どうやら魔王は俺と結婚したいらしい
417
あれから俺はロアの部屋へ戻った。
ロアは既にベットで寝ていた、普段なら一緒に寝るのを渋るが……今回は何も言わずに寝る事にした。
早く寝よう、明日は早く起きるんだ。
その為に今はゆっくり眠ろう、そう思いパジャマに着替え眠りについた。
◇
そして目が覚め、着替えて外に出る。
その時に、気合いを入れる為にバンダナを強くしばった。
肌寒さを感じる夜明け。
空を見上げれば太陽はまだ昇っていない、そんな城下町を独り歩いている。
「アヤネ、どこにいるんだ?」
もしかしたら、もうここにはいない。
そうかもしれないのに、俺は仄暗い城下町を歩き続けた。
まだ魔物は寝ているのか姿はみえない。
だから見付けやすい、だが見付かる気配はまるで無い。
城下町は広い、これは探すのは骨が折れるな。
もしかしたら1日、いや……もっとかかるかもしれないな。
だが諦められるか、ロア……いや、ロアだけじゃない、皆のお陰で決心できたんだ、必ず見つけ出してやる。
そう思い、気合いを入れて歩く。
よしっ、あの曲がり角を曲がって路地裏に入ろう。
もしかしたら目立たない場所にいるかも知れないからな。
そう思い曲がり角を曲がった。
そしたら、後ろから誰かに、ぽんっと肩を叩かれた。
驚いて振り返ってみると、そこには笑顔のラキュがいた。
「やぁおはよ。随分朝早い散歩だね」
「らっラキュ!」
「驚いたよ、まさかシルク君も外にいるなんてね。どうかしたの?」
何気無く話してくるラキュ。
その言葉、そっくりそのまま返してやりたい。
なっなんでラキュが外に出ているんだ? 何か用でもあるのか?
「くふふふ。どうして僕が此処にいるのかきになってる顔だね。僕も聞きたいよ、どうしてシルク君が此処にいるのかをね」
「え、あ。そっそれは……」
「……あ、なるほど。いまの表情で大体察したよ」
「ひょっ表情でか!?」
「うん」
くふふ、と笑ったラキュは俺の前に出る。
「アヤネの所に行くんでしょ?」
「っ、なっなんでそれを……」
知ってるんだ! と言う前にラキュは「くふふ。当たりだね」と呟く。
すっすごい、表情を見ただけで……そんな事が分かるなんて。
戸惑ってる俺を他所にラキュは微笑み、路地裏の奥を指差す。
「着いてきなよ。僕もアヤネに用があるんだ」
「そっそうなのか?」
「うん。そんなんだよ」
ラキュもアヤネに用がある。
一体なんの用なんだ? 全く検討もつかない、いやそれよりもだ。
「アヤネが何処にいるか、分かるのか?」
「分かるよ。最近会ったばっかりだからね」
「分かるのか! そっそれに最近会ったぁ!?」
驚く俺を軽く笑った後「驚くのは後、取り合えず早くいこうよ」と言い。
先へと進んでいく、だから俺は慌ててそれに着いていった。
「なっなぁ、全く話が掴めないんだが……どういう事なんだ?」
ラキュに追い付いた後、聞いてみる、そしたら……。
「あぁ、んー……その事は後で話すよ」
こんな事を言われた。
あっ後で話すって……今、聞きたいんだが?
「シルク君」
だから詳しく聞き出そうとしたんだが……先に話し掛けられてしまった。
「なんだ?」
「……どうするか決めたみたいだね」
ラキュの言葉に俺は黙って頷いた。
そしたら、そう……と軽く返した後……。
「僕はね。ヘタレだった脳筋鬼に言われて自分の思いに気付いたんだ」
脳筋って呼ばずに鬼騎って、ちゃんと呼んでやれ。
って、え? 自分の気持ちに気付いた?
「気付いたって、何にだ?」
「それはまだ秘密」
「おっおぅ」
「そんな顔しなくても、これから知る事になるよ」
そっそうか。
なにを知るのかは知らないが……なんだかドキドキするな、ラキュもここに来たって事は……アヤネに何かを伝える為に来たんだよな?
