どうやら魔王は俺と結婚したいらしい
81
時は経ち太陽が中央まで登った頃……ようやく『あーんの会』が終わった、俺はラムに連れられロアの部屋へと案内された、それから30分の時間が経過する。
「シルク、そこから動いてくれんかの?」
「嫌だ」
俺は部屋の隅に三角座りしてずっと斜め上を眺めていた、もう決めたんだ……この身体が治るまでこの部屋から出ないとな、一応言っておくと今の服装はあのピンクドレスのままだ、脱ぎたかったんだが他の服もヤバかったのでこのままでいる事にしている。
「そっそんな事言わんでくれ……ほれっそろそろ昼時じゃろ? お腹減っておらんか?」
因みにロアは俺が受けた恥辱の事は伝わっている、それを聞いて「なにぃっ!わらわもして貰いたかったのじゃぁ!」と叫んで騒いでいたなぁ……と染々思う。
そう思っていた時だ、俺の腹が小さく、ぐぅぅーーと鳴った、不本意ではあるが一言だけ答える。
「……減ってる」
あれから動いてないが確かに腹は減っている、そう力なく答えるとロアはにっこり微笑んで俺の両肩を掴んでくる。
「わらわが頑張って料理作ったんじゃ、食べてくれんか?」
「ロアが作った?」
ロアが作った料理……うっ! 先程の悪しき記憶が脳内再生される、その性でカタカタ震える俺……それを本気で心配したのか優しく抱き締めてくれるロア。
「だっ大丈夫じゃ、今回は量は普通……の筈!」
筈じゃ駄目なんだよ……もう卵と山盛りの料理を見たら俺は発狂してしまう、あの件は俺のトラウマになってしまったんだ、だから料理の量は普通で頼む!
「で……何を作ったんだ?」
「うむ、鬼騎から教わった料理なんだがな……ちゃーはんと言うのを作ってみた」
にっと白い歯を見せてくるロア、炒飯か……卵が入ってるが……まぁ良いだろう。
「ふらいぱん、と言うのを振るのが難しくて大変だったが頑張ったのじゃ!」
「そうか……」
そう言いながら腕を擦る、相当フライパンを振ったらしい……明日腱鞘炎にならなきゃいいな。
「じっ実は具材の調理は鬼騎に手伝って貰ったが……渾身の出来と言っても良いじゃろう!」
ふんすっ! 気分良く鼻を鳴らすロアは胸を張る、鬼騎に手伝って貰ったのなら安心だ。
「だっだから食べに行かんか?」
そうか、食べる為には部屋を出ないといけない、正直出て行きたくない……だが炒飯食べたい。
「この部屋に……持ってきて」
視線は斜め上のまま静かに語る、すると顔をひきつらせるロア。
「……しっシルクが引きこもりになってしまったのじゃ」
何とでも言えば良いさ、此処が安全だ……此処に居れば全て平穏に済むんだ。
「最早脱け殻、何時ものシルクではないのじゃ……」
ふふ、脱け殻か……今の俺にはピッタリの表現かも知れないな。
「むぅ」
そんな俺を俯き加減で見詰める……そして同じく横に座ってくる、何のつもりだ?
「ならばシルクが動くまでわらわもこうしているのじゃ」
満面の笑顔だ……そして俺と同じく斜め上を見つめ始めた、その際ふわっーーとロアの長く艶やかな髪が揺れる、その際甘い香りがした……そう言えばキスされた時も同じ様な匂いがしたな。
「くふふふっ、シルクが諦めて部屋から出るかわらわの空腹が原因で出て行くのか勝負じゃな」
「なんだそれ……」
そんなロアの洒落た会話に少し吹き出してしまう。
「おっ……やっと笑ったのぅ」
すると俺に顔を向け、こつんっとおでこを小突いて来る……何すんだよ……と言う意味を込めて手で払う、すると何故か俺はロアの唇に目がいってしまう、なっ何でそこに目にいくんだよ……。
「ん、顔が赤いぞ……どうかしたのかえ?」
「なっ何でもないっ」
直ぐに横を向きロアに顔を見せない様にする、何時もキスされてるからそこに目がいった、そう言う事にしておこう。
「そうか……ん? シルクよ髪の毛が跳ねておるぞ?」
「えっ……そうか」
そう言えば最近手入れして無かったな……髪が痛んでたのか。
「今日の風呂の時間……わらわが髪を洗ってやるのじゃ」
「それは遠慮する」
俺がそう言うと……ぐいっと髪の毛を引っ張って来る。
「なっ何するんだ……っ!」
確実にロアだな? 文句言ってやる、そう思ってロアの方に振り向いた、すると……。
「ちゅっ……」
両手で顔を持たれてキスされてしまう、俺は一気に身体が赤くなった、まっまたやりやがった…。
「くふふっ何時ものシルクの表情が出て来たのぅ、女同士のキスも良いもんじゃな……」
悪戯に笑うロアは俺の顔をつんつん突っつきまくってくる、かっからかわれた……のか? って、誰が女同士だ! 俺は男だ!
