どうやら魔王は俺と結婚したいらしい
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「……いた」
「あぁ、いたな」
さて、話はフドウさんとシズハさんを探しだした所から始まる。
ふぅ……探しだすのに苦労した、あの2人、何処で寝るのか聞いてなかったからな。
しらみ潰しに部屋を見て回ったら……いた、意外と早く見つかった。
全部の部屋を見て回る羽目にならなくて良かった。
「遂に……見付けちゃった」
落胆するアヤネ。
それに苦笑いしながらラキュはアヤネを降ろした、その瞬間、逃げようとしたからすかさず襟首を掴んでそれを阻止。
「今更何処へ行くのさ」
襟が首を絞めて、ぐえっ! となったアヤネは、恨めしそうにラキュを見る。
「何処か遠くへ行きたい気分」
「ダメだ、ちゃんと親に顔をみせろ。心配してたぞ」
そんなアヤネの言葉にすかさず言ってやった。
「むぅ……」
「むぅじゃない」
すっごい不満そうな顔をしている、だけど構うものか。
きっちり親子で話をしてもらうぞ。
と言っても、まだ2人は寝てるけどな……1つのベットに2人寄り添って気持ち良さそうに寝ている。
あ、フドウさん……鎧脱いだんだな。
ベットの側に置いてある。
そりゃそうか、寝にくいもんな……鎧の下、どうなってるんだろう。
「パパとママ、寝てる。起こしちゃ悪い。他のとこ行こ」
……おっと、考え事してる場合じゃなかった。
アヤネがなんとしても逃げ出そうとしてる……でも、アヤネの言う通りなんだよな。
わざわざ起こすのも悪い。
でも、早く顔を見せてあげたいのも事実。
さぁ……どうするか。
「らっ君」
「なに?」
腕を組んで考えていたら、アヤネがラキュの服をくいくい引っ張る。
そして、思いっきり甘えた顔をして、甘えた声を出した。
「お願い、ここから逃がし……」
「ダメだよ」
だがしかし、それを打ち砕くが如く、ラキュの微笑ましい笑顔。
すぱっと即答で断った、しかも最後まで言わせない……。
「うぅぅっ……意地悪」
「それ、僕にとっては褒め言葉だよ?」
「……ふんっ」
あぁ、完全にいじけてしまった。
ラキュの奴、完全に遊んでるな。
「……可愛い反応、しないでよ」
ん? なんかボソッと言ったな。
良く聞こえなかった、聞き返してみるか。
「え、なんか言ったか?」
「っ、なっなにも言ってないよ」
おぉ、そうか……じゃ気のせいか。
って、あ! 
「こら、何処行くんだよ」
「……ぅぅ、見つかった」
俺とラキュが離してる隙に逃げ出そうとするんじゃない! すかさず手首を掴んだ。
「逃げるな、親と話をしろ」
「でも……」
「でもじゃない!」
渋い顔のアヤネ。
絶対に嫌なんだな……なに言われるか分かったもんじゃないからな。
でも、話すべきだ、ここは心を鬼にしてアヤネを説得するぞ。
「ねぇ、シルク君」
そんな時だ。
ラキュがポンポンっと肩を叩いてきた。
なんだ? と言って振り替える。
「2人とも寝てるからさ……時間を改めた方が良いんじゃない? じゃないと話しようにも出来ないでしょ?」
うっ……確かにそうだ。
って、うぉ……ラキュの話を聞いた瞬間、アヤネがニヤニヤしだした。
まるで「そうだそうだ」と言わんばかりの顔。
少し腹立つな。
だが、ラキュの言う通りか……。
「仕方ないか……じゃ、他の所へいこう」
「やた」
あからさま嬉しそうに微笑むアヤネ、そんなアヤネに向かって思いっきり睨んでやる。
「その代わり! 後で必ず会って話をしてもらうからな」
キツめにそう言うと、ビクッ! と身体を震わせた後、ゆっくりと「……ん」と言いながら頷いてくれた。
「よし。絶対に会ってもらうからな。忘れるなよ?」
「努力……する」
こいつ、後で絶対に「忘れた」って言うつもりだな。
まったく……仕方ない奴だ、そう思いため息を吐いて、俺達は部屋から静かに出た。
「くふふふ、振り回されてるね」
「まったくだ、ほんっと疲れる……」
俺が疲れた表情をしてるのに、ラキュは面白そうに笑ってる。
「でも、悪くないって顔をしてるね」
「……ふんっ、からかってる暇があったら、アヤネに何かアピールしてこいよ」
「わぉ、手厳しいね」
正直に言うと、ラキュの言った通りだよ。
悪くないって思ってる……それが何時もの俺とアヤネの会話みたいなものだから。
そんな会話してると、いつの間にか俺とラキュより少し遠くにいるアヤネが手を振っている。
「おぉい、こっち。こっちいこ」
……あぁ、いついかなる時もマイペースだな。
少しは人に合わせるって事を学んでくれよ。
そう思って苦笑いをして、俺はアヤネの方へ歩いていった。
ラキュは、くふふふっと笑った後追い掛けてくる。
