どうやら魔王は俺と結婚したいらしい
80
「ほらっあーん」
「がぼほっ!」
始まってしまった謎の会、ダサい上に長すぎるので『あーんの会』と言っておこう。
「むごむご……ごくんっ、しっシルクたんいきなり突っ込んで来るなんて……幼女なのにだいた」
何か危ない事を言い掛けそうな半魚人の口を卵焼きを塞ぐ、陸なのに活きの良い物だな。
「お代わりが欲しいんだな? よしっどんどん食べると良い」
さて話は今の状況になる、俺は今魔物達に卵焼きを食べさせてやっている、ご丁寧に椅子に座られてテーブルに乗せられた卵焼きを1人に付き30秒間食べさせてやってる。
早く終わらせたいので卵焼きを箸で掴んで魔物達の口に突っ込んでやっている所だ。
「いっ何時ものシルクたんも素敵だけど……今のシルクたんも素敵です! 結婚してください!」
「黙れ……」
なんか知らんが告白されてしまった……物凄く不快で仕方ない。
「お客様、お時間ですわ」
と、その時だラムが半魚人の両肩を掴み引きずる。
「それとNGワードを口走っていたのでお仕置き部屋に連行ですわ」
「えっ……おっお仕置き? それ、おれにとってはご褒美なんだけど?」
……同類だ、同類がいる、そんな半魚人の言葉に「あたしもですわ」と同意するラムは、何時建てたのか疑問が残る『お仕置き部屋』と書かれた小さなテントへ連行していく。
中から……。
「ヴぁっヴァームさんっ! それっ! 我々の業界でも拷問……あぁぁぁぁっ!!」
と言う悲鳴が聞こえてくる……恐ろしい、中で何が起きているんだ?
あまり考えない様にしよう。
「ほら、早く食べなよ」
「ごふっ……もっもっと優しく!」
ん? 俺の隣の奴も頑張っているみたいだな……ラキュが卵焼きを俺以上に無理矢理捩じ込んでいる。
「はい、終わり……次」
冷たくそう言って後、魔物を蹴っ飛ばして次の魔物を呼ぶ……てっ手荒いにも程がある、こんな奴等に優しくしてやる義理なんてないから別に良いか。
「おっおっす!ラキュ様ぁっ俺ぁ、あんた様の手荒いご奉仕を耐えきってやるぜぇ!」
あっ……ラキュの次の相手はあの狼人間だ、また訳分かんない事言ってる、それを聞いたラキュは怒ったのか眉をピクリと動かす。
「へぇ……相変わらず気持ち悪い事この上無いね、全くもって不愉快だよ……」
「へへっ……あっし等はそんな言葉攻めには屈しないぜ!」
……いっ今軽く身震いをしてしまった、ん? ラキュが此方を見たぞ……なんだ?
「ねぇ、殴って良いかな?」
「よせ、その手の奴は殴っても喜ばせるだけだ」
こいつはラムと同類と見た、だから素っ気なくスルーすれば事は丸く収まるんだ。
「もう良いかな?お嬢さん……」
ぐっ……誰だか知らないが不愉快な事を言われてしまった、俺は声のする方を向いてみる、そこにいたのは。
「久し振りだねお嬢さん……」
「おっお前は!?」
しっシルクハットを被った蜥蜴男! また現れたのか。
「早速もてなして貰おうかな?」
そう言って椅子に座る蜥蜴男は華麗な動作で足を組む、そしてウインクをしつつ俺に指差し一輪の薔薇を出現させる。
「これは3回目の運命的な出会いへのプレゼント……受け取りたまえ」
あっあれ……この一連の動作見覚えがある。
「さぁ、お嬢さん……私が求めるのは箸でのご奉仕ではない……そうっそれは!口うつ……」
「喋んな!」
大口を開けて喋る蜥蜴男の口にどんどん卵焼きを詰め込む、やり過ぎかな? と思う程詰め込んだのに苦しい表情1つ見せずその男は笑顔で全ての卵焼きを噛んで飲み込んだ。
「美味……これが我らの魔王様がお作りになられた卵焼きの味か、それがお嬢さんに『あーん』される事で旨みがました……」
長々と喋る蜥蜴男はシルクハットを深く被り俺に背を向ける、何か良く分からん食レポをしている……。
「我が友にも教えてやりたい物だ……また会おう」
俺としては2度と会いたくないけどな……とっそうだ、誰かに似てると思ったんだが……結局誰だか分からないな、ふむ……まぁ気にする事でも無いだろう。
「ぐっはぁぁぁぁっ!!」
「なっなんだ!?」
いきなり大声が上がった! まさかこの状況で何か起きたのか? 俺は騒ぎが起きた方に振り向いてみる。
「ふぉぉぉっ!ウルフの旦那が血を吹き出して倒れたぁ!」
「あっあまりにMPが強すぎて倒れたんだ、流石1代目男の娘……半端ねぇ」
そこには鼻から血を吹き出して倒れる狼男とそれを踏んづけながら箸で卵焼きを掴み冷酷その物の表情で見下すラキュの光景が目に写った、その様子を心配して魔物達がざわざわしている……。
「くふっくふふふ……もうお腹一杯かい?じゃ、次の人来なよ」
「おっぉぉぉぉぉっ!! 魔王様の配下であるラム様にMの心得を深く得たウルフの旦那が悶絶するなんて……おっ俺達には無理だぁぁ!」
なんだこれ……もう何か色々と酷すぎるだろ、倒れた狼男も何処か嬉しそうな表情してるし……なっ何したんだよラキュ、と言うかラム……城下町の奴等に何か教えていたのか?
