どうやら魔王は俺と結婚したいらしい
75
世の中には絶対に怒らせてはならぬ人はいる、そんな事をひしひしと感じさせられた一時であった、あぁ……俺の心はズタボロだぁ。
「シルク…だっ大丈夫かえ?」
「いや……もう色々と…大丈夫じゃない」
俺は床にしゃがみ手で顔を隠す……それを慰めてくれるロア、因みに身体はまだショタのままだ、さっさと戻ってくれれば良いのに……あっ、縛られた縄はロアがきちんとほどいてくれた、その後優しく毛布を掛けてくれた、あぁ……ロアの優しさが身に染みる。
「ふふ……色々ありましたけど、シルクさんは今ショタ化してるんですよね? 見ていると色々と創作意欲が湧いて来ます」
んで、ヴァームはメェに土下座の状態をキープさせたまま笑顔を見せる、先程こいつに変な事を言わせたが怒りは湧いて来なかった、そりゃあんな物を見たら怒りなんて沸いてくる筈がない。
「ヴァームよ……気持ちは分かるが先ずは謝らんか」
「そうですね……やり過ぎました、申し訳ありません」
頭を深く下げて謝ってくるヴァーム……はは、幾ら謝られても俺の心は救われない、と言うかロア、気持ちは分かるってなんだよ……良く見ればロアの表情少しうっとりしてるじゃないか! まさかこいつ慰める振りをして俺の身体を触りまくっていたな? 絶対邪な考えを持っていただろう……くそっ慰めてくれてると思ったら違った!
「ならメェにも謝って下さいです」
土下座のまま話すメェ、俯いてるのに器用に喋れる物だな……あぁ分かったぞ、何度も経験してるから簡単に喋れる訳か……。
「駄目医者の貴女はそのままの状態で2時間いなさい」
冷たく言い放つヴァームはメェの頭を踏んづけた、今メキメキって鳴ったのは気のせいだよな? メェが「ぐめぇ……」って呻いてるけど……俺には何も聞こえない、これは幻聴と言う事にしておこう、それはさておき俺はヴァームにとって胸の事を言うのは禁断と言うのが分かった、さっき感じた事だがより深く感じてしまう……うっかり口に出さない様に気を付けよう。
「ヴァームよ謝ったらシルクに何か着せてやるのじゃ、ずっと裸じゃと可愛そうじゃろう」
何故か、はぁ……はぁ……と息巻くロア……やはり目的はそれか! 心配してるんだぞ!と言う態度を俺に見せているが隠せてないからな? もう表情が恍惚としてるからな!
それを聞いたヴァームが胸に手を入れる、むにゅっーーと揺れる胸を見てしまって目を反らす、あれが偽者……つまりはパット……しっ信じられないな。
「シルクさん……今何か良からぬ事を考えていませんか?」
「いや、全く全然これっぽちも考えていないぞ」
おっと危ない、悟られたらやばかった……何も考えるな俺。
「そうですか? まぁ良いでしょう……では手始めにこれを着て貰いましょうか」
「おぉっ盗賊コスじゃな? くふふ……ショタで盗賊とは中々に良い物じゃな」
無になっちゃ駄目だった、こいつらこのまま俺にコスプレショーをさせる気だ! あの盗賊の服、布の面積が無さすぎる、まだ俺に恥辱を受けさせたいのかこいつらは!
「はい……ショタのシルクさんはもう女の子と変わりはありませんから私、興奮しております」
「俺は女の子じゃないっ! れっきとした男だ!」
なんて騒いでる内にロアに後ろから両腕を掴まれ拘束される。
「シルク……食前にお着替えするのじゃ」
「シルクさんこれを着た後は妖精コスをお願いしますね」
ははっ冗談じゃない……こいつ等頭可笑しいだろ!