さて、暫くアヤネに付き合うとするか……。
「あぁ、いたな」
さて、話はフドウさんとシズハさんを探しだした所から始まる。
ふぅ……探しだすのに苦労した、あの2人、何処で寝るのか聞いてなかったからな。
しらみ潰しに部屋を見て回ったら……いた、意外と早く見つかった。
全部の部屋を見て回る羽目にならなくて良かった。
「遂に……見付けちゃった」
落胆するアヤネ。
それに苦笑いしながらラキュはアヤネを降ろした、その瞬間、逃げようとしたからすかさず襟首を掴んでそれを阻止。
「今更何処へ行くのさ」
襟が首を絞めて、ぐえっ! となったアヤネは、恨めしそうにラキュを見る。
「何処か遠くへ行きたい気分」
「ダメだ、ちゃんと親に顔をみせろ。心配してたぞ」
そんなアヤネの言葉にすかさず言ってやった。
「むぅ……」
「むぅじゃない」
すっごい不満そうな顔をしている、だけど構うものか。
きっちり親子で話をしてもらうぞ。
と言っても、まだ2人は寝てるけどな……1つのベットに2人寄り添って気持ち良さそうに寝ている。
あ、フドウさん……鎧脱いだんだな。
ベットの側に置いてある。
そりゃそうか、寝にくいもんな……鎧の下、どうなってるんだろう。
「パパとママ、寝てる。起こしちゃ悪い。他のとこ行こ」
……おっと、考え事してる場合じゃなかった。
アヤネがなんとしても逃げ出そうとしてる……でも、アヤネの言う通りなんだよな。
わざわざ起こすのも悪い。
でも、早く顔を見せてあげたいのも事実。
さぁ……どうするか。
「らっ君」
「なに?」
腕を組んで考えていたら、アヤネがラキュの服をくいくい引っ張る。
そして、思いっきり甘えた顔をして、甘えた声を出した。
「お願い、ここから逃がし……」
「ダメだよ」
だがしかし、それを打ち砕くが如く、ラキュの微笑ましい笑顔。
すぱっと即答で断った、しかも最後まで言わせない……。
「うぅぅっ……意地悪」
「それ、僕にとっては褒め言葉だよ?」
「……ふんっ」
あぁ、完全にいじけてしまった。
ラキュの奴、完全に遊んでるな。
「……可愛い反応、しないでよ」
ん? なんかボソッと言ったな。
良く聞こえなかった、聞き返してみるか。
「え、なんか言ったか?」
「っ、なっなにも言ってないよ」
おぉ、そうか……じゃ気のせいか。
って、あ! 
「こら、何処行くんだよ」
「……ぅぅ、見つかった」
俺とラキュが離してる隙に逃げ出そうとするんじゃない! すかさず手首を掴んだ。
「逃げるな、親と話をしろ」
「でも……」
「でもじゃない!」
渋い顔のアヤネ。
絶対に嫌なんだな……なに言われるか分かったもんじゃないからな。
でも、話すべきだ、ここは心を鬼にしてアヤネを説得するぞ。
「ねぇ、シルク君」
そんな時だ。
ラキュがポンポンっと肩を叩いてきた。
なんだ? と言って振り替える。
「2人とも寝てるからさ……時間を改めた方が良いんじゃない? じゃないと話しようにも出来ないでしょ?」
うっ……確かにそうだ。
って、うぉ……ラキュの話を聞いた瞬間、アヤネがニヤニヤしだした。
まるで「そうだそうだ」と言わんばかりの顔。
少し腹立つな。
だが、ラキュの言う通りか……。
「仕方ないか……じゃ、他の所へいこう」
「やた」
あからさま嬉しそうに微笑むアヤネ、そんなアヤネに向かって思いっきり睨んでやる。
「その代わり! 後で必ず会って話をしてもらうからな」
キツめにそう言うと、ビクッ! と身体を震わせた後、ゆっくりと「……ん」と言いながら頷いてくれた。
「よし。絶対に会ってもらうからな。忘れるなよ?」
「努力……する」
こいつ、後で絶対に「忘れた」って言うつもりだな。
まったく……仕方ない奴だ、そう思いため息を吐いて、俺達は部屋から静かに出た。
「くふふふ、振り回されてるね」
「まったくだ、ほんっと疲れる……」
俺が疲れた表情をしてるのに、ラキュは面白そうに笑ってる。
「でも、悪くないって顔をしてるね」
「……ふんっ、からかってる暇があったら、アヤネに何かアピールしてこいよ」
「わぉ、手厳しいね」
正直に言うと、ラキュの言った通りだよ。
悪くないって思ってる……それが何時もの俺とアヤネの会話みたいなものだから。
そんな会話してると、いつの間にか俺とラキュより少し遠くにいるアヤネが手を振っている。
「おぉい、こっち。こっちいこ」
……あぁ、いついかなる時もマイペースだな。
少しは人に合わせるって事を学んでくれよ。
そう思って苦笑いをして、俺はアヤネの方へ歩いていった。
ラキュは、くふふふっと笑った後追い掛けてくる。
さて、暫くアヤネに付き合うとするか……。
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