「全く……あれ位の責めで根を上げるなんて、まだまだドMの領域には至りませんわね」
いやっ格好良く腕組んで言ってる所悪いが……そんな所俺は至りたくは無い!
「とっと言う訳で……シルクたんにして貰おう!」
「…………ふぁ!?」
心の中で突っ込んでいると何か不快な言葉が聞こえた、それを理解した俺は変な声をあげてしまう、なっななっ何言ってるんだこいつ等は!
「どうやら僕にお客は来なくなったみたいだね……」
「らっラキュっ助けてくれ!」
流石にこの変態共をで1人で相手するのはキツい! だから助けを求める……するとそんな俺に優しく笑顔を向けてくれるラキュ、あぁ……流石同じ身体の苦しみを持つ者だ、助けてくれるんだな……ラキュ!
「ごめんね……後でお詫びはするから……じゃぁね」
そう言って棺桶を出したラキュ、そのまま素早く入った後消えてしまう。
「みっ見捨てた……だとぉぉぉ!!」
俺の叫びが木霊する……あぁ、何か訳の分からん薬で幼児化されて何か知らんが女体化され、それが解けるまで3日は掛かり、ロアが作った大量の卵焼きの性でこんな目に合う? 理不尽過ぎるだろう!
よし決めた、この身体が元に戻るまで絶対に外に出ない! あーんの会が終わり次第部屋に引きこもってやるぅ! 俺は深く決心した……そして地獄の様な時間が始まるのであった。
「がぼほっ!」
始まってしまった謎の会、ダサい上に長すぎるので『あーんの会』と言っておこう。
「むごむご……ごくんっ、しっシルクたんいきなり突っ込んで来るなんて……幼女なのにだいた」
何か危ない事を言い掛けそうな半魚人の口を卵焼きを塞ぐ、陸なのに活きの良い物だな。
「お代わりが欲しいんだな? よしっどんどん食べると良い」
さて話は今の状況になる、俺は今魔物達に卵焼きを食べさせてやっている、ご丁寧に椅子に座られてテーブルに乗せられた卵焼きを1人に付き30秒間食べさせてやってる。
早く終わらせたいので卵焼きを箸で掴んで魔物達の口に突っ込んでやっている所だ。
「いっ何時ものシルクたんも素敵だけど……今のシルクたんも素敵です! 結婚してください!」
「黙れ……」
なんか知らんが告白されてしまった……物凄く不快で仕方ない。
「お客様、お時間ですわ」
と、その時だラムが半魚人の両肩を掴み引きずる。
「それとNGワードを口走っていたのでお仕置き部屋に連行ですわ」
「えっ……おっお仕置き? それ、おれにとってはご褒美なんだけど?」
……同類だ、同類がいる、そんな半魚人の言葉に「あたしもですわ」と同意するラムは、何時建てたのか疑問が残る『お仕置き部屋』と書かれた小さなテントへ連行していく。
中から……。
「ヴぁっヴァームさんっ! それっ! 我々の業界でも拷問……あぁぁぁぁっ!!」
と言う悲鳴が聞こえてくる……恐ろしい、中で何が起きているんだ?