「おいっ幼い奴に酷い事したら犯罪だからな!」
今思った事を言った、もう声を大にしてだ。
「ん? 何を言うかと思ったら」
ロアはにやりっと妖しく笑って胸を押し当て俺の顔をやらしく触ってくる、その瞬間妙な感覚が身体中を走ってしまった、何だよこの感覚は訳が分からない……。
「シルクは今は幼い身体をしておるが歳は20、つまりあれじゃ、えと……なんじゃったかな?」
「合法ショタですロア様」
びっと指を立てて笑顔で語るヴァームに「それじゃ!」と元気良く言うロア、それじゃ! じゃないっ! 何だよ合法ショタって! 初めて聞いたぞそんな言葉!
「と言う訳で問題はありませんね?」
「いや問題ありだからな!」
そう言って盗賊コスを見せ付けてこっちにやって来るヴァーム……やばい、目がとろーんとしてる、べっ別の意味で喰われてしまう!
「滑らかな素肌艶やかな黒の長い髪、そして女の子似の顔立ち……ヘッグがこの場にいたらこう言うでしょう、実にクールじゃないか……と」
あっあいつなら言うだろうなぁ……はっ! そんな事思ってる場合じゃないっ。
「ふざけんなっ、俺は被害者だぞ! これ以上俺に危害を加えるのか!」
「危害? コスプレがですか?」
はっしまった! ヴァームの表情が凍り付いた!
「ちがっそうじゃなくて……あのっその……」
「ふふっふふふふ……」
「いっいかん!」と小声で言うロアはヴァームに警戒するが直ぐに「まぁ良いか」と呟いた、良くねぇよっ助けろよ! ちくしょう……何とかならないのか? 俺は必死に周りを見渡す、無情にも打開策になりそうなのは見付からない。
と言うか見付かっても今の俺じゃ何にも出来ない、くっ……幼くなかったら何とか出来た物を! あっ……幼くなくても体力無くてもどの道脱出は不可能だった、ははははっこれ完全に詰みじゃないか! ここまで来ると笑うしかないな!
「ははっ……はははは」
「うぉぅ、遂にシルクが壊れてしまったのじゃ、じゃがそれはそれで好都合……ヴァームっやってやるのじゃ!」
「分かりました」そう言ってヴァームは俺の側まで着て毛布を剥ぎ取った、その瞬間ヴァームの鼻から血が出た。
「しょっショタの……身体、まるで雪の様な白さじゃないですか……ロア様、味見しても良いですか?」
「だっ駄目じゃ!シルクにペロペロして良いのはわらわだけじゃ!」
言い訳ないだろ……と内心思う俺だが、もう突っ込む気力なんて失せた、もう希望なんて無いんだ……そう思う俺は乾いた笑みを溢す……いや待てよ?希望はまだある、あの時の様にあいつが助けに来てくれれば……あの時は直ぐに捕まってしまったが今の状況から脱出出来ればそれでも良い! 俺は最後の希望を託して腹の底から声を出した。
「ラキュたすけ……」
て……と最後の言葉を話そうとした時、棺桶が出て来て扉が開く、すると顔をひょこっとだしたラキュが現れて素早くこう言った。
「ごめん無理」
そして扉は素早く閉まり棺桶は消えてしまった、つまり最後の希望は潰えたと言う事になってしまう……。
「…………」
もう目の前が真っ白になった俺は言葉が出なかった、それに同情したのかロアは「さっ流石に可愛そうなのじゃ」と呟いた……そう思うなら手を離してくれよ。
「はい、着付けが終わりましたよ!」