「……ふんっ」
何か知らないが恥ずかしくなってしまった、なので鼻を鳴らして下を向く……何かこうしてるのが阿呆らしくなってきた。
「炒飯……」
「ん?」
小さな声で呟くとロアが小首を傾げて聞いてくる、ロアの言った勝負には負けた結果になってしまったが……まぁ良いだろう。
「作ったんだろ?食堂に連れていってくれよ」 
ぐっ……ずっと部屋に引きこもると言った手前こんな事言うの恥ずかしいな。
「くふふ……了解したのじゃっ」
そう言いながら頭をわしゃわしゃしてくる、髪の毛が痛んでるぞ?と言った奴が髪の毛を痛ませる様な事をしてくるなよ……はぁ……良い意味で調子が狂ってしまった、でもそのお陰で立ち直れた……そこは感謝する事にしよう。
それから俺は食堂へ連れて貰った……そこにはラムとヴァームと鬼騎がいて笑顔で向かえてくれた、初めからこれ見れば俺はもっと早く立ち直れたかもしれない、だがロアには感謝しないといけない。
そのまま俺達はロアの炒飯を食べる、少しだけ焦げてたけど美味しかった。
今度は俺が作ってロアに振る舞うのも良いかもしれない、そう思いながら炒飯を食べる、その際はロアの好物を作ってやるとするか……。 
「シルク、そこから動いてくれんかの?」
「嫌だ」
俺は部屋の隅に三角座りしてずっと斜め上を眺めていた、もう決めたんだ……この身体が治るまでこの部屋から出ないとな、一応言っておくと今の服装はあのピンクドレスのままだ、脱ぎたかったんだが他の服もヤバかったのでこのままでいる事にしている。
「そっそんな事言わんでくれ……ほれっそろそろ昼時じゃろ? お腹減っておらんか?」
因みにロアは俺が受けた恥辱の事は伝わっている、それを聞いて「なにぃっ!わらわもして貰いたかったのじゃぁ!」と叫んで騒いでいたなぁ……と染々思う。
そう思っていた時だ、俺の腹が小さく、ぐぅぅーーと鳴った、不本意ではあるが一言だけ答える。
「……減ってる」
あれから動いてないが確かに腹は減っている、そう力なく答えるとロアはにっこり微笑んで俺の両肩を掴んでくる。
「わらわが頑張って料理作ったんじゃ、食べてくれんか?」
「ロアが作った?」
ロアが作った料理……うっ! 先程の悪しき記憶が脳内再生される、その性でカタカタ震える俺……それを本気で心配したのか優しく抱き締めてくれるロア。
「だっ大丈夫じゃ、今回は量は普通……の筈!」
筈じゃ駄目なんだよ……もう卵と山盛りの料理を見たら俺は発狂してしまう、あの件は俺のトラウマになってしまったんだ、だから料理の量は普通で頼む!
