どうやら魔王は俺と結婚したいらしい
424
俺とアヤネは、ゆっくりと城へと帰っていった。
その途中、何も喋らなかった……と言うより、さっきの長時間のキスを思い出してお互い気まずくなって喋れなくなっていた。
そうなりながらも、俺とアヤネは魔王城へ帰ってきた。
その玄関、じぃっと扉を見つめるアヤネ……もしかして入るのが気まずいのか?
そりゃそうか、急に飛び出したからな……入り辛いだろう。
「大丈夫だ」
「ん……」
ぽんっ、とアヤネの背中を押す。
そしたら、覚悟が決まったのかゆっくりと歩きだし、ギギギィ……と扉を軋ませながらゆっくりと開ける、そして恐る恐る覗き込む。
「誰も……いない」
「まぁ、まだ朝早いからな」
誰もいないのはしょうがないだろう。
さて、じゃぁどうするか……そう考えながら、俺も城へと入る。
「取りあえず、ロアの部屋に行くか?」
「……おなか減ったから嫌」
おっおぅ、腹減ってるのか。
もしかして、まだ食べてないのか? って……俺もそうだった。
じゃ、行き先は決まったな。
行き先は食堂だ。
だけど……鬼騎が起きてるか分からないな、まぁ……料理の仕込みのため早く起きてそうだが、行ってみないと分からないな。
「じゃ、行くか」
「ん」
軽い返事をしたあと、俺の手を握ってきた。
だから、びくっ! となった……急に握ってくるなよ、あと急じゃなくても握ってくるな。
「……なんで手を繋いでくる?」
「好きだから」
「おっおぅ」
面と向かってそう言う事言うんだな。
すっごく恥ずかしい……っと、恥ずかしがってないで早く行くか。
という事で歩き始める、その時だ……俺の脳裏に電流が走る。
って、あっ……そうだよ。
アヤネに会ったんなら、まずするべき事があったじゃないか!
俺は立ち止まって、アヤネを見る、急に止まったからアヤネは転けそうになる。
むっ……とした表情で睨んできた、すっすまん、一言声かければ良かったな。
「アヤネ、食堂に行くのは後だ」
「……」
にっ睨みが強くなった。
なんで? って感じの視線だ。
「アヤネの母さんと父さんに見付けた事、言わないといけないんだ」
だから説明した。
フドウさんとシズハさんはアヤネを心配してた、だからまずそれをすべきなんだ。
あの2人、今起きてるか分からないけどな……でも、行かないといけないだろう、何処にいるか分からないけどな……。
「……え、パパもいるの?」
「あぁ、そう言えばアヤネは知らないんだったな。いるんだよ、ヘッグに乗って急に現れたんだ」
「へぇ……。そっそう……パパがいるんだ」
あ、気まずい顔をしたな。
そして、ずりずりと後ろへ下がった。
「もしかして、会いたくない感じか?」
「……」
無言で頷く。
そりゃそうか、アヤネは家出したもんな、父親と顔を合わせ辛いだろう。
あっでも、シズハさんとは普通に会ってたよな? その違いってなんだ?
「ぱっパパは……恐い。ママは怖くない、でも……怒ったら恐い。だから会いたくない」
「いや、そんな事言ってられないだろ」
呆れた顔をアヤネに向けると、彼女は俺から手を離し腕を組んで、ぷくっと頬を膨らませた。
「私、もういっかい出ていく」
そう言って、アヤネは後ろを向いて、駆け出した。
「あ、こら! 何処行くんだ!」
せっかく見付けて戻ってきたのに! また何処かへ言ったぞ!