と傷心してる間に服を着せられてしまった頭にバンダナまでつけられて……て、これ俺のバンダナだ、無事だったか俺のバンダナ! これも女の子使用に変えられたと思っていたが……良く無事だったなバンダナ……俺は嬉しいぞ! それだけで俺は少しだが心が救われた……こいつ変な奴だな、と思ったらそう思えば良いさ。
「なっ何か知らぬがシルクが涙を流しおったぞ?」
「あらあら……このコスプレが嬉しくて嬉し泣きですか?照れてしまいます」
くねくねと身体を揺するヴァームに言っておく、それは無い! と心で突っ込みを入れた俺はヴァームに立たされる、どうやら服装のチェックをするらしい。
焦げ茶色の薄着で半袖の服装に白の短パン、頭には緑のバンダナ……手にはナイフ (偽物)と盗賊らしさを出すためなのか大袋を担がされた。
「にっ似合い過ぎですっ! しっシルクたんはぁはぁ、シルクたんはぁはぁ……」
「ヴぁっヴァーム!? くっ口調が変なのじゃ!」
元々ぶっ壊れてるヴァームがもっと酷い事になってしまった、もう涎と鼻血が垂れまくっている、表情も変態そのものだ……と言うか今、シルクたんって言われた……何かショックだ、ロアに注意さたヴァームは、はっ! と小声で言った後気を取り直し顔をぺしぺし叩く。
「こほんっ、私とした事が少し取り乱しました」
「あっあれが少しじゃと? でっではヴァーム、写真を撮った後次のコスプレを……ん!?」
くっまだコスプレさせる気か……バンダナが無事だったから精神崩壊は免れたがこれ以上されたら壊れてしまうぞ……って何だ? ロアの視線が熱いんだが……ヴァームに至っては口をだらしなく、ぽかーんと開けている、何だ? 何が起きたんだ? 困惑する状況の中、アホ毛を揺らしながら奴はゆっくりと起き上がる。
「にひっにひひひっ……遂に……遂に第2症状が現れたです!」
メェ……あれだけ酷い事されたのに傷1つ付いていないだと? 頑丈な奴だな……って、今確かこう言ったよな?
「だっ第2症状だと?」
「にひひのひぃ……自分の身体を良く見てみるですよっ、特に下半身!」
ん、自分の身体を良く見てみろだと? ふむ、何処も変わりは…ん!? 俺は視線を落として見る、すると俺は目を見開いて驚いた! むっ胸が少しだが膨らんでないか? しっしかも……下半身に何か違和感を感じるんだが……まっまさか! いっいや……気のせいだ! そっそそっそんな事あるわけないじゃないか! そう自分で心を落ち着かせる、方針状態のロアから何とか手を振りほどいて短パンを捲って自分の下半身を見てみる、頼む……ちゃんとあるよな? そう思い視線を下に落として見る。
「膨らみが無い……だと!?」
そっそんな訳あるか! そう思ってトランクスも捲ってみる……そこには、そう例えるならば草の生えていない丘があった、無い……男にある筈のあれが無い……と言うか消えてる!
「にっひっひっひぃ! これぞショタロリナールDXの真の効能っショタ化からの女体化っつまりはっロリ化ですっ!!」
「ごぶはっ!」
俺は衝撃のあまり血を吹き出して倒れた、そして目から血の涙を流す……おっ俺女の子になってしまった、只でさえ女に間違われるのに女に……あはっあははっあはははははは!
「にひっ、どうやらメェの天才的な頭脳に感動しているですね?