なにを言うつもりなんだ? すっごく気になる。
気になって、歩きながら腕を組んでると……。
「シルク君、アヤネに会ったら……まずは僕から話して良いかな? 先に伝えた方が良い事があるんだ、良いかな?」
ラキュは前を向いたまま、そう言ってきた。
なんの事か分からないが、ラキュの真剣な顔を見て……咄嗟に俺は。
「あっあぁ……」
と答えた。
今まで見たラキュの中で一番の真剣さを感じる。
……だから、詮索的な言葉は掛けられなかった。
そんな俺の返事を聞いて、口角を上に上げて「ありがとう」と小声で伝えてきた。
ふむ……なんだろう、なにか妙な雰囲気を感じるな。
……あ、そうだ。
呑気にラキュの事を気にしてないで自分の事を気にするべきだ。
俺もアヤネに大事な事を伝えるんだ。
どこに向かってるのかは知らないが、心の準備をするべきだ。
だから集中しよう。
アヤネの元へ辿り着くまでに……必ず、アヤネに言うんだ。
気合いを入れる為、眼をキリッとさせ……ラキュの案内のもとアヤネのいる方へと歩いていった。
ロアは既にベットで寝ていた、普段なら一緒に寝るのを渋るが……今回は何も言わずに寝る事にした。
早く寝よう、明日は早く起きるんだ。
その為に今はゆっくり眠ろう、そう思いパジャマに着替え眠りについた。
◇
そして目が覚め、着替えて外に出る。
その時に、気合いを入れる為にバンダナを強くしばった。
肌寒さを感じる夜明け。
空を見上げれば太陽はまだ昇っていない、そんな城下町を独り歩いている。
「アヤネ、どこにいるんだ?」
もしかしたら、もうここにはいない。
そうかもしれないのに、俺は仄暗い城下町を歩き続けた。
まだ魔物は寝ているのか姿はみえない。
だから見付けやすい、だが見付かる気配はまるで無い。
城下町は広い、これは探すのは骨が折れるな。
もしかしたら1日、いや……もっとかかるかもしれないな。
だが諦められるか、ロア……いや、ロアだけじゃない、皆のお陰で決心できたんだ、必ず見つけ出してやる。
そう思い、気合いを入れて歩く。
よしっ、あの曲がり角を曲がって路地裏に入ろう。
もしかしたら目立たない場所にいるかも知れないからな。
そう思い曲がり角を曲がった。
そしたら、後ろから誰かに、ぽんっと肩を叩かれた。
驚いて振り返ってみると、そこには笑顔のラキュがいた。
「やぁおはよ。随分朝早い散歩だね」
「らっラキュ!」
「驚いたよ、まさかシルク君も外にいるなんてね。どうかしたの?」
何気無く話してくるラキュ。
その言葉、そっくりそのまま返してやりたい。
なっなんでラキュが外に出ているんだ? 何か用でもあるのか?
「くふふふ。どうして僕が此処にいるのかきになってる顔だね。僕も聞きたいよ、どうしてシルク君が此処にいるのかをね」
「え、あ。そっそれは……」
「……あ、なるほど。いまの表情で大体察したよ」
「ひょっ表情でか!?」
「うん」
くふふ、と笑ったラキュは俺の前に出る。
「アヤネの所に行くんでしょ?」
「っ、なっなんでそれを……」
知ってるんだ! と言う前にラキュは「くふふ。当たりだね」と呟く。
すっすごい、表情を見ただけで……そんな事が分かるなんて。
戸惑ってる俺を他所にラキュは微笑み、路地裏の奥を指差す。
「着いてきなよ。僕もアヤネに用があるんだ」
「そっそうなのか?」
「うん。そんなんだよ」
ラキュもアヤネに用がある。
一体なんの用なんだ? 全く検討もつかない、いやそれよりもだ。
「アヤネが何処にいるか、分かるのか?」
「分かるよ。最近会ったばっかりだからね」
「分かるのか! そっそれに最近会ったぁ!?」
驚く俺を軽く笑った後「驚くのは後、取り合えず早くいこうよ」と言い。
先へと進んでいく、だから俺は慌ててそれに着いていった。
「なっなぁ、全く話が掴めないんだが……どういう事なんだ?」
ラキュに追い付いた後、聞いてみる、そしたら……。
「あぁ、んー……その事は後で話すよ」
こんな事を言われた。
あっ後で話すって……今、聞きたいんだが?
「シルク君」
だから詳しく聞き出そうとしたんだが……先に話し掛けられてしまった。
「なんだ?」
「……どうするか決めたみたいだね」
ラキュの言葉に俺は黙って頷いた。
そしたら、そう……と軽く返した後……。
「僕はね。ヘタレだった脳筋鬼に言われて自分の思いに気付いたんだ」
脳筋って呼ばずに鬼騎って、ちゃんと呼んでやれ。
って、え? 自分の気持ちに気付いた?
「気付いたって、何にだ?」
「それはまだ秘密」
「おっおぅ」
「そんな顔しなくても、これから知る事になるよ」
そっそうか。
なにを知るのかは知らないが……なんだかドキドキするな、ラキュもここに来たって事は……アヤネに何かを伝える為に来たんだよな?
なにを言うつもりなんだ? すっごく気になる。
気になって、歩きながら腕を組んでると……。
「シルク君、アヤネに会ったら……まずは僕から話して良いかな? 先に伝えた方が良い事があるんだ、良いかな?」
ラキュは前を向いたまま、そう言ってきた。
なんの事か分からないが、ラキュの真剣な顔を見て……咄嗟に俺は。
「あっあぁ……」
と答えた。
今まで見たラキュの中で一番の真剣さを感じる。
……だから、詮索的な言葉は掛けられなかった。
そんな俺の返事を聞いて、口角を上に上げて「ありがとう」と小声で伝えてきた。
ふむ……なんだろう、なにか妙な雰囲気を感じるな。
……あ、そうだ。
呑気にラキュの事を気にしてないで自分の事を気にするべきだ。
俺もアヤネに大事な事を伝えるんだ。
どこに向かってるのかは知らないが、心の準備をするべきだ。
だから集中しよう。
アヤネの元へ辿り着くまでに……必ず、アヤネに言うんだ。
気合いを入れる為、眼をキリッとさせ……ラキュの案内のもとアヤネのいる方へと歩いていった。
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