早く追い付かないと……だっだけど、はっ速い! アヤネ……足が早すぎるっ。
必死で追い掛けるが追い付けない。
そのまま、アヤネは玄関扉までたどり着き勢い良く扉を開け、再び駆けだ……そうとしたんだが。
ドンッーー
「ぁうっ」
「わっと……危ないなぁ、ってアヤネ?」
ラキュにぶつかった。
良かった、ナイスタイミングだラキュ! 慌てて俺は……。
「ラキュ! アヤネを捕まえてくれ!」
そう言って、応援を求める。
ラキュは不思議そうな顔をしたけど、俺の言った通りアヤネをお姫様抱っこして捕まえた。
「っ、わ……」
「あぁ……言われるがまましたけど、どういう事なの?」
小さな悲鳴をあげるアヤネ、ラキュは不思議そうな顔をしながら俺の方へと歩いて来る。
「あぁ……それはな、ふぅ……フドウさんと……ぜぃっぜぃっ……シズハさんの所へ連れてこうとしたら、はぁ……はぁ……逃げ出したんだ」
「へぇ……。そうなんだ、で? なんでそんなに疲れてるの?」
「きゅっ……急に走ったから……だ」
「そうなんだ、相変わらず体力ないね」
「ほっ……ほっとけ。はぁ……はぁ……」
今はそんなの関係無いだろう……。
くっ……疲れた、ちっちょっと休憩しよう。
俺は膝に手をのせ、呼吸を調える。
「降ろして」
「アヤネはこう言ってるけど?」
「だっダメだ。悪いが、そのまま連れてってくれ」
「りょうかい」
今アヤネを降ろしたら、きっとまた逃げ出す。
そんな事させるもんか、だから、あのに2人に会うまでお姫様抱っこのままで居てもらう。
「はなして、おろして、会いたくないっ!」
ぎゃぁぎゃぁ喚いて暴れるアヤネをなんとか抑え続けるラキュ。
そんなラキュは……なんかちょっぴり嬉しそうな顔をしている。
もしかして……好きな娘をお姫様抱っこして嬉しいと思ってるのか? 凄く気になる所だ。
その事を聞いてみたい所だが「は? 何言ってるの? そんなわけないじゃん」とか言ってはぐらかされるだろうからやめだ。
「ねぇ」
「っ、なんだ?」
急にラキュに話し掛けられた。
驚いたが、冷静に返事する。
「なんかさ……。初めて正しいお姫様抱っこを見た気がしない?」
「え? んー……あぁ、そうだな」
いまだ「降ろさないと噛むからっ、本気だから」と叫ぶアヤネをじぃっと見る。
……確かにその通りだ、これぞ正しいお姫様抱っこの形だ。
「行こうか、もう疲れはとれたよね? 大丈夫だよね?」
「あぁ、大丈夫だ」
ラキュの言葉に頷いて、俺とアヤネを抱えたラキュは……フドウさんとシズハさんを探すため城の奥へと進んで行く。
その間、アヤネはずぅぅっと騒いだままだったのは言うまでもない。
その途中、何も喋らなかった……と言うより、さっきの長時間のキスを思い出してお互い気まずくなって喋れなくなっていた。
そうなりながらも、俺とアヤネは魔王城へ帰ってきた。
その玄関、じぃっと扉を見つめるアヤネ……もしかして入るのが気まずいのか?
そりゃそうか、急に飛び出したからな……入り辛いだろう。
「大丈夫だ」
「ん……」
ぽんっ、とアヤネの背中を押す。
そしたら、覚悟が決まったのかゆっくりと歩きだし、ギギギィ……と扉を軋ませながらゆっくりと開ける、そして恐る恐る覗き込む。
「誰も……いない」
「まぁ、まだ朝早いからな」
誰もいないのはしょうがないだろう。
さて、じゃぁどうするか……そう考えながら、俺も城へと入る。
「取りあえず、ロアの部屋に行くか?」
「……おなか減ったから嫌」
おっおぅ、腹減ってるのか。
もしかして、まだ食べてないのか? って……俺もそうだった。
じゃ、行き先は決まったな。
行き先は食堂だ。
だけど……鬼騎が起きてるか分からないな、まぁ……料理の仕込みのため早く起きてそうだが、行ってみないと分からないな。
「じゃ、行くか」
「ん」
軽い返事をしたあと、俺の手を握ってきた。
だから、びくっ! となった……急に握ってくるなよ、あと急じゃなくても握ってくるな。
「……なんで手を繋いでくる?」
「好きだから」
「おっおぅ」
面と向かってそう言う事言うんだな。
すっごく恥ずかしい……っと、恥ずかしがってないで早く行くか。
という事で歩き始める、その時だ……俺の脳裏に電流が走る。
って、あっ……そうだよ。
アヤネに会ったんなら、まずするべき事があったじゃないか!