さぁメェを誉めるが良いですよ!」
この……アホ毛羊め、このまま死んでしまったら俺はお前を呪うからなぁ、俺はそう思い涙を流し続けた。
その後、あまりの惨状にロアが本気で慰め流石のヴァームも自重し俺に普通の服を着せてくれ事態は治まった、その普通の服と言っても女に物なんだがな……まぁこの身体だから文句は言わないでおくさ。
因みにアホ毛羊はあの後どうなったかと言うと。
「めっめぎぁぁっ!? おっお薬注射は嫌ですよぉぉっ!」
「自分で作った薬ですから効能は理解していますよね?」
ヴァームに全身を拘束された後、逆さ釣りにされ注射を打たれていた、騒ぐメェだがヴァームは容赦しなかった。
「そっそのお薬は髪型が暫くアフロになる薬なんですぅぅ後生ですぅぅ止めてですぅぅっアフロはやですぅぅ!」
泣いて許しを乞うメェ……するとヴァームは俺に問ってきた。
「と言ってますがどうなさいますか?」
「構わないやってしまえ」
即答した、それはもう気持ち良い位に……。
「了解しました」
「めぎゃ!?しっしぃ君ごめんですぅもうしませんんっだから許してですぅぅ!」
メェの叫びなんて俺には聞こえない……俺の苦痛を少しでも受けるが良いさ、それを見ながら俺はロアが淹れてくれた紅茶を飲む。
「どっどうじゃ?」
「あぁ、美味しいよロア」
「そっそうか……」照れながら頬をかくロア、しっしかしあれだな……女の子の身体で幼児化してるんだよな? 滅茶苦茶身体に違和感がありまくるんだが……まっまぁメェの話だと3日経てば元に戻るらしい、その間城から出ない様にすれば無事この問題は全て治まるだろう。
「そっそうじゃ」
とその時だ、メェが何かを思い出したかの様に喋りだす。
「どうした?」
「朝飯……まだじゃよな?」
あぁ……ごたごたしてて忘れていたが、そう言えばそうだった、朝飯がまだだった……そう言われると腹が空いてきてしまった。
「あぁ、まだ食べてないぞ?」
それを聞くと「そうか……」と呟き微笑んだ、すると元気良くロアがこう言った。
「なっならば今日の朝食はわらわが作ろうではないか!」
「……え?」
突然の言葉に驚いてしまった、ロアが作った食事…風邪を引いて以来食べて無いな。
「少し待っているのじゃ!」
俺が返事をする前にロアは元気良く厨房へと走って行ってしまった、まぁ嫌ではないから止めるつもりは無かったんだが……やけに張り切ってるな、これって俺に自分の作った料理を食べて貰いたいからだよな? ならば心して食べるとしよう、そして今度はちゃんと感想を言うんだ、そう思い紅茶を一口、口に含んだ。
「シルク…だっ大丈夫かえ?」
「いや……もう色々と…大丈夫じゃない」
俺は床にしゃがみ手で顔を隠す……それを慰めてくれるロア、因みに身体はまだショタのままだ、さっさと戻ってくれれば良いのに……あっ、縛られた縄はロアがきちんとほどいてくれた、その後優しく毛布を掛けてくれた、あぁ……ロアの優しさが身に染みる。
「ふふ……色々ありましたけど、シルクさんは今ショタ化してるんですよね? 見ていると色々と創作意欲が湧いて来ます」
んで、ヴァームはメェに土下座の状態をキープさせたまま笑顔を見せる、先程こいつに変な事を言わせたが怒りは湧いて来なかった、そりゃあんな物を見たら怒りなんて沸いてくる筈がない。
「ヴァームよ……気持ちは分かるが先ずは謝らんか」
「そうですね……やり過ぎました、申し訳ありません」
頭を深く下げて謝ってくるヴァーム……はは、幾ら謝られても俺の心は救われない、と言うかロア、気持ちは分かるってなんだよ……良く見ればロアの表情少しうっとりしてるじゃないか! まさかこいつ慰める振りをして俺の身体を触りまくっていたな? 絶対邪な考えを持っていただろう……くそっ慰めてくれてると思ったら違った!
「ならメェにも謝って下さいです」
土下座のまま話すメェ、俯いてるのに器用に喋れる物だな……あぁ分かったぞ、何度も経験してるから簡単に喋れる訳か……。
「駄目医者の貴女はそのままの状態で2時間いなさい」
冷たく言い放つヴァームはメェの頭を踏んづけた、今メキメキって鳴ったのは気のせいだよな? メェが「ぐめぇ……」って呻いてるけど……俺には何も聞こえない、これは幻聴と言う事にしておこう、それはさておき俺はヴァームにとって胸の事を言うのは禁断と言うのが分かった、さっき感じた事だがより深く感じてしまう……うっかり口に出さない様に気を付けよう。
「ヴァームよ謝ったらシルクに何か着せてやるのじゃ、ずっと裸じゃと可愛そうじゃろう」
何故か、はぁ……はぁ……と息巻くロア……やはり目的はそれか! 心配してるんだぞ!と言う態度を俺に見せているが隠せてないからな? もう表情が恍惚としてるからな!