あまり考えない様にしよう。
「ほら、早く食べなよ」
「ごふっ……もっもっと優しく!」
ん? 俺の隣の奴も頑張っているみたいだな……ラキュが卵焼きを俺以上に無理矢理捩じ込んでいる。
「はい、終わり……次」
冷たくそう言って後、魔物を蹴っ飛ばして次の魔物を呼ぶ……てっ手荒いにも程がある、こんな奴等に優しくしてやる義理なんてないから別に良いか。
「おっおっす!ラキュ様ぁっ俺ぁ、あんた様の手荒いご奉仕を耐えきってやるぜぇ!」
あっ……ラキュの次の相手はあの狼人間だ、また訳分かんない事言ってる、それを聞いたラキュは怒ったのか眉をピクリと動かす。
「へぇ……相変わらず気持ち悪い事この上無いね、全くもって不愉快だよ……」
「へへっ……あっし等はそんな言葉攻めには屈しないぜ!」
……いっ今軽く身震いをしてしまった、ん? ラキュが此方を見たぞ……なんだ?
「ねぇ、殴って良いかな?」
「よせ、その手の奴は殴っても喜ばせるだけだ」
こいつはラムと同類と見た、だから素っ気なくスルーすれば事は丸く収まるんだ。
「もう良いかな?お嬢さん……」
ぐっ……誰だか知らないが不愉快な事を言われてしまった、俺は声のする方を向いてみる、そこにいたのは。
「久し振りだねお嬢さん……」
「おっお前は!?」
しっシルクハットを被った蜥蜴男! また現れたのか。
「早速もてなして貰おうかな?」
そう言って椅子に座る蜥蜴男は華麗な動作で足を組む、そしてウインクをしつつ俺に指差し一輪の薔薇を出現させる。
「これは3回目の運命的な出会いへのプレゼント……受け取りたまえ」
あっあれ……この一連の動作見覚えがある。
「さぁ、お嬢さん……私が求めるのは箸でのご奉仕ではない……そうっそれは!口うつ……」
「喋んな!」
大口を開けて喋る蜥蜴男の口にどんどん卵焼きを詰め込む、やり過ぎかな? と思う程詰め込んだのに苦しい表情1つ見せずその男は笑顔で全ての卵焼きを噛んで飲み込んだ。
「美味……これが我らの魔王様がお作りになられた卵焼きの味か、それがお嬢さんに『あーん』される事で旨みがました……」
長々と喋る蜥蜴男はシルクハットを深く被り俺に背を向ける、何か良く分からん食レポをしている……。
「我が友にも教えてやりたい物だ……また会おう」
俺としては2度と会いたくないけどな……とっそうだ、誰かに似てると思ったんだが……結局誰だか分からないな、ふむ……まぁ気にする事でも無いだろう。
「ぐっはぁぁぁぁっ!!」
「なっなんだ!?」
いきなり大声が上がった! まさかこの状況で何か起きたのか? 俺は騒ぎが起きた方に振り向いてみる。
「ふぉぉぉっ!ウルフの旦那が血を吹き出して倒れたぁ!」
「あっあまりにMPが強すぎて倒れたんだ、流石1代目男の娘……半端ねぇ」
そこには鼻から血を吹き出して倒れる狼男とそれを踏んづけながら箸で卵焼きを掴み冷酷その物の表情で見下すラキュの光景が目に写った、その様子を心配して魔物達がざわざわしている……。
「くふっくふふふ……もうお腹一杯かい?じゃ、次の人来なよ」
「おっぉぉぉぉぉっ!! 魔王様の配下であるラム様にMの心得を深く得たウルフの旦那が悶絶するなんて……おっ俺達には無理だぁぁ!」
なんだこれ……もう何か色々と酷すぎるだろ、倒れた狼男も何処か嬉しそうな表情してるし……なっ何したんだよラキュ、と言うかラム……城下町の奴等に何か教えていたのか?
「全く……あれ位の責めで根を上げるなんて、まだまだドMの領域には至りませんわね」
いやっ格好良く腕組んで言ってる所悪いが……そんな所俺は至りたくは無い!
「とっと言う訳で……シルクたんにして貰おう!」
「…………ふぁ!?」
心の中で突っ込んでいると何か不快な言葉が聞こえた、それを理解した俺は変な声をあげてしまう、なっななっ何言ってるんだこいつ等は!
「どうやら僕にお客は来なくなったみたいだね……」
「らっラキュっ助けてくれ!」
流石にこの変態共をで1人で相手するのはキツい! だから助けを求める……するとそんな俺に優しく笑顔を向けてくれるラキュ、あぁ……流石同じ身体の苦しみを持つ者だ、助けてくれるんだな……ラキュ!
「ごめんね……後でお詫びはするから……じゃぁね」
そう言って棺桶を出したラキュ、そのまま素早く入った後消えてしまう。
「みっ見捨てた……だとぉぉぉ!!」
俺の叫びが木霊する……あぁ、何か訳の分からん薬で幼児化されて何か知らんが女体化され、それが解けるまで3日は掛かり、ロアが作った大量の卵焼きの性でこんな目に合う? 理不尽過ぎるだろう!
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