俺は立ち止まって、アヤネを見る、急に止まったからアヤネは転けそうになる。
むっ……とした表情で睨んできた、すっすまん、一言声かければ良かったな。
「アヤネ、食堂に行くのは後だ」
「……」
にっ睨みが強くなった。
なんで? って感じの視線だ。
「アヤネの母さんと父さんに見付けた事、言わないといけないんだ」
だから説明した。
フドウさんとシズハさんはアヤネを心配してた、だからまずそれをすべきなんだ。
あの2人、今起きてるか分からないけどな……でも、行かないといけないだろう、何処にいるか分からないけどな……。
「……え、パパもいるの?」
「あぁ、そう言えばアヤネは知らないんだったな。いるんだよ、ヘッグに乗って急に現れたんだ」
「へぇ……。そっそう……パパがいるんだ」
あ、気まずい顔をしたな。
そして、ずりずりと後ろへ下がった。
「もしかして、会いたくない感じか?」
「……」
無言で頷く。
そりゃそうか、アヤネは家出したもんな、父親と顔を合わせ辛いだろう。
あっでも、シズハさんとは普通に会ってたよな? その違いってなんだ?
「ぱっパパは……恐い。ママは怖くない、でも……怒ったら恐い。だから会いたくない」
「いや、そんな事言ってられないだろ」
呆れた顔をアヤネに向けると、彼女は俺から手を離し腕を組んで、ぷくっと頬を膨らませた。
「私、もういっかい出ていく」
そう言って、アヤネは後ろを向いて、駆け出した。
「あ、こら! 何処行くんだ!」
せっかく見付けて戻ってきたのに! また何処かへ言ったぞ!
早く追い付かないと……だっだけど、はっ速い! アヤネ……足が早すぎるっ。
必死で追い掛けるが追い付けない。
そのまま、アヤネは玄関扉までたどり着き勢い良く扉を開け、再び駆けだ……そうとしたんだが。
ドンッーー
「ぁうっ」
「わっと……危ないなぁ、ってアヤネ?」
ラキュにぶつかった。
良かった、ナイスタイミングだラキュ! 慌てて俺は……。
「ラキュ! アヤネを捕まえてくれ!」
そう言って、応援を求める。
ラキュは不思議そうな顔をしたけど、俺の言った通りアヤネをお姫様抱っこして捕まえた。
「っ、わ……」
「あぁ……言われるがまましたけど、どういう事なの?」
小さな悲鳴をあげるアヤネ、ラキュは不思議そうな顔をしながら俺の方へと歩いて来る。
「あぁ……それはな、ふぅ……フドウさんと……ぜぃっぜぃっ……シズハさんの所へ連れてこうとしたら、はぁ……はぁ……逃げ出したんだ」
「へぇ……。そうなんだ、で? なんでそんなに疲れてるの?」
「きゅっ……急に走ったから……だ」
「そうなんだ、相変わらず体力ないね」
「ほっ……ほっとけ。はぁ……はぁ……」
今はそんなの関係無いだろう……。
くっ……疲れた、ちっちょっと休憩しよう。
俺は膝に手をのせ、呼吸を調える。
「降ろして」
「アヤネはこう言ってるけど?」
「だっダメだ。悪いが、そのまま連れてってくれ」
「りょうかい」
今アヤネを降ろしたら、きっとまた逃げ出す。
そんな事させるもんか、だから、あのに2人に会うまでお姫様抱っこのままで居てもらう。
「はなして、おろして、会いたくないっ!」
ぎゃぁぎゃぁ喚いて暴れるアヤネをなんとか抑え続けるラキュ。
そんなラキュは……なんかちょっぴり嬉しそうな顔をしている。
もしかして……好きな娘をお姫様抱っこして嬉しいと思ってるのか? 凄く気になる所だ。
その事を聞いてみたい所だが「は? 何言ってるの? そんなわけないじゃん」とか言ってはぐらかされるだろうからやめだ。
「ねぇ」
「っ、なんだ?」
急にラキュに話し掛けられた。
驚いたが、冷静に返事する。
「なんかさ……。初めて正しいお姫様抱っこを見た気がしない?」
「え? んー……あぁ、そうだな」
いまだ「降ろさないと噛むからっ、本気だから」と叫ぶアヤネをじぃっと見る。
……確かにその通りだ、これぞ正しいお姫様抱っこの形だ。
「行こうか、もう疲れはとれたよね? 大丈夫だよね?」
「あぁ、大丈夫だ」
ラキュの言葉に頷いて、俺とアヤネを抱えたラキュは……フドウさんとシズハさんを探すため城の奥へと進んで行く。
その間、アヤネはずぅぅっと騒いだままだったのは言うまでもない。
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