それを聞いたヴァームが胸に手を入れる、むにゅっーーと揺れる胸を見てしまって目を反らす、あれが偽者……つまりはパット……しっ信じられないな。
「シルクさん……今何か良からぬ事を考えていませんか?」
「いや、全く全然これっぽちも考えていないぞ」
おっと危ない、悟られたらやばかった……何も考えるな俺。
「そうですか? まぁ良いでしょう……では手始めにこれを着て貰いましょうか」
「おぉっ盗賊コスじゃな? くふふ……ショタで盗賊とは中々に良い物じゃな」
無になっちゃ駄目だった、こいつらこのまま俺にコスプレショーをさせる気だ! あの盗賊の服、布の面積が無さすぎる、まだ俺に恥辱を受けさせたいのかこいつらは!
「はい……ショタのシルクさんはもう女の子と変わりはありませんから私、興奮しております」
「俺は女の子じゃないっ! れっきとした男だ!」
なんて騒いでる内にロアに後ろから両腕を掴まれ拘束される。
「シルク……食前にお着替えするのじゃ」
「シルクさんこれを着た後は妖精コスをお願いしますね」
ははっ冗談じゃない……こいつ等頭可笑しいだろ!
「おいっ幼い奴に酷い事したら犯罪だからな!」
今思った事を言った、もう声を大にしてだ。
「ん? 何を言うかと思ったら」
ロアはにやりっと妖しく笑って胸を押し当て俺の顔をやらしく触ってくる、その瞬間妙な感覚が身体中を走ってしまった、何だよこの感覚は訳が分からない……。
「シルクは今は幼い身体をしておるが歳は20、つまりあれじゃ、えと……なんじゃったかな?」
「合法ショタですロア様」
びっと指を立てて笑顔で語るヴァームに「それじゃ!」と元気良く言うロア、それじゃ! じゃないっ! 何だよ合法ショタって! 初めて聞いたぞそんな言葉!
「と言う訳で問題はありませんね?」
「いや問題ありだからな!」
そう言って盗賊コスを見せ付けてこっちにやって来るヴァーム……やばい、目がとろーんとしてる、べっ別の意味で喰われてしまう!
「滑らかな素肌艶やかな黒の長い髪、そして女の子似の顔立ち……ヘッグがこの場にいたらこう言うでしょう、実にクールじゃないか……と」
あっあいつなら言うだろうなぁ……はっ! そんな事思ってる場合じゃないっ。
「ふざけんなっ、俺は被害者だぞ! これ以上俺に危害を加えるのか!」
「危害? コスプレがですか?」
はっしまった! ヴァームの表情が凍り付いた!
「ちがっそうじゃなくて……あのっその……」
「ふふっふふふふ……」
「いっいかん!」と小声で言うロアはヴァームに警戒するが直ぐに「まぁ良いか」と呟いた、良くねぇよっ助けろよ! ちくしょう……何とかならないのか? 俺は必死に周りを見渡す、無情にも打開策になりそうなのは見付からない。
と言うか見付かっても今の俺じゃ何にも出来ない、くっ……幼くなかったら何とか出来た物を! あっ……幼くなくても体力無くてもどの道脱出は不可能だった、ははははっこれ完全に詰みじゃないか! ここまで来ると笑うしかないな!