「で……何を作ったんだ?」
「うむ、鬼騎から教わった料理なんだがな……ちゃーはんと言うのを作ってみた」
にっと白い歯を見せてくるロア、炒飯か……卵が入ってるが……まぁ良いだろう。
「ふらいぱん、と言うのを振るのが難しくて大変だったが頑張ったのじゃ!」
「そうか……」
そう言いながら腕を擦る、相当フライパンを振ったらしい……明日腱鞘炎にならなきゃいいな。
「じっ実は具材の調理は鬼騎に手伝って貰ったが……渾身の出来と言っても良いじゃろう!」
ふんすっ! 気分良く鼻を鳴らすロアは胸を張る、鬼騎に手伝って貰ったのなら安心だ。
「だっだから食べに行かんか?」
そうか、食べる為には部屋を出ないといけない、正直出て行きたくない……だが炒飯食べたい。
「この部屋に……持ってきて」
視線は斜め上のまま静かに語る、すると顔をひきつらせるロア。
「……しっシルクが引きこもりになってしまったのじゃ」
何とでも言えば良いさ、此処が安全だ……此処に居れば全て平穏に済むんだ。
「最早脱け殻、何時ものシルクではないのじゃ……」
ふふ、脱け殻か……今の俺にはピッタリの表現かも知れないな。
「むぅ」
そんな俺を俯き加減で見詰める……そして同じく横に座ってくる、何のつもりだ?
「ならばシルクが動くまでわらわもこうしているのじゃ」
満面の笑顔だ……そして俺と同じく斜め上を見つめ始めた、その際ふわっーーとロアの長く艶やかな髪が揺れる、その際甘い香りがした……そう言えばキスされた時も同じ様な匂いがしたな。
「くふふふっ、シルクが諦めて部屋から出るかわらわの空腹が原因で出て行くのか勝負じゃな」
「なんだそれ……」
そんなロアの洒落た会話に少し吹き出してしまう。
「おっ……やっと笑ったのぅ」
すると俺に顔を向け、こつんっとおでこを小突いて来る……何すんだよ……と言う意味を込めて手で払う、すると何故か俺はロアの唇に目がいってしまう、なっ何でそこに目にいくんだよ……。
「ん、顔が赤いぞ……どうかしたのかえ?」
「なっ何でもないっ」
直ぐに横を向きロアに顔を見せない様にする、何時もキスされてるからそこに目がいった、そう言う事にしておこう。
「そうか……ん? シルクよ髪の毛が跳ねておるぞ?」
「えっ……そうか」
そう言えば最近手入れして無かったな……髪が痛んでたのか。
「今日の風呂の時間……わらわが髪を洗ってやるのじゃ」
「それは遠慮する」
俺がそう言うと……ぐいっと髪の毛を引っ張って来る。
「なっ何するんだ……っ!」
確実にロアだな? 文句言ってやる、そう思ってロアの方に振り向いた、すると……。
「ちゅっ……」
両手で顔を持たれてキスされてしまう、俺は一気に身体が赤くなった、まっまたやりやがった…。
「くふふっ何時ものシルクの表情が出て来たのぅ、女同士のキスも良いもんじゃな……」
悪戯に笑うロアは俺の顔をつんつん突っつきまくってくる、かっからかわれた……のか? って、誰が女同士だ! 俺は男だ!
「……ふんっ」
何か知らないが恥ずかしくなってしまった、なので鼻を鳴らして下を向く……何かこうしてるのが阿呆らしくなってきた。
「炒飯……」
「ん?」
小さな声で呟くとロアが小首を傾げて聞いてくる、ロアの言った勝負には負けた結果になってしまったが……まぁ良いだろう。
「作ったんだろ?食堂に連れていってくれよ」 
ぐっ……ずっと部屋に引きこもると言った手前こんな事言うの恥ずかしいな。
「くふふ……了解したのじゃっ」
そう言いながら頭をわしゃわしゃしてくる、髪の毛が痛んでるぞ?と言った奴が髪の毛を痛ませる様な事をしてくるなよ……はぁ……良い意味で調子が狂ってしまった、でもそのお陰で立ち直れた……そこは感謝する事にしよう。
それから俺は食堂へ連れて貰った……そこにはラムとヴァームと鬼騎がいて笑顔で向かえてくれた、初めからこれ見れば俺はもっと早く立ち直れたかもしれない、だがロアには感謝しないといけない。
そのまま俺達はロアの炒飯を食べる、少しだけ焦げてたけど美味しかった。
今度は俺が作ってロアに振る舞うのも良いかもしれない、そう思いながら炒飯を食べる、その際はロアの好物を作ってやるとするか……。 
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