異世界リベンジャー
世界の半分を貴様にくれてやろう
「・・・なに・・を・・」
何を言っている?
挑発か?かく乱が目的か?
『よし。こういう時は、この言葉を使うと相場が決まっているな。
わしは待っておった。そなたのような 若者が 現れることを……もしもわしの味方になれば世界の半分を貴様にくれてやろう』
「―――ッ!?ふざけやがって!」
俺の歯からギリギリとこすり合う音が漏れる。
どこに……この怒りをぶつければいいのか?
しかし―――
一方通行で流れているはずの映像から、俺の思考を読みとったように『魔王』の言葉を続いた。
『なぜ、怒る?』
「……なに?」
『お前は、何か勘違いをしていないか?』
「……何を言っている?」
『ハッキリと言ってやる。この世界の人間は、悪だ』
「―――――――ッッッ!?」
『漆黒の意志で、善を塗りつぶし、毒のように浸透し、感情を腐らせていく。
彼等が我々に何をした?貴様に、彼等は何をした?
自らの目的のために、人間をエネルギーの一部としか見ていない。人の意志を、人権を剥奪し、人間として扱う事はない。―――ゆえに我らは魔人と言われる。
そして、彼等は、それが悪い事だと、認識すらしていない。
彼らは、それが当然と思っている。何が悪い事なのかわかっていない。
なぜなら、そうやって世界は発展していったからであり、それだからこそ、『魔人』を人として扱わないという事を文化として定着していったのだ。
嘘だと思うか?ならば、見るがいい。彼らの顔を』
凍り付く。
「コイツはナニをイッテイル?」
俺は―――言われるままに――周囲の人間の表情を窺う。
何も見えない。彼等から感情が伝わってこない。
俺は何のために?ここにいる?なんのために戦っている?
「分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。わからない。わからない。わからない。わからない。わからない。わからない。わからない。わからない。わからない。わからない。わからない。わからない……
ワカラナイ」
ワカラナイ。
俺は、どうすればいいのか?
俺は―――俺は―――俺は―――
「いいえ、違います」
この場で凛として声が通る。
その声の持ち主は、モナルだった。
「確かに私たちは、魔人の立場で考えた事はありませんでした。
それは私たち人間の弱さからくる過ち以外の何ものでもありません」
騒めきが起きる。
国の代表が、世界の文化を、世界の歴史を否定したのだ。
その衝撃は、俺には理解できない。
しかし、モナルは臆さず、言葉を繋ぐ。
「―――しかし、人間は進化するのです。自分の弱さを見つめ、立ち向かう勇気を誰でも有しているのです。
だから、私は、この場で宣言します。
私、ナシオンの王女 モナル・ク・パープストは、全ての魔人に謝罪を。解放を。そして、貴方との―――『魔王』との対話を望みます」
『だが、断る』
その声はどこから聞こえた?
テレビから……ではない。 その声は室内から聞こえた。
その持ち主は、いつの間にか部屋の端に―――壁に寄り掛かるように立っていた。
黒いフード付きのマントを身に纏い、中身は見えない。
黒い剣を杖のように使い、地面に突き刺している。
どうやって?どこから?いつの間に?
ナシオンの城に、単独で彼は現れた。
魔王軍総大将。『魔王』がそこに立っていたのだ。
何を言っている?
挑発か?かく乱が目的か?
『よし。こういう時は、この言葉を使うと相場が決まっているな。
わしは待っておった。そなたのような 若者が 現れることを……もしもわしの味方になれば世界の半分を貴様にくれてやろう』
「―――ッ!?ふざけやがって!」
俺の歯からギリギリとこすり合う音が漏れる。
どこに……この怒りをぶつければいいのか?
しかし―――
一方通行で流れているはずの映像から、俺の思考を読みとったように『魔王』の言葉を続いた。
『なぜ、怒る?』
「……なに?」
『お前は、何か勘違いをしていないか?』
「……何を言っている?」
『ハッキリと言ってやる。この世界の人間は、悪だ』
「―――――――ッッッ!?」
『漆黒の意志で、善を塗りつぶし、毒のように浸透し、感情を腐らせていく。
彼等が我々に何をした?貴様に、彼等は何をした?
自らの目的のために、人間をエネルギーの一部としか見ていない。人の意志を、人権を剥奪し、人間として扱う事はない。―――ゆえに我らは魔人と言われる。
そして、彼等は、それが悪い事だと、認識すらしていない。
彼らは、それが当然と思っている。何が悪い事なのかわかっていない。
なぜなら、そうやって世界は発展していったからであり、それだからこそ、『魔人』を人として扱わないという事を文化として定着していったのだ。
嘘だと思うか?ならば、見るがいい。彼らの顔を』
凍り付く。
「コイツはナニをイッテイル?」
俺は―――言われるままに――周囲の人間の表情を窺う。
何も見えない。彼等から感情が伝わってこない。
俺は何のために?ここにいる?なんのために戦っている?
「分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。わからない。わからない。わからない。わからない。わからない。わからない。わからない。わからない。わからない。わからない。わからない。わからない……
ワカラナイ」
ワカラナイ。
俺は、どうすればいいのか?
俺は―――俺は―――俺は―――
「いいえ、違います」
この場で凛として声が通る。
その声の持ち主は、モナルだった。
「確かに私たちは、魔人の立場で考えた事はありませんでした。
それは私たち人間の弱さからくる過ち以外の何ものでもありません」
騒めきが起きる。
国の代表が、世界の文化を、世界の歴史を否定したのだ。
その衝撃は、俺には理解できない。
しかし、モナルは臆さず、言葉を繋ぐ。
「―――しかし、人間は進化するのです。自分の弱さを見つめ、立ち向かう勇気を誰でも有しているのです。
だから、私は、この場で宣言します。
私、ナシオンの王女 モナル・ク・パープストは、全ての魔人に謝罪を。解放を。そして、貴方との―――『魔王』との対話を望みます」
『だが、断る』
その声はどこから聞こえた?
テレビから……ではない。 その声は室内から聞こえた。
その持ち主は、いつの間にか部屋の端に―――壁に寄り掛かるように立っていた。
黒いフード付きのマントを身に纏い、中身は見えない。
黒い剣を杖のように使い、地面に突き刺している。
どうやって?どこから?いつの間に?
ナシオンの城に、単独で彼は現れた。
魔王軍総大将。『魔王』がそこに立っていたのだ。
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