「ははっ……はははは」
「うぉぅ、遂にシルクが壊れてしまったのじゃ、じゃがそれはそれで好都合……ヴァームっやってやるのじゃ!」
「分かりました」そう言ってヴァームは俺の側まで着て毛布を剥ぎ取った、その瞬間ヴァームの鼻から血が出た。
「しょっショタの……身体、まるで雪の様な白さじゃないですか……ロア様、味見しても良いですか?」
「だっ駄目じゃ!シルクにペロペロして良いのはわらわだけじゃ!」
言い訳ないだろ……と内心思う俺だが、もう突っ込む気力なんて失せた、もう希望なんて無いんだ……そう思う俺は乾いた笑みを溢す……いや待てよ?希望はまだある、あの時の様にあいつが助けに来てくれれば……あの時は直ぐに捕まってしまったが今の状況から脱出出来ればそれでも良い! 俺は最後の希望を託して腹の底から声を出した。
「ラキュたすけ……」
て……と最後の言葉を話そうとした時、棺桶が出て来て扉が開く、すると顔をひょこっとだしたラキュが現れて素早くこう言った。
「ごめん無理」
そして扉は素早く閉まり棺桶は消えてしまった、つまり最後の希望は潰えたと言う事になってしまう……。
「…………」
もう目の前が真っ白になった俺は言葉が出なかった、それに同情したのかロアは「さっ流石に可愛そうなのじゃ」と呟いた……そう思うなら手を離してくれよ。
「はい、着付けが終わりましたよ!」
と傷心してる間に服を着せられてしまった頭にバンダナまでつけられて……て、これ俺のバンダナだ、無事だったか俺のバンダナ! これも女の子使用に変えられたと思っていたが……良く無事だったなバンダナ……俺は嬉しいぞ! それだけで俺は少しだが心が救われた……こいつ変な奴だな、と思ったらそう思えば良いさ。
「なっ何か知らぬがシルクが涙を流しおったぞ?」
「あらあら……このコスプレが嬉しくて嬉し泣きですか?照れてしまいます」
くねくねと身体を揺するヴァームに言っておく、それは無い! と心で突っ込みを入れた俺はヴァームに立たされる、どうやら服装のチェックをするらしい。
焦げ茶色の薄着で半袖の服装に白の短パン、頭には緑のバンダナ……手にはナイフ (偽物)と盗賊らしさを出すためなのか大袋を担がされた。
「にっ似合い過ぎですっ! しっシルクたんはぁはぁ、シルクたんはぁはぁ……」
「ヴぁっヴァーム!? くっ口調が変なのじゃ!」
元々ぶっ壊れてるヴァームがもっと酷い事になってしまった、もう涎と鼻血が垂れまくっている、表情も変態そのものだ……と言うか今、シルクたんって言われた……何かショックだ、ロアに注意さたヴァームは、はっ! と小声で言った後気を取り直し顔をぺしぺし叩く。
「こほんっ、私とした事が少し取り乱しました」
「あっあれが少しじゃと? でっではヴァーム、写真を撮った後次のコスプレを……ん!?」
くっまだコスプレさせる気か……バンダナが無事だったから精神崩壊は免れたがこれ以上されたら壊れてしまうぞ……って何だ? ロアの視線が熱いんだが……ヴァームに至っては口をだらしなく、ぽかーんと開けている、何だ? 何が起きたんだ? 困惑する状況の中、アホ毛を揺らしながら奴はゆっくりと起き上がる。
「にひっにひひひっ……遂に……遂に第2症状が現れたです!」
メェ……あれだけ酷い事されたのに傷1つ付いていないだと? 頑丈な奴だな……って、今確かこう言ったよな?
