキが一体化した家電もあったが、今でも販売してるのだろうか?
 そんな事を考え、俺は1人笑っていた。
 もちろん、ただの現実逃避だ。
 荻原みどりの体は埋葬している。この森の中心地にあたる場所へ埋めた。
 もしかしたら、この森は完全に消滅してしまうかもしれないが……それでも、この場所で眠らせてあげるべきだ。
 魔法は精神の影響を受ける。ならば、このフィールドも、荻原みどりの内面を表しているのだろう。
 俺は、そう判断した。そして、この場所を後にする。 

 『プラント』から『コワン』へたどり着いたのは、1日もかかった。
 来た時より時間がかかったのは、荻原みどりとの戦いで闇雲に走った分、方向感覚が狂っていたせいだ。
 ようするに迷子になっていた。
 『コワン』には、すでに分散させていた兵が戻っていた。
 全員無事。若干の負傷者はいるももの死傷者は0。
 成功……と言っていいだろう。
 そして、一報が届く。その内容は――――

 『魔王』軍撤退 我が軍の損傷極小 大勝なり



 戦いは一方的だった……らしい。
 帰国した俺に伝わった話だ。どのくらいの正確な情報なのかはわからない。
 それは戦いにすらなっていなかったそうだ。
 『ナシオン』軍の虐殺と言ってもいい。
 何かの作戦ではないか?と軍の上層部は警戒したが、『魔王』に属する魔人たちの多くが討ち取られている。
 おそらく、『ナシオン』が切り札として作った兵器が絶大な効果を発揮したのだろう。
 そう結論付けた。
 『ナシオン』の兵器。
 魔人を利用した兵器であり、本来ならば俺が使うことになっていた兵器だ。
 ……いや、違うのか?正しくは、俺が使われる事になっていた兵器だ。
 現在は捕えられた魔人である火野烈弥が、その主軸として使われている。
 いままで存在こそ明らかになっていたが、その全貌は極秘扱いになっていたが、試作品を実戦配備した事により、その正体は白日のもとに晒された。

 それは魔人の魔力を瞬間的に吸い上げ、自軍のすべての兵士にバフ効果のエンチャントを行う。
 つまり、一瞬のタイムラグもなく、何万もの人間に強化魔法をほぼ同時に使用するというものだった。
 ただの兵士を熟練の魔法使いや剣士に代えるほど効果。
 それは魔人の概念によく似ている。 大量の魔力を保持し、理論も法則も無視して魔法を使う事ができるのが魔人だ。
 一個人が魔人に匹敵するとまでは言わないが……現に何人もの魔人を打ち負かしている。  
 それは想像するのも難しい。どうんなメカニズムで可能としているのか?

 そして、俺は火野烈弥と会うことになる。

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