「だっ第2症状だと?」
「にひひのひぃ……自分の身体を良く見てみるですよっ、特に下半身!」
ん、自分の身体を良く見てみろだと? ふむ、何処も変わりは…ん!? 俺は視線を落として見る、すると俺は目を見開いて驚いた! むっ胸が少しだが膨らんでないか? しっしかも……下半身に何か違和感を感じるんだが……まっまさか! いっいや……気のせいだ! そっそそっそんな事あるわけないじゃないか! そう自分で心を落ち着かせる、方針状態のロアから何とか手を振りほどいて短パンを捲って自分の下半身を見てみる、頼む……ちゃんとあるよな? そう思い視線を下に落として見る。
「膨らみが無い……だと!?」
そっそんな訳あるか! そう思ってトランクスも捲ってみる……そこには、そう例えるならば草の生えていない丘があった、無い……男にある筈のあれが無い……と言うか消えてる!
「にっひっひっひぃ! これぞショタロリナールDXの真の効能っショタ化からの女体化っつまりはっロリ化ですっ!!」
「ごぶはっ!」
俺は衝撃のあまり血を吹き出して倒れた、そして目から血の涙を流す……おっ俺女の子になってしまった、只でさえ女に間違われるのに女に……あはっあははっあはははははは!
「にひっ、どうやらメェの天才的な頭脳に感動しているですね?
さぁメェを誉めるが良いですよ!」
この……アホ毛羊め、このまま死んでしまったら俺はお前を呪うからなぁ、俺はそう思い涙を流し続けた。
その後、あまりの惨状にロアが本気で慰め流石のヴァームも自重し俺に普通の服を着せてくれ事態は治まった、その普通の服と言っても女に物なんだがな……まぁこの身体だから文句は言わないでおくさ。
因みにアホ毛羊はあの後どうなったかと言うと。
「めっめぎぁぁっ!? おっお薬注射は嫌ですよぉぉっ!」
「自分で作った薬ですから効能は理解していますよね?」
ヴァームに全身を拘束された後、逆さ釣りにされ注射を打たれていた、騒ぐメェだがヴァームは容赦しなかった。
「そっそのお薬は髪型が暫くアフロになる薬なんですぅぅ後生ですぅぅ止めてですぅぅっアフロはやですぅぅ!」
泣いて許しを乞うメェ……するとヴァームは俺に問ってきた。
「と言ってますがどうなさいますか?」
「構わないやってしまえ」
即答した、それはもう気持ち良い位に……。
「了解しました」
「めぎゃ!?しっしぃ君ごめんですぅもうしませんんっだから許してですぅぅ!」
メェの叫びなんて俺には聞こえない……俺の苦痛を少しでも受けるが良いさ、それを見ながら俺はロアが淹れてくれた紅茶を飲む。
「どっどうじゃ?」
「あぁ、美味しいよロア」
「そっそうか……」照れながら頬をかくロア、しっしかしあれだな……女の子の身体で幼児化してるんだよな? 滅茶苦茶身体に違和感がありまくるんだが……まっまぁメェの話だと3日経てば元に戻るらしい、その間城から出ない様にすれば無事この問題は全て治まるだろう。
「そっそうじゃ」
とその時だ、メェが何かを思い出したかの様に喋りだす。
「どうした?」
「朝飯……まだじゃよな?」
あぁ……ごたごたしてて忘れていたが、そう言えばそうだった、朝飯がまだだった……そう言われると腹が空いてきてしまった。
「あぁ、まだ食べてないぞ?」
それを聞くと「そうか……」と呟き微笑んだ、すると元気良くロアがこう言った。
「なっならば今日の朝食はわらわが作ろうではないか!」
「……え?」
突然の言葉に驚いてしまった、ロアが作った食事…風邪を引いて以来食べて無いな。
「少し待っているのじゃ!」
俺が返事をする前にロアは元気良く厨房へと走って行ってしまった、まぁ嫌ではないから止めるつもりは無かったんだが……やけに張り切ってるな、これって俺に自分の作った料理を食べて貰いたいからだよな? ならば心して食べるとしよう、そして今度はちゃんと感想を言うんだ、そう思い紅茶を一口、口に含んだ。
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